タイトルに「教室」が付いた漫画特集51 Pt.

黒森小学校の六年二組が、作品のタイトルになっているはなまる魔法教室の舞台だ。魔女である担任の十色魔彩は、占いの結果によりこの学校に赴任。魔女でありながらごく普通の小学校教師になったのだが、彼女の目的は魔法の才能がある子どもを探して、魔法中学への入学を進めることだった。魔女である魔彩は、特別な授業を行うわけではない、しかし、彼女はクラスにいる子ども達の本当の魅力を見つけ出していく。彼女は、時に辛い思いを抱くこともある小学6年生の感じやすい心を、魔法というキーワードで優しく紐解いてくれる、まさに「こんな教室があったらいいな」と思わせる素敵な教室だ。

英雄教室というタイトルの通り、英雄を育てるための教育機関・ローズウッド学園が物語の舞台。その学園の中で最も能力が高いＡクラスが、主人公・ブレイドが通う教室になる。ただし、教室という形を取っているが、授業らしいシーンは少なく、英雄としての力を見せるシーンや、生徒同士のバトルシーンが中心だ。力を抑えて一般人になろうとするブレイドと、それでも抑えきれない彼の実力に唖然とする周囲のギャップが見どころの一つ。ブレイドは能力や性格のせいで浮きまくるものの、やがてＡクラスという教室になじんでいく。

教室とは数十人の人間を1カ所に集める特殊な場所。本作はその特殊な場所の危うさを描いているサスペンス作品だ。主人公の新堂拓巳が通う学校の教室で、3年前に爆破事件を起こした中越聖は、イジメによる不登校児だった。中越はクラスの者たちに強い恨みを持っており、それが爆破事件への動機となった。また、新たな爆破事件の犯人となる芹沢睦美もまた、イジメの復讐として教室の爆破を画策。彼女はいじめ裁判と題したゲームで、同級生の生死を決めていく。誰もが知っている、しかし、狭い閉ざされた教室という世界が恐怖感をかき立てる。

教室という閉鎖空間を舞台に描くホラー作品。突如「友食いゲーム」という異常なゲームに、主人公の天野翔太と同級生全員が巻きこまれる。ルールはいたって単純。「感染者」と書かれたメールに、ワクチンとなる対象者とその部位が表示され、表示された部位を制限時間内に食べなければ死んでしまうのだ。しかも、その対象部位が例えば心臓であれば、相手を殺すしか生き残る道がないという非道なゲームだ。たまたま同じ教室の仲間になったというだけで、死のゲームに付き合わされてしまう。教室という場所に恐怖を抱く読者も多いのであろう。

クジャクは雄鳥が美しささを競い羽根を広げるというが、主人公の清田まりほが転入した教室は、まさにクジャクの教室。美しき羽根を広げるがごとく、3人の美形男子が1つの教室にいるのだ。教室という場は、その狭い空間から逃げることができない特徴がある。同じ教室に、超絶美形男子が3人も固まっている状況は、美しい人を信じないと心に決めたまりほにとって異常事態だ。同じ教室で距離を置いた付き合いはとても難しく、まして相手に興味を持たれると逃げ場がなくなる。狭い教室という場で偶然に陥った特異な状況が、登場人物達の心境を大きく変化させていくのだった。