【8/10はトイレの日】トイレにまつわる作品集29 Pt.

8月10日は日本衛生設備機器工業会が制定したトイレの日。「トイレの花子さん」や「赤いちゃんちゃんこ」など、ホラーの印象が強いトイレだが、それ以外にもトイレを題材にした漫画を集めてみた。

誰もが名前を知っている学校の怪談と言えば「トイレの花子さん」だが、ポピュラーな妖怪（悪霊？）であるためか、ときに人間に近い存在として描かれることも。小学校や街で起きる様々な怪異を、花子さんや金次郎らおなじみの妖怪たちが解決するという内容。「もうホラーじゃないじゃん」と思われるかも知れないが、本編で人間に襲いかかる妖怪たちは容赦なく恐ろしい姿で描かれており、ホラー漫画としてもクオリティが高い。それだけに花子さんたちが怪異を霊能力で吹っ飛ばすのは爽快感がある。また花子さん自身にも隠された秘密があったり、続刊につながっていく伏線はストーリー漫画として十分な読み応えがある。

自宅のトイレを開けたら、見知らぬ美少女がいた。そんなトンデモ展開から始まるドタバタの純正コメディ。何でトイレにいるのかとか、どこから現れたのかとか、突っ込みどころは満載だが顔は可愛いテンコさんに、主人公の神くんが振り回される徹頭徹尾のコメディである。さらにはモンゴルの使者が現れたりテンコさんが巨大化したり、作者の脳内は一体どうなってるんだと思わずにいられない不条理な展開で笑いが止まらない。何も考えずに笑いたいときにおすすめの一冊だ。

再び花子さんのお話。もはやトイレは関係ない気がするが、おぞましい存在として描かれるばかりだった花子さんがポンコツ美少女になって、お世話になった家庭を幸せにしようと奮闘する様子は微笑ましい。しかしいかんせんポンコツゆえに、引き起こされる様々な騒動が読者の笑いを誘う。他の妖怪やそれ以外の登場人物も、どこかズレていたり変だったりと個性豊か。中でもクラスメートの大久保さんは主人公の信くんに好意的なのだが、その愛情はどこか歪んでいて残念美少女感たっぷり。怪談は面影もないが、ゆるく幸せな日常を過ごしていくキャラクターたちの姿は見ていて心が和む。

元はpixivに掲載されていた短編漫画。滅多に人が来ない男子トイレで一人の時間を楽しんでいた女子生徒が、ふとしたきっかけで男子にそれを見られてしまい……心配しないでほしい、成人向けの展開ではない。そこから何故かトイレの壁越しに交流が始まるという健全（？）なギャグ漫画だ。女子トイレが使用不可だからと男子トイレに居座る女の子も大概だが、それに対して真面目に名乗りを上げる男の子も大概だ。ツッコミが追いつかない変人同士の会話のドッジボールを存分に楽しんでほしい。