謎のウイルスによって荒廃した東京が舞台
作品タイトル「マリシャスコード」は、コンピュータウイルスやトロイの木馬など、意図的な悪意によって生み出されたプログラムの総称。本作では、特殊能力を秘めたコードや、それによって現れた黒い痣について描かれている。新型のキラーウイルス「パンドラウイルス」によって封鎖され、死の街と化した東京と、東京封鎖から10年後に人々が移り住んだ近未来都市、新東京が主な舞台となっている。荒廃した危険なディストピアの世界で、特殊能力を得て生き残った子供たちが命懸けで繰り広げる異能力バトルアクションが、SF要素を交えながら展開される。
新東京の封鎖とキャリアたちの運命
新東京に住む緋彩とその友人たちは、通学中のバスでミコトが引き起こした爆発に巻き込まれ、気を失ったまま永久封鎖された東京に運ばれてしまう。そこで緋彩は謎の少年、乾裕次郎たちに襲われ、友人たちを守ろうとした際に不思議な能力が発動し、なんとか彼らを追い払うことに成功する。東京の建物の中で目を覚ました緋彩は、仲間と共に街を探索しながら東京からの脱出方法を模索し始める。のちに緋彩に発現したその力は、パンドラウイルスに感染して生き残った「キャリア」のみに現れる「マリシャスコード」であることが判明する。そして、荒廃した東京には、マリシャスコードを秘めたキャリアたちが集められており、彼らはそれぞれ特殊な遺伝子を持っていた。
マリシャスコードを巡るサバイバルバトル
「マリシャスコード」を持つキャリアは、ほかのキャリアから遺伝子を奪い取って「更新」しなければ、体が朽ち果てて死に至る運命にあるとされている。こうして、赤い瞳を持つ少年少女たちのあいだで、遺伝子を巡る壮絶なサバイバルバトルが始まる。緋彩は友人の久藤アンナ、秦野崇、日野修一と共に協力しながら、過酷な戦いを生き抜いていく。閉鎖的な環境に閉じ込められた緋彩たちのサバイバルライフの行く末や、それぞれ異なる能力を持ち、時には大きなリスクを伴うマリシャスコードを武器に繰り広げられるバトルアクションが見どころとなっている。また、バトルに参加したキャリアたちの成長物語や、緋彩の戦いを観察するミコトの背後に潜む闇組織の謎も徐々に明らかになっていく。
登場人物・キャラクター
榊 緋彩 (さかき ひいろ)
東京府立新桜台高校に通う男子。新東京に住んでいる。アンナの幼なじみ。パンドラウイルスのキャリアであり、幼少期は入院していた。銀髪をツンツンヘアにして、赤い瞳を持つ。友人思いで正義感が強い性格をしている。通学中、バスが襲撃された際に戦いに巻き込まれ、マリシャスコードに目覚める。マリシャスコードが発動すると、ふだんの優しさや理性を失い、まるで別人のように暴走してしまう。誕生日は12月5日で、身長は173センチ。
久藤 アンナ (くどう あんな)
東京府立新桜台高校に通う女子。新東京に住んでいる。緋彩の幼なじみ。サイドヘアが長めのセミロングヘアで、前髪をヘアピンで留めている。勝気な性格で、以前から緋彩に対して特別な思いを抱いている。パンドラウイルスから生き残った、赤い瞳を持つキャリアの一人。通学中にバスが襲撃され、緋彩たちと共に東京サバイバルバトルに巻き込まれる。敵に拉致された際に、相手のマリシャスコードを打ち消す「キャンセル能力」が覚醒する。料理が苦手。
ミコト
赤い瞳を持つ謎めいた美少女で、銀髪をロングヘアにしている。緋彩たちが通学中に乗っていたバスを襲撃した張本人。緋彩が持つマリシャスコードに強い興味を抱いており、彼の戦いや動向を遠くから観察し、見守っている様子がうかがえるが、その真意や目的は謎に包まれている。東京サバイバルバトルでは「キラー」の一員として活動しており、仲間たちと共に「スフィア」と名乗っている。
その他キーワード
パンドラウイルス
2024年、東京で発生した謎の新型ウイルス。致死率は99.99パーセントで、発症から数日以内に死亡する。この影響で、日本の人口は約2割も減少し、東京以外の関東地方にも深刻な被害をもたらした。感染者の中で生き残ったのはごくわずかな少年少女たちで、彼らは「キャリア」と呼ばれている。キャリアたちは、身の危険や戦闘を通じて「マリシャスコード」と呼ばれる特殊な能力に目覚めていく。
マリシャスコード
パンドラウイルスに感染し、生き残った子供にのみ現れる黒い痣と、その痣に込められた異能力のこと。能力の覚醒タイミングや内容には個人差があるが、共通して赤い瞳を持ち、驚異的な感覚や回復力を発揮する。しかし、放置すると侵食が進行し、最終的には死亡する危険性がある。また、ほかのキャリアを瀕死の状態に追い込むか、殺害することでコードが更新され、侵食を防ぐことができる。