天才的な頭脳と鋭い観察眼を備えた世界最高の名探偵、シャーロック・ホームズ。彼の登場から1世紀以上の歳月が流れた今なお、その魅力はまったく色褪せない。今回は、そんなホームズの影響を色濃く受けた漫画を特集しよう。
ホームズの影響を受けた漫画5選
出典:小学館
天才的な頭脳と鋭い観察眼を備えた世界最高の名探偵、シャーロック・ホームズ。彼の登場から1世紀以上の歳月が流れた今なお、その魅力はまったく色褪せない。今回は、そんなホームズの影響を色濃く受けた漫画を特集しよう。
出典:マンガペディア
数奇な巡り合わせで、子どもの姿に変えられた天才探偵の活躍を描く、ユニークな設定の本格推理漫画。主人公・工藤新一は、高校生ながら数々の難事件を解決し、警察からも頼りにされる名探偵だ。そんな新一は、幼馴染み・毛利蘭とのデート中に、謎の組織の取引現場を目撃。彼らに見つかり、口封じのために毒薬を投与される。新一は辛くも命を取り留めたものの、毒薬の副作用で小学生の姿となってしまう。彼は正体を隠すために「江戸川コナン」と名乗り、全ての元凶である謎の組織を追いかけていく。
大人気推理漫画である本作も、「シャーロック・ホームズリスペクト」な作品のひとつ。なにしろ第1話のタイトルは「平成のホームズ」であり、コミックス第1巻の表紙は、コナンがホームズの扮装をした姿なのだ。主人公・工藤新一もホームズに心酔しており、物語の冒頭で「世界最高の名探偵」と称えている。また、作中ではしばしば、ホームズのゼリフが引用されている。例えば、コミックス第28巻でコナンが口にした「不可能な物を除外していって残った物が、たとえどんなに信じられなくても、それが真相なんだ」というセリフ。これは『シャーロック・ホームズの事件簿』に収録されている短編『白面の兵士』におけるホームズのセリフを引用したものだ。さらに物語の中には、コナンがロンドンを訪れ、ホームズ絡みの事件に出くわすエピソードも存在する。その際にコナンが、自らを「ホームズの弟子」と称する1幕も。そのリスペクトぶりは、かなりのものと言える。
出典:amazon
シャーロック・ホームズをネタ元とする、パロディ的な探偵ギャグ漫画。物語の舞台は、19世紀のロンドン・ベイカー街。名探偵として揺るぎない地位を築いたシャーロック・ホームズのおこぼれに預かろうと、彼にそっくりな名をかたり、彼の家の隣に事務所を構えた、シャーヤッコ・ホームズの活躍を描く。巨匠にして奇才・永井豪ならではのセンスが光る、抱腹絶倒のストーリーだ。
数ある「シャーロック・ホームズリスペクト」な作品の中でも、本作はかなり異彩を放つ作品だ。主人公・シャーヤッコ・ホームズは、本家ホームズの名声を利用し、勘違いした依頼人がやって来るのを狙う、ちゃっかり者である。助手の名前は本家と同じワトソンだが、あちらが男性であるのに対し、こちらは女性。他力本願なシャーヤッコだけに、探偵としての能力は本家の足元にも及ばない。その上、探偵なのに殺人犯に怖じ気づく臆病者。さらにスケベで女性にだらしないなど、性格的にも本家とは180°違う。彼は隣に事務所を構えるだけでは飽き足らず、留守を狙って本家ホームズの事務所に侵入。ゴミ箱を漁り、彼が断った依頼を勝手に引き受けるという、恥知らずなことも平気で行う。名探偵ならぬ、“迷探偵”という言葉が相応しい。
出典:ぶんか社
21世紀の横浜を舞台に、夢に導かれて事件に挑む男性コンビの活躍を描く、異色のミステリー・サスペンス漫画。就職先の倒産で路頭に迷った大学4年生・白木焔は、教授の紹介で、渡瀬蒼という人物と、ルームシェアをすることになる。同居の条件は、紫外線アレルギーで外出が難しい渡瀬にかわって、時々「お使い」をすること。ところが、その「お使い」とは、危険を伴う探偵のような仕事だった。
本作の最大の特徴は、起こる事件は全て、シャーロック・ホームズが手がけた事件を元にしている点だ。各エピソードのタイトルも『まだらの紐』『ボヘミアの醜聞』のように、元ネタの小説と同じ。もっとも、状況そのものは似ていても、結末が同じとは限らない。そこが本作の見どころでもある。そして本作は、元ネタの小説とはホームズとワトソンの立ち位置が異なり、主人公・渡瀬蒼はワトソン、相棒・白木焔をホームズになぞらえている。積極的に動くのは肉体派の白木だが、知性派の渡瀬が彼に助言し、事件を解決に導くケースが多い。各エピソードの締めくくりには、「ホームズを読む」と題したコラムが掲載されており、元ネタとなった小説の解説が行われる。小説のファンには特におすすめの「シャーロック・ホームズリスペクト」な漫画である。
出典:双葉社
初恋の相手がシャーロック・ホームズという女子大学生・原田愛里と、生粋のシャーロッキアンである大学教授・車路久の物語。2人が、ホームズにまつわる謎を紐解いていく様子や、それに関連した出来事が描かれる、日常系ミステリー漫画である。主人公・原田愛里は、ひょんなことから、倫理学の担当教授・車路久が抱える悲しみに気付く。心優しい彼女は、教授を元気づけようと、ある思い切った行動に出る。このことをきっかけに、2人はホームズについて語り合うようになっていく。
“シャーロッキアン”とは、シャーロック・ホームズを実在の人物として扱う、熱狂的なファンのこと。彼らは、一連のホームズ作品を“聖典”と呼び、そこに記された未解決の問題や矛盾点などを研究し、議論する。まさに「シャーロック・ホームズリスペクト」な人々の代表格だ。車路久教授も、そんな“シャーロッキアン”の1人だ。主人公・原田愛里もホームズ好きで、物語はホームズに関わるエピソードを中心に進んでいく。ただし、殺人やお宝の盗難といった大事件が起るわけではない。2人が関わるのは、日常のちょっとした問題や、不可解な出来事だ。2人はこれらの問題を、ホームズにまつわる様々な謎と絡めながら解き明かしていく。ホームズファンなら読んでニヤリとすること請け合いの作品だ。
出典:集英社
名探偵シャーロック・ホームズがもっとも恐れた男である、犯罪界の影の帝王・ジェームズ・モリアーティ教授を主人公とした、クライム・サスペンス漫画。孤児院で弟・ルイスと共に暮らしていた主人公は、そのずば抜けた頭脳と、“純粋な悪の思想”をモリアーティ伯爵家の長男・アルバートに認められ、養子として迎えられる。その後、彼はアルバートと協力してモリアーティ家を乗っ取り、自らの理想とする社会を実現するための活動を開始する。
本作は、他の「シャーロック・ホームズリスペクト」な作品とは、立ち位置が大きく異なる。その理由は、本作がシャーロック・ホームズではなく、彼の宿敵であるジェームズ・モリアーティ教授を主人公としているからだ。しかも、原案の小説と違って、3人のジェームズ・モリアーティが登場する。長男・アルバートと、次男・ウィリアムを殺害して彼に成り代わった主人公、そして主人公の実弟・ルイス。3人のミドルネームはいずれもジェームズなのだ。また本作は、モリアーティ教授を悪役としてではなく、高い理想を掲げた体制への反逆者として描いている。彼らが目指しているのは、人口の3%に満たない貴族たちが実権を握る、階級社会の破壊。固い絆で結ばれたモリアーティ3兄弟は、この目標を実現するべく、“悪の道”をひた走る。
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