なんでもできちゃう大人顔負けのスーパー小学生の学校生活を描く4コマ漫画。花丸小学校6年2組の春菜来華(はるな・らいか)は、児童会会長と学級委員長を兼務する超多忙な少女。頭脳明晰、運動もできる来華は小学生ながら大人顔負け。クラスメイトはもちろん、先生たちまで頼りにしているのだ。それでもまだまだ小学生らしいところもある来華と、クラスの仲間たちや先生、家族との心温まる日常がギャグを交えて描かれていく。
15年以上にわたり連載され、29巻を数えるむんこの代表作。スーパー小学生・来華の大人顔負けの小学校生活を中心に展開していく。とはいえ、来華もまだまだ小学生。料理が苦手だったり、両親に甘えたりと意外でかわいい一面ものぞかせ、完璧なだけではない魅力あふれる主人公になっている。長寿連載らしく巻が進むにつれて登場人物たちの関係性も微妙に変化。来華のライバルを自称するクラスメイト・竹田将一との間にほのかな恋が芽生えたり、担任教師の東野麻美の結婚、出産・育児も描かれる。家族や学校の仲間との変わらない心温まる日常と共に、登場人物たちの成長も味わえる。大人の読者にとっては小学生時代を楽しく、時に切なく思い起こさせてくれるはずだ。
売れない小説家の夫をパートで支えるしっかり者の妻の日常を描くハートフルコメディ。寺田雄二は筆が遅くて売れない小説家。美人で働き者の妻・街子が八百屋のパートで家計を支えている。筆がとまるとパチンコか飲みに出てしまうダメ夫の雄二だけど、そんな時にはしっかり者の街子の愛あるパンチがとんでくる。そんな若い夫婦の歩みを4コマ形式で笑いを交えて描いていく。スピンオフ作品として街子と雄二の娘・木の葉が登場する『だってあいちてる』がある。
「売れない小説家の夫を支える妻」というと、妻は夫に付き従っているようなイメージがあるが、街子は全くそんなタイプではない。仕事もせずに屋台で飲んでいる雄二を見つけたら、ボコボコにして連れて帰るくらいは朝飯前。いつでも真正面から向き合うガチンコ夫婦なのだ。そんな夫婦を二人が暮らす花丸町の商店街の人々が何くれとなく気にかけてくれるところも心温まる。また、二人がどうして付き合うようになり、タイトルにあるような「愛」が育まれていったのかも描かれ、ほろりとさせられる。ちなみに、舞台となる花丸町は『らいか・デイズ』と同じ。『らいか・デイズ』に、街子と雄二が登場するクロスオーバーもあり、ファンには嬉しいサプライズとなっている。
子供のような父としっかり者の娘の愉快な二人暮らしを描くホームコメディ。花丸小学校に通う堀川舞は、小学3年生ながらサラリーマンの父・堀川士郎の弁当作りもこなすしっかり者。朝寝坊の士郎を叩きおこして、尻を蹴飛ばして出勤させるのが朝の日課だ。子供っぽい父としっかり者で大人っぽい娘、凸凹コンビの二人暮らしの日常が描かれていく。続編として高校生となった舞と幼馴染の吉岡の不器用な恋を描く『ゆあまいん』がある。
ピーマンが嫌いで朝寝坊、夜更かし大好きというと子供としか思えないが、正真正銘の大人であり父親でもある士郎のことである。反して、娘の舞はそんな父にかわって家事全般をこなしているせいか大人びた性格で超クール。朝寝坊して手を使わずに朝食をとる父に「そーやってだらしないからお母さん出てったんだよ」とびしっとつっこむことも。そんな舞でもお化けやホラーは苦手で、怖いテレビ番組を見た夜は、父にトイレに付き添ってもらうこともある。互いの苦手を補いあいながら暮らす親子の様子が、微笑ましく描かれていく。一方で家庭環境のせいか、子供らしくふるまうことが苦手な舞のいじらしさにほろりとさせられることも。会社の同僚や友達に支えられながら一つの家族の幸せが紡がれる。
可憐な美少女の見た目を裏切る残念な日常を描く異色の女子高生コメディ。花園まりあは、立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花という言葉を地でいくような、すれ違う人はみな振り返るほどの美少女。しかし、その実態は、競艇、競馬をたしなみ、AMラジオを愛聴、立ち食いソバ屋で朝食をすませるオヤジセンス全開の17歳だ。見た目も性格も申し分ないまりあが、周囲の期待と想像を斜め上に裏切っていく日常を4コマ形式で描く。
通勤電車で乗り合わせた人々がはっと目を見張り、笑顔を見かけただけで幸せな気分になる。まりあは、そんな美少女だ。しかし、彼女が笑顔を見せたのは、大好きなAMラジオから流れた川柳「キャバクラの名刺見つかり問責決議」に思わず笑ったから。定期入れには、大好きな競走馬や、推している競艇選手の写真を忍ばせ、スポーツ新聞を愛読し、将棋や麻雀をたしなむという筋金入りのオヤジセンスの持ち主なのだ。17歳の彼女がいかにして、そんなセンスを身につけたのか? その答えはまりあの親。母は仕事終わりは必ず雀荘。競馬好きな母により、母が勝てば昼食が豪華に、負けがこむと見切り品のバナナだったりもする。可憐だけど、庶民派を通りこしてオヤジ派のまりあの日常は癖になる面白さだ。
小さすぎる新人OL・メメ子ちゃんの会社員生活を描くオフィスコメディ。柏葉メメ子はおかっぱ頭に大きな目がトレードマークの超小柄な新人OL。同僚たちと楽しく過ごす華やかなOL生活を期待して花丸商事に入社したが、配属先のDTP部門は、上司の岸田克己と亀の田中のみ。新人・メメ子の存在を知らない他部署の社員からは、ざしきわらしと思われる始末だ。会社の片隅で、推定身長85cmと小さくてもがんばるメメ子の奮闘記をコミカルかつハートフルに描く。
お揃いの制服を身に纏い、楽しげにランチに出かけるOLたち。メメ子は、そんな光景に憧れを抱いていた。OLになるために、職業訓練校でパソコンを勉強。念願かなって採用されOLに。ところが、配属先のデザイン業務を担うDTP部門は少数精鋭。社長からは「自信をもってがんばってくれ」と言われるもメメ子の内心は「自信より友達がほしい」だった。DTP部門を訪れた他部署の社員は、同じ制服を着たメメ子に「どこの子かなー?」と問う始末。そんなメメ子だが、仕事を通じ少しずつ社内でも認知され始め、同僚たちとアフターファイブを楽しんだりするように。ちなみにメメ子の勤務先・花丸商事は『まい・ほーむ』の士郎の勤務先。彼らが一緒に働いていると思うと、より楽しめるだろう。