『サレタガワのブルー』不倫妻・藍子のキツい仕打ちをチェック！42 Pt.

1年半前に3歳年上の藍子と結婚し、まだまだ新婚気分の日々を送る26歳の若手グラフィックデザイナーの暢。在宅で仕事をしながら、掃除に洗濯、料理など家事全般も担当するよき夫である。そんな彼の愛情を一身に受ける藍子だが、妻子持ちで同じ会社の上司である森和正とズブズブの不倫関係にあり、暢をせせら笑いながら幾度も体を重ね合っていた。
ある晩、藍子から残業で帰宅が遅れることを知らされた暢は、親友のたみくんこと久民の誘いでレイトショーの映画を見に行く。偶然にもその映画館では藍子と和正が不倫デートをしており、久民がラブラブで立ち去る二人を目撃。久民からそれを聞いた暢は、不規則な帰宅時間、執拗にスマホを手放さない用心ぶり、新しい派手な下着、首元のキスマークらしき痕など、藍子の不審な行動を思い浮かべ少しずつ疑念を抱いていく。

久民がSNSで藍子の裏アカウントを発見したことで、暢の藍子に対する疑念は確信へと変わる。残業で遅くなることを告げられた日、暢は藍子を尾行し、彼女が和正と二人でラブホテルに入るところを目撃。愛情が嫌悪に裏返る瞬間を体験し、藍子から距離を取り始める。そして、浮気の証拠を押さえようと再度尾行を行った暢は、二人が入ったラブホテル前の路上で、和正の妻、梢と出会う。実は彼女も暢と同様に夫の浮気を疑い、あとを尾行していた。
その一方で、藍子もまた暢の態度の変化に気づき、彼を捨てるときの布石として、梢と離婚して自分と結婚するよう和正にほのめかす行動に出ていた。街で偶然出会った久民に、暢が浮気に気づいていると指摘されても「彼は白ごはんのような主食で、なくてはならない存在だが、私クラスのイイ女はそれだけでは満たされない」と、本性を隠そうともせず開き直る。

暢に浮気が完全にばれていることを知った藍子の行動は、さらに自分勝手にエスカレート。浮気相手の和正と結婚するために、穴だらけの策略を巡らせ始める。まずは和正の言質を取るため、キャバクラに務める妹の萌子に協力させて彼を酔い潰し、プレイ用の手錠付きベッドがあるホテルに連れ込んで拘束。色仕掛け込みの脅迫で「梢と離婚し、藍子と結婚する」と言わせ、それをプロポーズの証拠として録音する。ちなみに妹への協力代＋口止め料として5万円を払っているが、これは暢の口座から引き出したもの。暢は彼女に自分のクレジットカードを渡しており、好き放題に使われていた。
和正から言質を取った藍子の暴走は、さらに加速をする。平気な顔で朝帰りをして、暢に直接浮気を責められるも、結婚前に互いが納得していたはずの、暢の亡くなった恋人である茉拓（まひろ）への思いを責め始め、自己中心的な開き直りを見せる。このやりとりを通じて、暢は完全に離婚と示談金による復讐の決意を固め、藍子と離婚するために相談するべく弁護士のもとへと赴く。

暢から浮気を責められた藍子は、二人のマンションを出て実家に逃亡。妹の萌子から藍子の居場所を聞いた暢は、彼女の実家に弁護士と訪れ、離婚の意志を伝える。藍子から一方的な情報を聞いていた両親は娘をかばい、「藍子を束縛するのをやめて開放しろ」と暢に言い出す。義理の両親が娘の罪をまるで理解していないことにも失望した暢は、今回の離婚が藍子の不貞が原因で、彼女自身も離婚を望んでいるという言質を引き出したところで素直に実家をあとにする。
暢との離婚が進むことにほくそ笑む藍子だが、その手には弁護士が残していった300万円もの示談金請求が残された。両親は弁護士を立てて対抗しようとするが、当然、藍子側にまったく勝ち目はなし。さすがに藍子をかばっていた父親も状況を理解し始め、「浮気相手に示談金を払わせられなければ家から追い出す」と言い始める。追い詰められた藍子は、フリマアプリで購入した陽性の妊娠検査薬を使って浮気相手の和正に妊娠したとウソをつき、自分との結婚と示談金の支払いをせまるが、彼は逃げ腰。結局藍子は、父親に実家から追い出されてしまう。

実家を追い出された藍子だが、悪びれもせずに暢のマンションに帰宅。暢にもウソの妊娠を告げて彼との子供だと主張し、養育費を払わなくていいから示談金をチャラにしろと言い始める。ドン引きした暢はマンションを一時的に明け渡し、姉の穂奈美の家に避難。弟から事情を聞いた穂奈美は、藍子の妊娠そのものを疑い、フリマアプリの取り引き履歴を調べて彼女が使用済みの妊娠検査薬を購入したことをつき止める。ついでに、フリマアプリでは暢から贈られた誕生日プレゼントを売り飛ばしていたことも判明。二人は藍子を問い詰めることを決意する。
一方の藍子は、和正から子供を堕ろして別れてくれと切り出され窮地に陥っていた。体を使った復縁を狙って、マンションに和正を招いた藍子だが、彼をベッドに連れ込んだところで暢と穂奈美に踏み込まれ、言い訳もできない現場を押さえられてしまう。さらにその場には和正の妻である梢も呼ばれ、一気に2組の夫婦が離婚届にサインすることに。泥沼の裁判も予見された田川家と森家の離婚劇はあっけない幕切れを迎え、暢は前向きな意志で離婚したバツイチならぬ「マルイチ」として新たな道を歩き始める。