Eden's End

Eden's End

ごくふつうの生活を送っていた男子高校生の九条和実は、ある日、突然の暴動に巻き込まれるが、その際に幼なじみの桜川千裕が本の姿に変わってしまう。これをきっかけに、一般人にはひた隠しにされてきた英雄の書を廻る争いに巻き込まれていく和実の姿を描いた、アクションファンタジー。「MAGKAN」で2019年4月から配信の作品。

正式名称
Eden's End
ふりがな
えでんず えんど
作者
ジャンル
バトル
 
ファンタジー
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第1巻

特別行政区・人工島(イーストエンド)で暮らす九条和実桜川千裕は、ある日の帰宅途中、電車を待っていたところで暴動に巻き込まれた。切り刻まれた飲食店の壁が降り注ぎ、瓦礫に押し潰された千裕はその瞬間、衣服と不思議な本を残して姿を消してしまう。状況を把握できないでいる和実に対し謎の人物、黒狐は、その本が英雄の書と呼ばれる特別なものであり、本そのものが千裕だと語って、奪取しようと攻撃を仕掛けてくる。(Chapter1「Ask, and it will be given to you 求めよ、さらば与えられん」。ほか、3エピソード収録)

登場人物・キャラクター

九条 和実 (くじょう かずみ)

執行者の少年。物語開始当初は特別行政区である人工島(イーストエンド)にある戸塚高校2年生の17歳だったが、執行者の候補生としてガーデンオブエデンに入学した時には19歳となっている。凜々しい顔立ちで、少々前髪が長い黒髪をしている。桜川千裕の幼なじみで、怖がりで引きこもり気味だった千裕をさまざまな場所に連れ出し、いろいろな世界を体感させてきた自負がある。また、千裕が初めて英雄の書になった際にも、黒狐が奪っていこうとするのを阻止した。なお、母親は国際歴史図書研究所ライブラリに所属する研究者だが、仕事内容を知らされておらず、父親の顔や名前も教えられていない。

桜川 千裕 (さくらがわ ちひろ)

書記者の少年。桜川千隼の息子で、物語開始当初は特別行政区である人工島(イーストエンド)にある戸塚高校2年生の17歳だったが、サポーターとしてガーデンオブエデンに入学した時には19歳となっている。中性的な顔立ちで、白い髪をしている。九条和実の幼なじみで、怖がりで引きこもり気味な幼少期を送っていたが、和実によっていろいろな場所に連れ出され、さまざまな世界を体感させてもらってきた。生きたまま英雄の書に転化できる特異体質で、初めて転化して以降、ちょっとした衝撃や驚きで簡単に本の姿になるようになった。和実を自分にとっての英雄だと考えており、桜川千裕自身が転化する英雄の書にも和実のことが記されている。母親の千隼の仕事内容を知らされておらず、父親の顔や名前も教えられていない。

桜川 千隼 (さくらがわ ちはや)

国際歴史図書研究所ライブラリに所属している研究者の男性。桜川千裕の父親。特務化学班として英雄の書の研究を続けている。千裕が初めて英雄の書に転化したと聞いた際にも慌てることなく対応したが、千裕がかねてより書記者としての適応値がはるかに高かったことや、以前は書記者としての因子が陰性だったことを呟きながら考え込んでいた。

鴫野 椛 (しぎの もみじ)

執行者の女性。国際歴史図書研究所ライブラリに所属している。管理統括室の室長を務め、桜川千隼の上司でもある。長い黒髪をぴっちりとまとめ上げており、非常に気の強そうな顔立ちをしている。遠距離でも英雄の書を発動し、能力の行使ができるチート級の能力を持っており、主にジャンヌ・ダルクの英雄の書を使用して「猟犬部隊」という部下を生み出している。誰に対してもつねに高圧的な態度であることから、「女帝」とあだ名されている。

塚本 颯太 (つかもと そうた)

執行者の候補生の少年。九条和実たちと同期で、ガーデンオブエデンに入学した。長い前髪で左目を隠した黒髪をしている。鴫野椛曰く、特殊技能のある優等生で、努力家なぶん頑固でプライドが高く、素直で正直すぎるという評価を得ている。貧困層の暮らすネザー出身者で、桜川千隼によって見出された。特例枠で入学してきた和実を、千隼に取り入って執行者候補になったと考えており、ライバル視している。

黒狐 (くろぎつね)

執行者の人物。つねに黒い狐面をかぶっており、さらに体のラインが見えない黒ずくめの格好をしているため性別も不明である。国際歴史図書研究所ライブラリに敵対する謎の組織に与している様子があり、何者かの指示のもとで動いているが、詳細は明かされていない。英雄の書を複数所持しており、主に使用するのはシャルル=アンリ・サンソンの大鎌だが、ナポレオン・ボナパルトの率いたフランス軍人たちを呼び出し、一斉射撃させることもできる。

集団・組織

国際歴史図書研究所ライブラリ (こくさいれきしとしょけんきゅうじょらいぶらり)

300年前に英雄の書を手にして以来、収集や分析、調査などの研究をしている機関。無数の英雄の書が収められており、その保管庫への入室には一定の条件が定められているため、限られたスタッフしか出入りを許されていない。黒狐を擁する謎の組織と敵対しており、英雄の書を奪い合っている様子が見られる。

場所

ガーデンオブエデン

エデンに建てられた、国際歴史図書研究所ライブラリ直轄の養成学校。単に「ガーデン」とも略称されている。生徒には黒を基調とした制服が支給されるが、執行者の候補生とサポーターの候補生では制服の形やマントの色が異なっている。英雄の書を管理するための技術や能力を学び、スラム化が著しいネザーを含めた世界平和を成し遂げることを理念としているが、黒狐は「誰のための、どんな平和か」と疑問視している。

エデン

世界中の富裕層が暮らしている地域。国際歴史図書研究所ライブラリの管理区域と、特別行政区として作られた人工島(イーストエンド)を併せて「上層部」とも称されている。エデンの生活水準は現代日本と同等で、施設や服装なども特筆すべき部分はない。

ネザー

世界中の貧困層が暮らしている地域。エデンの北部に位置しており、貧困によるスラム化が激しく、第二次世界大戦後のような荒廃した街並みになっている。古書店などの商店も存在するが、ならず者や借金取りによって脅かされている様子が見られる。

その他キーワード

書記者 (しょきしゃ)

本になる者の総称。ふだんは人間の姿をしているが、死ぬと英雄の書と呼ばれる本の姿に転化する。ただし、桜川千裕は生きたまま英雄の書に転化しており、英雄の書が真っ二つに引き裂かれても破損ページが花びらになって破損部を修復、子供の姿になって自己再生した。

執行者 (しっこうしゃ)

英雄の書に込められた命がけの思いを、強い能力として引き出せる者の総称。英雄の書に記された英雄の能力として、英雄が生前に利用した武器などを具現化して使用できる。また、武器以外にもジャンヌ・ダルクであれば殉教者たちを、ナポレオン・ボナパルトであればフランス軍人たちを呼び出すことができ、敵対者への攻撃を命じることもできる。

英雄の書 (えいゆうのしょ)

書記者が死亡すると転化する本。本文には書記者本人が英雄だと信じた相手の願いや信仰、奇跡などの功績と、記憶や思想などが書き記されている。ふつうの人間には本を開くことすらできず、開いたとしても本文のない真っ白な本に見える。本の思いを感じ取ることで開くことができ、強い信仰心に応えられると本文を読むことができる特殊な作りとなっている。あまりに大きな力を持つことから、一度は世界を滅ぼしかけたとされているが詳細は不明である。「エデンのリンゴ」とも呼ばれている。

SHARE
EC
Amazon
logo