黒脳シンドローム

体操が得意な高校生の雪村ヒロトは、交通事故から目覚めると見知らぬ部屋に幽閉され、なぜか外見が少女になっていた。部屋のスピーカーを通して謎の人物「主催者」からの指示により、究極のサバイバルゲーム「マネキンゲーム」に強制的に参加することになったヒロトは、自分自身の体を取り戻すべく、最初のミッションに参加する。そのミッションとは見知らぬ人物に精神を宿し、その人物の1日の予定をこなしていくという、一見簡単そうな内容ながら、そこにはわずかな油断が死に直結するほどの危険が潜んでいた。ヒロトをはじめとしたプレイヤーたちが命懸けのマネキンゲームに挑み、マネキンゲームの謎とその裏に潜む主催者の闇を暴いていく姿が、ミステリーやサバイバルホラーを交えて展開される。

主人公の雪村ヒロトは、自らの美しさに絶対的な自信を持つイケメン高校生。しかしその自信に満ちた日々は、交通事故に遭ったことで脆(もろ)くも崩れ去り、元の体を取り戻すため「マネキンゲーム」に参加することになる。そしてヒロトが、最初のミッションで精神を潜り込ませる対象となった「リカコ」は、サイコパスな彼氏と付き合っており、危機的な状況に陥る。ヒロトは何度も死の危険に遭遇しながらも、自らの美しい外見を取り戻すため理不尽なマネキンゲームを次々とクリアしていく。しかしヒロト以外にもマネキンゲームには参加者が存在し、ヒロトを狙う危険人物をはじめ、一癖も二癖もある個性的なプレイヤーが登場する。

「マネキンゲーム」に挑み続ける雪村ヒロトは、時にミッションに失敗して死の危険にさらされるが、小玉さちこをはじめとするほかのプレイヤーの助言でピンチを乗り切り、マネキンゲームを通して出会いを広げていく。絶望的な状況下でも機転を利かせた作戦でマネキンゲームをクリアしていくにつれ、マネキンゲームを主催する謎の人物の目的が判明する。主催者は「スピーカー」とも呼ばれており、優れた医療技術でヒロトの体を復活させる代償として、彼にマネキンゲームへの参加を命じていた。その目的は、あらゆる危険な状況下でも生き抜く高い環境適応力を持った人間を探し出すことだった。そんな主催者について探り始めるプレイヤーも現れ、謎に満ちた主催者の正体がゲームの進行と共に明らかになっていく。