概要・あらすじ
中学時代は喧嘩にあけくれていた伝説の不良・蜂須賀鉄郎は、高校入学と同時に不良を引退。熱くなれる「何か」を探していた。そんなある日、一緒に掃除をしていたクラスメイトの女子高生・井上彩香がバイク好きであることを知った鉄郎は、勢いでバイクが好きであるとウソをついてしまう。成り行きからバイクに興味を抱いた鉄郎は、偶然から学園に駐車されていたバイクに乗ったことでそのパワーに圧倒され、本格的にバイクの魅力に引き込まれていくのだった。
登場人物・キャラクター
蜂須賀 鉄郎 (はちすか てつろう)
県立三田橋高校の新入生である、黒髪でロングヘアの目つきが鋭い男子高校生。中学時代は喧嘩三昧の生活をしていた荒くれ者で、「邪神」の異名を取る、近隣にその名を轟かせる伝説的な不良だった。高校入学と同時に不良を引退し、自分が新たに熱中できる「何か」を友人の松本孝と共に探し始める。孝からはバイクを薦められるも、イマイチ乗り気になれずにいたが、一緒に掃除をしたクラスメイトの井上彩香に話を合わせるうちに、つい自分がバイク好きであると公言してしまう。 その後、学校に駐車されていた教師・久保の愛車のバイクに乗り、生まれて初めて体験したバイクの力強さに魅了された蜂須賀鉄郎は、苦心しつつも、運転免許の取得やバイクの購入という、新米バイカーとしてのハードルをひとつひとつ越えていくことになる。 無愛想なうえに人に頭を下げるのが苦手で、教師への態度もかなり反抗的。それでも、高校入学後に自分のバイクに乗るという思いを貫いて苦労を重ねたことで、間違いを謝罪できるようになるなど、人間的に少しずつ成長していく。女性に対してはかなり奥手で、同じ年頃の女の子とはほとんど会話したことがない。 裏拳の一発で電柱を砕いてしまうほど、大変な怪力の持ち主でもある。バイク乗りとしての才能に恵まれており、初めて乗った900ccのバイクでアクセルターンを決めてしまうほどだが、まだまだ荒削りで、免許を取得した後も、クラッチの制御などで悪戦苦闘している。名前に「Z」がつくバイクに固執し、初めての愛車として原付バイクの「RZ50」を購入する。
松本 孝 (まつもと たかし)
県立三田橋高校の新入生である、金髪でロングヘアの男子高校生。蜂須賀鉄郎の幼なじみで、いつもつるんでいる親友。ナンパな雰囲気を持ったお調子者で、高校入学後は「女性にモテる」ことをやりたいこととして掲げていた。バイクが大好きで、鉄郎にバイクを薦めた張本人でもある。鉄郎に先んじて原付の免許を取得したうえ、兄から譲られた原付バイクを乗り回して鉄郎を嫉妬させる。 とても面倒見が良く、鉄郎が「RZ50」を購入した後は、バイク初心者の鉄郎に対して、実践的に乗り方を指南することになった。
井上 彩香 (いのうえ あやか)
県立三田橋高校の新入生である女子高生。ほんわかとした雰囲気の美少女。優しく大らかな性格をしているが、かなりのドジっ子。朝を苦手にしており、弟たちに起こしてもらわないと起きることができない。そのため、遅刻の常習犯となっている。遅刻の罰として教室の掃除をやらされていた時に蜂須賀鉄郎と仲良くなった。兄の影響からバイクが好きで、バイクが好きだと語った鉄郎にもなんとなく興味を抱く。
雨宮 一馬 (あまみや かずま)
高校1年生ながら、スーツ姿でスポーツカーを乗り回している長髪の少年。雨宮証券の御曹司。父親と妹をバイクの巻き込み事故で失っており、バイクに対して強烈な恨みを抱いている。街中で手ごろなライダーを見つけてはスポーツカーで追い詰め、バイクに火をつけて燃やしていた。松本孝をターゲットにしたことで蜂須賀鉄郎の逆襲を受けるが、それをものともせず、鉄郎をスポーツカーでひき殺そうとする。 非常に嗜虐心が強く、バイクを狩ること自体を楽しんでいる。
久保 (くぼ)
県立三田橋高校の男性教師。顎鬚を生やした屈強な中年男性で、バイク通勤をしている。入学早々から何かと反抗的な態度を見せる蜂須賀鉄郎に目をつけて、厳しく指導する。当初は鉄郎のことをろくでなしの生徒扱いしていたが、バイクを通じて人間的に成長していく鉄郎を、少しずつだが認めるようになっていく。容姿のせいで、鉄郎からはゴリラ扱いされている。
坂本 (さかもと)
焼き肉屋の店長をしている31歳の美女。バイク購入の資金を稼ぐためにアルバイトに志願した蜂須賀鉄郎を気に入り、ろくな面接もせずに雇う。非常に気が強く、仕事中にミスした相手を、罵声を浴びせつつ容赦なくブン殴る武闘派でもある。そのため、高い時給につられて入って来たバイトも、ほとんどがすぐにやめてしまう。
庄司 (しょうじ)
焼き肉屋で働いている27歳の眼鏡をかけた男性。物静かなうえに気が弱く、店長の坂本からはいつも説教されている。高校生の頃はバイクに乗っていたが、事故で大怪我を負ったことから引退している。蜂須賀鉄郎に対し、バイクで海に行くことをアドバイスしていた。
阿部 (あべ)
サッカーが大好きな小学生の男の子。サッカーの練習をしている際に道路にボールが転がり、蜂須賀鉄郎たちが運転するバイクに轢かれそうになった。気が強く、鉄郎と松本孝に対しても物怖じせず、自分のことを「アベさん」と呼ばせる。練習場として使っていた公園を、バスケ同好会によって追い出されそうになる。
カズヒコ
不良の男性高校生。腕っ節の立つ不良「マサヒコ」の威を借り、仲間をパシリとしてこき使っている腰ぎんちゃく。「マサヒコ」が蜂須賀鉄郎を倒したことがある実力者であると吹聴していたため、鉄郎の怒りを買う。