ファンタジーロマンを描く「大海とむ」特集！オススメ漫画４選21 Pt.

琥珀堂の店主は道具の声を聴き、どんなに酷い状態でも直す腕を持っていた。そんな店主と同じ世界を共有することで心の平穏を保っていた翠だったが、ある時「きて きて たすけて」との声に導かれて店の奥に入ると、そこには千年もの時を生きてきた大弓の付喪神が穢れを背負った瀕死の状態で倒れていた。思わず付喪神に近寄った翠に、彼は「おまえが俺の花嫁だ」と言い放つ。実は、翠は幼い頃にここで彼と出会っていたのだ。翠には付喪神の穢れを払う特殊な力が備わっており、付喪神はそんな翠に目をつけていたのだ。付喪神とは、長い年月を経て古くなった道具や長く生きた依り代に神や霊魂が宿ったもの。ヒトと付喪神との許されざる恋。作者お得意の「ヒトではないシリーズ」のエロティック作品として、ネット上でも話題になった大海ワールド満載の逸品。

花夜は童顔を隠すために会社では伊達メガネをかけ、顔にかからぬよう髪をきつめにまとめていた。杏平はそんな花夜を見た途端に「俺の秘書にはもっと見栄えのするのを連れてこい」と言い放つが、花夜は「しばらくわたくしを使ってみて考えていただけませんでしょうか?」と提案する。杏平は自分の押し付ける無理難題を次々とこなす花夜に、さすがに有能さを認めざるを得ず、結局秘書として採用する。相変わらず杏平は常務室に女性を連れ込むのだが、花夜は帰り際の彼女たちの顔色がすぐれないことに気づき、違法薬物の使用の可能性を疑う。ある夜、真相を探るため常務室に潜んでいた花夜は、杏平が連れ込んだ女性の首元に噛みつく場面を目撃する。人間と吸血族、許されざる恋ではあるが、花夜の杏平に対するひたむきさが女性ファンの心を掴み、人気作品となった。

母の部下であるという要は、亡くなったとされていた香子の母は生きており、偉大な黒魔女であることを告げる。その上、母は重要な使命で身を隠しており、ある場所に封印されているため自分の力を誰かに託さなければならなくなった。その力を託されたのが香子だったのだと説明する要に、話の内容を信じられない香子は動揺する。黒魔女が使う魅惑（チャーム）の力は、ヒトや獣、モノに至るまで魅了して支配する。突拍子もない話だったが、接客中に香子は自らの身体から次々と湧き出てくる熱い衝動を抑えきれず、客に襲われてしまう。その熱こそが黒魔女の力だった。黒魔女として未熟な香子は、力を制御するために要とキスをしなければならないのだが、やがて香子は要との愛に溺れていくことになる。

古御堂家は格式ある旧家だが、資金繰りは苦しく、資産家の娘であるセリが嫁に来ることを強く望んでいた。しかし、セリと柚月との結婚を急かしたのには、他にのっぴきならぬ理由があった。実は古御堂家に生まれる男子は先祖代々なぜか長生き出来ないのだ。現に柚月の父親も婿養子であり、柚月は古御堂家の3代ぶりの男子の当主なのであった。それゆえ、柚月は古御堂家のためにも愛するセリと結婚して跡取りを迎えたいと強く願っていた。本家に招かれたセリはそこで古御堂家の先祖の霊に遭遇し、彼らが柚月を邪悪なモノから守護していることを知る。セリは柚月の自分を思う純粋で一途な愛情を受け入れ、先祖の霊と共に古御堂家に代々続く呪いを解くために奮闘する。