「掃除の達人」私に落とせぬ汚れなし！オススメ漫画５選30 Pt.

ましろは事あるごとに「不潔です!」と叫び、司が汚したところを次々に掃除してゆく。ある時は彼がトイレで座って小用を足さなかったため、ましろ自ら軍手を使って便器を拭いたり、またある時はカーペットにこぼしたコーヒーの染みを、薄めた中性洗剤を染み込ませた布巾で一生懸命叩き出したりする。綺麗にするためには手間を惜しまず、恍惚の表情を浮かべながら掃除する彼女に当初は戸惑っていた司も心を開いてゆく。ましろもまた、彼とふれあう中で徐々に義弟に対する以上の感情を抱くようになるのであった。本作は、掃除を通して義理の姉弟がステップファミリーとして成長してゆくさまがコミカルに描かれている。また、思わず試したくなるような家事テクニックや掃除のウンチクが豊富であり、実生活で役立つこと間違いなしだ。

ロットンが便秘薬を抗鬱剤と一緒に飲まないよう注意するが時すでに遅し。ソーヤーはハエやシャワーカーテンに潜む影に話しかけられるなど、副作用による幻覚を見ていた。彼らから便が出ないことをなじられ、彼女は徐々に追い詰められてゆく。しかし、急にハエたちが高らかに歌いだし、徐々に彼女の身に変化が起こる。心配するロットンをよそに、扉を開けて出てきたソーヤーの表情はなぜかスッキリとしていたのであった。普段は「掃除屋」としてチェーンソーを振り回す彼女だが、その仕事ぶりとは裏腹に、本作で描かれる日常は馬鹿馬鹿しいエピソード満載だ。本編である『BLACK LAGOON』でお馴染みのキャラクターであるロックやレヴィも登場し、彼らとの掛け合いも要注目である。

ゴミ清掃員は体力仕事だ。滝沢は初日から腰が痛くなったり、後日には体育会系の先輩にドヤされたりで、心が折れそうになる。しかし、妻の存在やベテラン清掃員の励ましもあり奮闘するうちに、少しずつ仕事の面白さに目覚めてゆく。本作は、「ゴミ」を取り巻くお役立ち情報や人間模様が滝沢独自の視点でユニークに描かれている。特にゴミの捨て方や分別の仕方で、治安の良し悪しや出した人の人間性まで垣間見られてしまうのが面白い。また、もったいない精神に溢れる外国人や、病に侵されながら最期まで働く青年など、さまざまな事情を抱えた同僚たちとの心に響くエピソードも満載である。環境問題やゴミに対する知識が深められる本作だが、ゴミ捨てに迷った時のガイドブックとして活用するのもいいだろう。

さくらが迷い込んだのは魔王陛下が支配する異世界・魔王領であった。側近のライエから状況を説明されるが、さくらは周りが灰まみれになっていることが気になって仕方がない。ライエの話を遮り、さくらはカバンに入っていた清掃用具で壁や窓をピカピカにしてゆく。それを見た城の者たちは、彼女を「聖女様」として崇め始めた。実は、魔王領は魔女の仕業で洗浄魔法が使えなくなったために汚れ放題になっていたのだ。それを知ったさくらは、元の世界に戻るまで聖女としてこの世界の汚れを掃除してゆくことを決意する。魔王や勇者が登場する異世界に、一見ミスマッチに思える「掃除」の要素が絶妙に絡み合っている。さくらが披露するお掃除テクニックも身近で実用的なため、知見を広めるにはもってこいだ。

タケコは清掃中の男子トイレに入ってきた社員に腹を立て、用を足しているところを覗きだす。アケミは仕事に対しては無気力だが、男好きでビルの男性社員に手を出すことも。優は常識人だが、正義感が強くすぐに熱くなるのがたまにキズである。りなは一生懸命働くも、社員が使用中のパソコンのコンセントをうっかり抜いてしまう。そんな4人は、草むしりで摘んだクローバーで作った冠を山田にプレゼントしたり、時にはタケコの兄・正太の働く喫茶店でバイトをしたり、日々一致団結して頑張るのであった。本作は、オフィスの清掃に携わる彼女たちの日常が面白おかしく描かれている半面、清掃員の仕事の裏話なども丁寧に綴られている。決して派手な仕事ではないが、清掃員に感謝の気持ちを向けたくなる一作だ。