自分の妄想で相手のM・Sマスターを萌えさせろ
本作で繰り広げられるM・S FIGHT(モーソーファイト)は、物理攻撃ではない。相手の妄想で生み出されたM・Sドールの欠点を罵倒して屈服させたり、自らのM・Sドールの萌えどころを挙げて相手を萌えさせたりと、羨ましがらせることで「自分の妄想こそが最強」と思わせる戦いを繰り広げる。一見すると口ゲンカのように見えるが、攻撃によってM・Sマスターが精神ダメージを受けると、最悪の場合はM・Sドールが消滅してしまうこともある。
200時間連続萌えアニメ視聴で悟りを開く
アオイとM・Sドールの八乙女の出会いは、アオイが現実の女子生徒たちにバカにされた憂さ晴らしに、萌えアニメを200時間連続視聴したことに起因する。すべての時間をアニメに捧げて悟りを開き、想像力を司(つかさど)る右脳に隠された「妄想細胞」が活性化したことで、アオイの萌えが凝縮されたM・Sドールである八乙女が妄想から具現化する。八乙女は少し胸が小さいこと以外はアオイの理想系で、当然のように彼女にのめり込んでいく。
最大の敵はD・M(ダークマスター)
基本的にM・Sマスターは、自分の萌えを相手に認めさせることを目的にM・S FIGHTを行う。しかし、実生活でストレスなど負の感情が高ぶり、相手のM・Sドールを消滅させるほど好戦的な状態になったM・Sマスターは、「D・M(ダークマスター)」と呼ばれる。オタク相手に対して強気になるという、いわゆる内弁慶を極めた状態だが、暗躍するD・Mたちにアオイたちは警戒心を強めている。
登場人物・キャラクター
君塚 アオイ (きみづか あおい)
萌えアニメオタクの男子高校生。前髪の長い金髪をカチューシャで留めている。クラスメイトの女子からは「キモ塚」と呼ばれ迫害されている。アニメ好きであることをバカにされたことで現実に愛想を尽かし、2次元にのめり込むことを決め、萌えアニメを200時間連続視聴した結果、妄想からM・Sドールの八乙女を生み出す。アニメファンサイトの掲示板では「キミー」と名乗っている。アオイのライバルである伊達ワカツキとは、ツンデレキャラ萌えとクーデレキャラ萌えでよく論争を繰り広げていた。しかしM・Sトーナメント以降は、ワカツキとも友好的な関係を築いている。友人に対する情が厚く、M・Sドールの亘理ダイスケと池月がD・Mによって消滅させられたと誤解した際は、怒りで震える熱血漢な一面を見せた。
八乙女 (やおとめ)
アオイが妄想で生み出したM・Sドールの少女。ピンクの長い髪をツインテールにしている。誕生日は5月18日で、身長は157センチに設定されている。貧乳でツンデレな言動を繰り返すが、アオイのライバルであるワカツキのM・Sドールである名取と友人になるなど、アオイ以外に対しては友好的な態度を見せる。アオイには素っ気ない態度で接しているが、彼からプレゼントされた指輪はいつも大事に身につけている。
書誌情報
M・S DOLLS 全5巻 小学館〈少年サンデーコミックス〉
第1巻
(2009-10-16発行、 978-4091218605)
第5巻
(2011-07-15発行、 978-4091232083)