概要・あらすじ
小原紅は不動産会社を経営する父親・小原銀次郎のおかげで、豪勢な生活をしていた。金で買えないものはないと、好き放題やっていた紅とその家族だったが、バブルの崩壊を機に会社が倒産し、すべての財産を銀行に取り上げられてしまう。ブランド品や宝石、美術品などを処分しても借金はまだ10億円あり、銀行員の近藤環からは家を売ることを迫られる紅だったが、それについては断固として拒否。
結果、10億円を毎月600万円ずつ返済するという条件を出され、紅と家族たちは死に物狂いでアルバイトを掛け持ちすることとなった。それでも目標額には届かず、一計を案じた紅は、自宅の空いている部屋を使って、ラブホテルを経営しようと発案。豪奢な洋館風のラブホテルはカップルたちにたちまち大人気となった。
さらにリビングは、兄弟の小原青、小原金太郎、小原桃彦らをホストのように接客させる、マダムたちのサロンとして展開。こうして小原家の財政は一気に潤うが、会社が倒産して以降、廃人のようになっていた銀次郎は、変わり果てた家の様子に怒り狂い、家族を置いて出て行ってしまう。しかも紅は不法なラブホテル経営を糾弾され、これまで稼いだ金を取り上げられてしまう。
こうして借金返済は振出しに戻ってしまうが、めげない紅は、借金完済のための次のアイデアを絞り出すのだった。
登場人物・キャラクター
小原 紅 (おはら べに)
21歳の女子大学生。不動産の会社を経営している父親・小原銀次郎がすさまじい金持ちということもあって、高飛車な性格で、なんでも自分の望むようになると思っているお嬢様。金目当てで媚びてくる仲間たちを従え、毎日豪遊していた。だがバブルの崩壊により銀次郎の会社が倒産し、これまで持っていたものをすべて差し押さえられてしまう。 さらに家まで売られそうになるが、これだけは断固として譲らず、家を守るために残った10億円の借金をなんとかして返そうと奔走する。いろいろな商売や儲かりそうな方法を次から次へと考え付く、発想力に優れる人物。
近藤 環 (こんどう たまき)
銀行員の青年。5年前に小原銀次郎の不動産会社により、両親の経営していた呉服店を乗っ取られ、父親は過労死し、母親は後追い自殺をしてしまった。現在は遺された妹の近藤藍とともにボロい借家に住み、力を合わせて生活している。それ以来小原家を恨んでおり、特に小原紅を目の敵にしている。小原家が倒産した時は、紅の家にやって来て、家財道具の査定をしたり、屋敷を売ることを勧めた。 紅のことを憎みながらも、どこか気になってしまう。
小原 青 (おはら せい)
小原紅の兄で、小原家の長男。年齢は24歳。弁護士になることを夢見て、法律事務所で働いている。一家の中では唯一勤勉で真面目な考え方をする人物。たとえ一時大きな儲けを出しても、それで一生やっていけるわけではないという現実的な観点から、将来を見据え、実直に働きながら弁護士になるための勉強をコツコツと続ける。
小原 金太郎 (おはら きんたろう)
小原紅の兄で、小原家の次男。年齢は22歳。ノリが良く、面白いことが好き。大学4年生だが、父親・小原銀次郎の不動産会社で働くことが決まっていたため、就職活動もせずに好きなことをして遊んでいた。紅とは家族の中で一番気が合い、なんでもずばずばと言い合っている。
小原 桃彦 (おはら ももひこ)
小原紅の弟で、小原家の三男。年齢は18歳。無職だが、アーティストになりたいという夢を持っている。3億円かけて小原家の屋敷の地下に洞窟を作り白鳥のボートを浮かべるなど、金に糸目を付けずに芸術的な遊びをすることが好き。
小原 紫織 (おはら しおり)
小原紅の母親で、46歳の主婦。お嬢さま育ちで、苦労や世間を知らないところがある。年齢よりも若く見られることが多く、自分でもそれが自慢で、相手のお世辞を真に受ける。
小原 銀次郎 (おはら ぎんじろう)
小原紅の父親で、年齢は50歳。裸一貫から不動産会社の経営を始め、年商100億円企業にまで成長させたという叩き上げの苦労人。もともと育ちが貧乏だったこともあって成金趣味で、豪奢な洋館のフローリングの床に畳を敷き、さらにその上にシルクのペルシャ絨毯を敷いて満足している。おおらかな性格で、子供たちのやることには基本的に口出しをしない。
近藤 藍 (こんどう あい)
17歳の女子高校生で、近藤環の妹。けなげな性格で、真面目な働き者。クジ運が強くて商店街の福引では大当たりを引くものの、宝くじは当てられないという貧乏性。両親はおらず、兄の環と二人暮らしをしている。小原桃彦に一目惚れしてしまい、小原家のハウスキーパーとして働くことになる。
関連リンク
- 似ている作品
- いつか死ぬなら絵を売ってから
- 奈落の羊
- タダでは抱かれません
- 東京貧困女子。