一生を共にする人を求め婚活＆結婚漫画37 Pt.

愛する人と生涯を共にし、家族となる結婚。今回はそんな幸せな結婚を目指して婚活する人々を描いた5作品をピックアップ。ラブコメ、人間ドラマ、ファンタジーから実際の婚活を描いたエッセイまで一挙紹介。

主人公の女子高校生・白田まこは、印象に残らない薄い顔がコンプレックスの16歳。小学生の時に、幼馴染・真島朝日に言われた「お前は一生結婚できない」という言葉が、「呪い」のように自分を縛っていると考えている。まこは、派手なメイクをして彼氏をゲットしたが、その男は身体が目当てだった。すんでのところで朝日に救われたが、まこは、直後に階段から落ちて気絶してしまう。目を覚ましたまこはウエディングドレス姿で、しかも29歳になっていた。朝日や、友人・鴨志田ゆいの助けを得て、まこは、16歳の自分と29歳の自分の意識が入れ替わってしまったと確信する。未来といっても、本来16歳のまこにとってはまったく知らない世界だ。まこは、頼る相手もいない現状を打破するためには結婚しかないと、無謀にも婚活を始めるのだった。29歳でも中身は16歳の女子高校生というまこが、周囲を巻き込んで起こすドタバタ劇は必見だ。

主人公・斉藤美由紀は、恋愛結婚を否定していた。それは両親が大恋愛の末に結婚するも、5年で離婚したからだ。同棲している一法師護にも、以前から結婚を意識した相手ができたら別れると宣言していた。28歳になった美由紀は、婚活を始めるため、護と別れて結婚相談所に登録。だが、思い通りにはならないお見合いに疲弊してしまう。そこで、読書カフェの伝言ノートに愚痴を綴ったところ、辛辣な返信があった。その返信を書いたのは、同じ会社の50代の男・高橋美紀（たかはし よしのり）だった。美由紀は、夢に溢れ、仕事の出来る高橋が気になった。だが、彼女は高橋について、とある事実を知る。幸せな結婚とは何か、美由紀は改めて自分に問いかけるのだった。

この作品で婚活しているのは、なんと世界を救った勇者だ。主人公・ユーリは、結婚することになった仲間の幸せそうな様子をみて、自分も伴侶が欲しいと考えたのだ。しかし、小さい頃から勇者としての鍛錬以外、何もしてこなかったユーリは、自分には「勇者」以外の何もないと感じていた。戦うこと以外は、まったくの世間知らずだったユーリの婚活は、魔王との戦いと同じ、いや、それ以上の苦難の道のりとなった。果たしてユーリは、この困難な戦いに打ち勝って、理想の伴侶を得ることができるのだろうか。

人気エッセイ漫画家・よしたには、40代が間近に迫っているが、結婚どころか恋愛経験もほとんど無いと実感。モテたいと努力してきたが、これまでやってきたのは「女性に嫌われない」努力であって、「女性に好かれる」努力ではなかったと気づく。友人に女性を紹介してもらっても、緊張から酒に逃げて、不用意な発言をしてお断りされてしまう。よしたには、担当編集・源から、このままではいつまで経っても彼女はできないと指摘される。そこで、プロの手を借りて、婚活ならぬ「恋活」に向けてのレッスンを受けることになった。カリスマ美容師や人気ブロガーに、外面と内面の磨き方を学ぶ。さらに老舗デパートの販売員から、女性に喜ばれるプレゼントの贈り方、選び方も教えてもらう。婚活だけでなく、一般的な対人関係にも活かせるノウハウがつまった作品だ。

仕事が充実しており、BL好きで同人活動もしていた横嶋は、結婚も恋愛も意識していなかった。しかし、唯一の家族である母の病気をきっかけに、孤独や不安をリアルに意識する。大失恋から婚活で結婚に至った先輩のアドバイスを受け、横嶋が取った婚活方法はアプリを利用するというもの。最初から条件を提示して、自分の考えと合う人とだけ出会える婚活システムに共鳴する。横嶋が出した条件は、共働きで子どもを作らないこと、可能なら別居という、一般的な結婚観とは大きく異なったもの。そして可能な限り条件の合う男性と会い、自分の結婚観と擦り合わせようと活動するのだった。アプリの使用方法から最近の婚活男子の傾向まで、作者が体当たりで集めた情報が楽しめる作品だ。