リアルな大学生の心情を描いた短編作品『透明のココロ』70 Pt.

高校時代を終え、服に気を使ったり、化粧をしたり、みんな一気に大人っぽくなる。恋愛もして、付き合うのが普通になる。ーー自分だけついてけない。見た目は変わっても、ココロはまだ追いつかない。そんな大学生の痛々しい日常を描いた作品。

「あー彼氏ほしいなー」小野寺瑞歩・18歳は、女子大生になったことだし、そろそろ恋愛したい! と思っていた。「今は恋愛とかよくわかんないし……」そう言う、友人・渡辺玲美。高校からの友人だけど、玲美は大学に入って変わった。モテ系セミロングに、ミニのワンピース。化粧を始めて、悔しいけど綺麗になった。もしかして彼氏いるんじゃないのかな。一方、私は小学生の頃から、周りから遅れていた。みんなが恋バナしててもついてけない。私は、昔から一人なんだ。いつの間にか目から涙が……。「ホントは彼氏いるんでしょ? 」「瑞歩ちゃん……」実は__。