Anime Japan主催の 「アニメ化してほしいマンガランキング」 。
一般応募であるノミネート作品の選定から、本投票が2024年2月1日(木)20:00よりスタートしています。第7回目となる今企画では、50作品のマンガ作品が選出されました。
本記事では、ノミネートした作品の担当編集者様へお話を伺い、作品の魅力・良さをたっぷりと語っていただきます。
第3回目にご紹介する作品は、「花とゆめ」にて連載中の『墜落JKと廃人教師』です。
『墜落JKと廃人教師』のあらすじはこちら→ マンガペディアリンク
作品 公式X / sora先生 公式X
白泉社・花とゆめ編集部所属。
担当作品は、『墜落JKと廃人教師』『神さま学校の落ちこぼれ』『引きこもり姫と毒舌騎士様』『うちの黒魔導士がかわいすぎる!』『かくも小さき世界にて』など。
ーー 他の作品にはない、この作品の魅力を教えてください。
首藤氏(以下、首藤) 『墜落JKと廃人教師』の魅力はなんといっても、「先生×生徒のキケンなラブストーリー」と「切れ味抜群なギャグ」のギャップ です。
ぱっと見で目を惹かれる超美麗な絵、危険な香りのする関係性にぶち込まれるギャグ、そしてギャグで緩和した空気の中に、突如放たれる甘いシーンという“ラブ”と“コメディ”の緩急がえぐいです。
ほのかに漂う死の香りがこの作品の独特な雰囲気を醸し出していて、その点も本作ならではで、とても魅力的です。
ーー 本作のキャラクターの魅力についてもお伺いしたいです。
首藤 ヒロインが恋をする相手・灰葉 仁(はいば・じん。以下、灰仁)のクズ教師っぷりが、最大の魅力だと思います。
通常イメージする先生×生徒モノの作品は、やはり禁断の関係性が重要で、教師は大人として一歩引いた立場にありがちです。
しかし、『墜落JKと廃人教師』は逆に教師の方からぐいぐい行きます。むしろ生徒側のヒロインが引いているほど。
ヒロインの落合 扇言(おちあい・みこと)も、“ネガティブで暗い”という少女まんがのヒロインとしては意外性があり、面白いキャラクターです。
誰よりも真面目であるべき教師に、“クズ”という要素を掛け合わせ、それに呼応するヒロインの“妙”が魅力的です。
ーー 編集者からみたここを推したい!ポイント、シーンはありますか?
首藤 灰仁がクズ教師なので、ギリギリセーフかアウトかグレーなゾーンを狙ってヒロインに攻め込んでくるのがポイントです。
例えば、「水を飲むのをやめた」というヒロインに対し、無理にでも水を飲ませることになるエピソードが印象的です。
その後目が覚めて、実は夢だった……という描写なのですが、ペットボトルの水は減っている。これはどういうことでしょうね(笑)。
読者の皆様の想像にお任せいたしますが、なんとも絶妙なところを攻めているのが推しポイントです。
ーー 原稿を受け取ったとき、思わず唸ってしまったシーンはありますか?
首藤 ネームを受け取ったときですが、ある人物のお葬式の回です。
さすがにお葬式回を重苦しくなく描くのは難しいのでは……?と思っていたのですが、むしろいつも以上にコメディ色を強く感じる回でした。
もちろん、死を軽く扱っているわけでは決してなく、これまで積み上げてきたキャラクターの想いが関係しているがゆえの描写で、この作品ならではですごく良い回だなぁと唸りました。
また画面作りという意味でしたら、毎回です。毎回唸ります。
ラフなネームから、このハイクオリティな完成原稿が送られてくるので、なにかの魔法のように感じられます。
ーー もしもアニメ化をするとすれば、編集者の視点としてここだけは大事にしていきたいなど、作品の守りたい部分・ 芯になる部分には何がありますか?
首藤 一番重要だと思うのは、やはりキャラクターです。
死を取り扱っていたり、先生×生徒という関係性を扱っている作品のため、sora先生が細心の注意を払って描いてきた作品です。
そこだけは何があっても守らねばならないところだと思っております。
また、アニメとしての面白さという点では、ギャグのテンポ感・美麗な絵の表現です。
以前ドラマ化をして頂いた際にもその点をかなり工夫していただき、実写ならではのコメディシーン・ラブシーンに仕上げていただきました。
もしアニメ化して頂ける際には、アニメならではのテンポや絵作りがどのようになるのか楽しみにしたい部分です。