血の繋がりはなくとも私たちは家族です！オススメ漫画５選72 Pt.

みゆきの父であった宮本良一には身寄りがなく、前妻とも死別している。自らも病に冒され、先が長くないことを医者に告げられた良一は、自分が死んだあとのみゆきの将来を案じていた。一方、ヒロインの亜希子は仕事一筋の人生で、家族のぬくもりに憧れを抱きながら暮らしていた。そんな2人は仕事を通じて知り合い、互いの利害が一致したことで結婚。互いに心を通じ合わせていくが、結婚した一年後に良一は病気で帰らぬ人になってしまい、亜希子は大企業の部長の座を捨てみゆきの育てる主婦になることを決意する。亡き母親を慕うみゆきは当初亜希子に反発していたが、どこかズレているものの一生懸命な亜希子の姿に段々と心を開いていく。

ヒロインの希夏帆は少し変わっているが、しっかり者の女性だ。彼女はマンションで一人暮らしをしており、そこに恋人の愁人がたまに居座っているような状態だ。そんな彼女のもとに、愁人が甥である中学生の冬真と、幼稚園児の春陽を連れてきた。親を亡くして行き場のない不安を抱えていた2人を見ていられなかった愁人が、卑怯だと自覚しながらも恋人の希夏帆を頼ったのだ。愁人に文句を言いながらも、希夏帆は子供たちを追い出したりせず家に住まわせる。親ではなく、大人として子供たちを助けようと彼らに合わせ生活を変えていく希夏帆。やがて彼らは血の繋がりはないが、家族のような関係を築いていく。

物語の冒頭で仲良くショッピングを楽しむ「おにいちゃん」と叶実だが、2人は血の繋がらない赤の他人だ。「おにいちゃん」こと旭慎は、叶実に一回千円で雇われているレンタル「おにいちゃん」。叶実の本当の兄は両親の死から引きこもり、妹さえも拒絶していた。学校でも家でも居場所がなくなった叶実は、レンタルで「おにいちゃん」になってくれる慎を心の支えとして暮らしている。慎はあくまで契約上での関係であるとふるまっているが、彼女に引け目を感じさせないようにしているだけで、本心は叶実と「お兄ちゃん」の関係を修復し彼女を孤独から救ってやりたいと望んでいた。レンタルという形から始まった慎の優しさが、孤独な少女の世界を優しく変えていく作品だ。

本作に登場する家族を取り巻く環境はハードだが、終始ほのぼのとした雰囲気で描かれている。宇宙船事故の生き残りである赤ん坊のコロナの両親は、事故の際に彼女が入ったカプセルを庇って命を落とした。だがそんな過去を知らないコロナは、彼女を拾った血の繋がらない旅芸人一座の愛情を体いっぱいに受け、元気な女の子として成長した。コロナを育てた「おとうさん」は元軍人で外見はロボット、「おかあさん」は全身毛玉のような姿をした宇宙人だ。ペットの「ターくん」はリスだと言われているが、脳みそに脊髄と四肢が付いた非常に不気味な外見をしている。皆個性豊かでコロナとはかけ離れた外見をしているが、彼女は皆を本当の家族だと信じており、両親とあまりにも容姿が違うことを指摘された時には号泣してしまうほどだ。

ヒロインの野子はしっかり者で、一方の勇士はイケメンだけどぐうたらでマイペースな性格。明日から冬休みが始まり、勇士から解放されると思っていた矢先に彼がお隣に引っ越しをしてくる。驚く野子だが、さらに入居したての勇士家の前は赤ちゃんが置き去りにされているのを見つけてしまう。赤ちゃんと一緒に置かれた手紙には、この子は勇士の子どもの壮士であり、しばらく預かってほしいと書かれていた。両親も海外旅行中で不在であり、困り果てる勇士だったが、彼は壮士のことを思い警察には届けずに預かることを決意する。そして普段はぐうたらな彼の決断を見た野子は、子育てを手伝うことを申し出た。こうして始まった子育てをきっかけに、２人は惹かれ合っていく。