主人公たちが暮らす街を突然襲った事件。それは人々のゾンビ化。昨日までの隣人が、クラスメイトが、生ける死体となって襲いかかってくる。危ういところで難を逃れた少数の少女たち。学校に寝泊まりする彼女たちは、自分たちの新たな生活をこう呼んだ。「学園生活部」。本編そのものは、可愛らしい絵柄で、たんに学園に「合宿」よろしく寝泊まりする彼女たちを描いているように思えた。だが、現実は違った。校舎は荒れ果て、窓ガラスは割られ、校庭には生徒たちの死体が蠢いている。「学園生活部」の面々は机を集めてバリケードを作り、生徒会室を部室と定めて立て篭もっていた。読み進むに従って、少女たちの置かれている立ち位置の異常さ、そして主人公である丈槍由紀(たけや・ゆき)がみている景色とほかのメンツがみている景色が違っていることがわかってくる。誰が本当に存在し、誰が本当はいないのかも判然としない世界。そんな世界の異常さも、千葉サドルの描く可愛らしい絵柄でフォローされていく。この事態(人々のゾンビ化)はなぜ起こったのか、そして学園にはなぜ、少女たちが生きていくに足る「設備」がそろっていたのか? さまざまな謎を少しづつ解き明かしながら、少女たちのサバイバルは続いていく……。
丈槍 由紀(たけや ゆき) / CV:水瀬いのり
本作の主人公。天真爛漫な3年生。愛称は「ゆき」。
学園生活部ではムードメーカ的存在であり、体育祭や卒業式など、閉鎖的な状況にありながら様々なイベントを提案してきた。それによって、危機的な状況に陥ることもあれば、行き詰まった状況を打開することにも成功している。友達を大事にしており、めぐねえのことが大好きだ。
恵飛須沢 胡桃(えびすざわ くるみ) /CV:小澤亜李
由紀の親友で、シャベルを愛用する元気な高校3年生。愛称は「くるみ」。
元陸上部員だったため、運動神経が高く、仲間のピンチには大活躍する。騒動が起こる前は片思いだった先輩がいたが……。
若狭 悠里(わかさ ゆうり) /CV:M・A・O
みんなのまとめ役。学園生活部部長の高校3年生。愛称は「りーさん」。
食料や生活物資などを家計簿で管理しているしっかり者。校内放送や防犯ブザーなどでゾンビの注意を逸らすなど、冷静的に行動して仲間のピンチを度々救う。だが、想定外の事態や八方塞がりな状況に陥ったとき、錯乱してしまう脆さもある。鞣河小学校に妹がいる。
直樹 美紀(なおき みき) /CV:高橋李依
由紀たちがショッピングモールで救助した少女。クールな高校2年生。愛称は「みーくん」。
当初は学園生活部のゆるい状況に反感を抱いていたが、本音でぶつかり合ったことで和解。正式に学園生活部に入部した。ショッピングモールで立ち籠っている時に、圭という同級生と一緒だったが、圭はその生活に耐えられなくなり外へ出る。後に再開を果たすが……。
佐倉 慈(さくら めぐみ) / CV:茅野愛衣
巡ヶ丘学院高校の現代国文の女性教師。学園生活部の顧問。愛称は「めぐねえ」。
騒動直後、由紀、胡桃、悠里と共に学校の屋上に避難し、3人を助ける。以降も由紀の前に度々現れ、みんなの心の励みとなる存在。「めぐねえ」と呼ぶと「佐倉先生でしょ。」と訂正される。
太郎丸(たろうまる)/CV:加藤英美里
学園生活部で飼われていた柴犬。元はショッピングモールで立て籠もっていた美紀たちと一緒にいたが、逃走。遠足にきていた由紀たちに拾われ、学園生活部に入部を果たす。由紀には懐いているが、美紀は警戒している。