様々なメディアで展開している『Fate』作品。今回は、アニメ化された作品にスポットをあてて紹介する。
「TYPE-MOON」から2004年に発売された、伝奇活劇ビジュアルノベルゲーム『Fate/stay night 』を始まりとして、2017年現在も根強い人気を誇る『Fate』シリーズ。2017年にはテレビアニメ化、劇場アニメ公開なども控えるシリーズを時系列順で振り返る。
出典:Amazon.co.jp
様々なメディアで展開している『Fate』作品。今回は、アニメ化された作品にスポットをあてて紹介する。
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『Fate』シリーズは、2004年に「TYPE-MOON」から発売された、伝奇活劇ビジュアルノベルゲームである『Fate/stay night 』、2006年にPS2で発売された全年齢版『Fate/stay night[Realta Nua]』からはじまるシリーズ作品の総称。「聖杯戦争」とは、どんな願いも叶えるとされる「聖杯」をかけ、7人の魔術師(マスター)たちが、現代に使い魔として「サーヴァント」を召喚し戦うバトルロイヤルのこと。「サーヴァント」はそれぞれ異なったクラスで召喚される。基本的には「セイバー」「ランサー」「アーチャー」「ライダー」「キャスター」「アサシン」「バーサーカー」の7つが存在しているが、その正体は、神話や歴史の英雄の霊である。本シリーズは、この「聖杯戦争」に関わった様々な人々を描いている。シリーズの原典は、『Fate/stay night』。3つのルートに分かれ、それぞれ違う結末を迎える。ここから『Zero』など様々な作品へと派生する。本記事は、映像化される作品を単純な時系列順に作品を並べたが、作品ごとに「もしもの世界」があると考えてもらいたい。『Zero』は『stay night』の前日譚だが、密接に繋がってはおらず、『Apocrypha』は異なる可能性の世界であることが前提だ。『EXTRA』や『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』も全く違う世界での出来事である。作品ごとに設定や矛盾点が生じているので、その点を留意してもらいたい。
原作は2012年に公開された小説。作者は「東出祐一郎」。こちらはアニメ化され、2017年7月に放送開始。「第三次聖杯戦争」までの世界は『Fate/stay night』と同じだが、その最中に何者かに「大聖杯」が奪われたので、『Fate/Zero』の「第四次聖杯戦争」、『Fate/stay night』の「第五次聖杯戦争」は発生していない。つまり、原作ゲームの並行世界が舞台である。かつて奪われた「聖杯」を象徴とし、「魔術協会」からの離反・独立を宣言した「ユグドミレニア一族」。彼らは7騎の「サーヴァント」を召喚していた。それに対抗するため、「魔術協会」もとあるシステムの起動に成功し、7騎の「サーヴァント」の召喚に成功。「ユグドミレニア」の魔術師「黒の陣営」、「魔術協会」に雇われた魔術師「赤の陣営」に分かれ、ルーマニア「トゥリファス」を舞台に、計14騎による「サーヴァント」の「聖杯大戦」が幕を開ける。
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アニメは2011年、2012年と分割してそれぞれ放送された。全25話構成で、制作は「ufotable」。2006年に刊行された「虚淵玄」の小説が原作。『Fate/stay night』のスピンオフ作品にあたる。『Fate/stay night』から10年前に冬木市で行われた「第四次聖杯戦争」の顛末を描いており、主人公は「衛宮士郎」の養父「衛宮切嗣」。「切嗣」は名家「アインツベルン」から委嘱を受け、妻の「アイリスフィール・フォン・アインツベルン」、従者「久宇舞弥」、召喚した英霊「セイバー」と「聖杯戦争」に参加することになる。『Zero』は、『stay night』と作風が異なり、重く苦しい雰囲気の作品で、残酷な描写も多い。また、『stay night』で曖昧にされていた伏線や疑問点が回収されているのだが、矛盾が生じていたり、『stay night』と『Zero』に登場したキャラクターの性格が微妙に異なっているようだ。この点については、「奈須きのこ」本人から「『Zero』は『stay night』と条件は同じだが微妙に違う世界」と説明されている。
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2006年に公開されたTVアニメの第1弾とされる作品。全24話で完結。制作が「スタジオディーン」だったので、ファンの間では「ディーン版」と呼ばれることもある。ある日、偶然「聖杯戦争」で争う「ランサー」と「アーチャー」を目撃した主人公「衛宮士郎」。彼は偶然にも7人目のマスターとして選ばれ、冬木市で行われる「第五次聖杯戦争」に巻き込まれてしまう……。この作品は原作ゲームの「セイバールート」が基盤になっており、「セイバー」と「セイバー」のマスターである「衛宮士郎」が中心だ。アニメオリジナルのエピソードも盛り込まれている。そのため、原作では「セイバールート」で出番が少なかったキャラクターにもスポットが当たる構成となった。
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2010年に公開された作品。こちらも制作は「スタジオディーン」。大筋は前項の『stay night』と変わらないが、本作は、原作ゲームの「凛ルート」を基盤として再構成してある。「士郎」と「セイバー」が「遠坂凛」と「アーチャー」と手を組み、「聖杯戦争」仕組まれた大きな陰謀を打ち砕くために戦う。劇場版は、惜しいことに尺の都合で展開がとても早く、ダイジェスト版のような作品になっている。そのため原作ゲーム未プレイでは、分かりにくいところが多いかもしれない。しかし、それを差し引いてもしっかりと描かれた戦闘シーンや、迫力あるBGMなどは見どころである。
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2014年、2015年と分割されて放送された。全25話構成で、制作は「ufotable」。魔術師の家系に育った「逢坂凛」は、父親も参加したという「聖杯戦争」に参加しようとしていた。最強の英霊「セイバー」を召喚しようと意気込んでいたが、彼女が召喚したのは名も知らぬ「アーチャー」クラスの英霊だった……。前項の『Fate/stay night UNLIMITED BLADE WORKS』と同じ「凛ルート」を基盤としている。また、「士郎」の「正義の味方」の性質、真贋を問う物語となっている。監修・執筆を行った「奈須きのこ」は、「主人公である『士郎』を客観視点でどれだけ視聴者の胸に届けられるのか」を意識したそうだ。また、「アーチャー」の過去に関してしっかりと描かれているのは本作が初めてであり、原作にはない新しいシーンが追加されているようだ。既存のキャラクターの新たな一面も見られる仕上りとなっている。
全3章構成。2017年10月14日に、1章の公開が予定されている劇場版作品。物語の全貌はまだ明らかにされていないが、「士郎」と彼の後輩「間桐桜」が中心となると思われる。もしも、原作ゲームでいう「桜ルート」が基盤になっているのならば、「士郎」自身が掲げる「正義の味方」について触れることになるだろう。これからの追加情報に期待したい。
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もとはスマートフォン専用ロールプレイングゲーム。このゲームの序章にあたる部分をアニメ化。長編テレビアニメスペシャルとして、2016年12月31日に放送された。物語の舞台は西暦2015年。人類の決定的な絶滅を防ぐために設立された、人理継続保障期間「カルデア」は、ある日、観測していた未来が消え「人類は2017年で絶滅する」ことを証明されてしまう。「カルデア」は、その原因となる「特異点」を突き止め、調査・解明、または破壊を目的とした任務「聖杯探索」、「グランドオーダー」を発令した。主人公の「藤丸立香」が、「特異点」の調査のために過去の世界へ赴き、様々な英霊たちと契約をして人類の未来を取り戻す物語である。主人公と行動を共にする「マシュ・キリエライト」、不思議な生き物「フォウ」、「特異点」で出会う、クラスの違うとある英霊など、ゲームをしたことがなくとも楽しめる作品である。
ゲーム『Fate/EXTRA』のテレビアニメプロジェクトが始動。原作ゲームでは、西暦2032年が物語の舞台。追加の情報に期待したい。
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『Fate/stay night』のスピンオフで、原作は、『月刊コンプエース』で連載しているマンガ作品。著者は「ひろやまひろし」。2013年にアニメ化され、以降4期まで制作された。『Fate/stay night』とよく似た平行世界を舞台にした物語。主人公は冬木市に住む小学生「イリヤスフィール・フォン・アインツベルン」。彼女は、ある日魔法の杖「カレイドステッキ」と出会い、無理矢理魔法少女になる契約を結んでしまう。彼女は、本来の「カレイドステッキ」の持ち主「遠坂凛」に命令され冬木に眠る強力な力を持つ「クラスカード」の回収の手伝いをすることになる。「(本作の設定は)原作にはフィードバックされない」と作者が明言しているので、シリーズ他作品と混同しないように注意したい。ただ、魔法少女ものでありながら、バトルシーンは見応えがある。なお、2017年8月26日に劇場版『劇場版Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 』が公開予定である。
TVアニメ『Fate/stay night』(ディーン版) →劇場版『Fate/stay night UNLIMITED BLADE WORKS』→TVアニメ『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』→劇場版『Fate/stay night[Heaven’s Feel] 』(予定) の順番での視聴を推奨する。その後に『Fate/Zero』、『Fate/Fate/Apocrypha』、『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』などを視聴すれば、ネタバレは避けられるだろう。映像化、または映像化予定の作品を紹介したが、『Fate』シリーズの作品は様々な媒体でまだまだ存在している。アニメから入っても、マンガから入っても、ゲームから入ってもいい。是非とも『Fate』シリーズの世界に足を踏み入れてもらいたい。
劇場版『Fate/stay night』遂に桜ルート解禁!!
630 Pt.
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