正義のために戦う!?「戦隊」漫画オススメ５選！85 Pt.

企業戦士という言葉がある。会社のために粉骨砕身して働くサラリーマンを指す言葉だ。だが広哉は企業戦士であるが、本来の意味の「戦士」でもある。広哉は企業が開発したスーツを着用し、地球外からやってきた謎の生命体と戦っているのである。武器は様々あるが、名刺形の武器が一番それらしいだろう。社員なので「シャインズマン」という名称がなんともコミカルな印象を与えるが、戦士として怪物と戦うことだけが仕事ではない。きちんと戦隊メンバーがそれぞれの部署で日々の仕事をこなしている。戦士としての仕事は怪物が現れた場合のみだが、当然不定期。正体を明かすことはできないため、人目も気にしなくてはならないし、何より体力的にも大変だ。広哉はリーダー色のレッドだが、最初から戦いに積極的というわけではない。幼い弟の応援でヒーローらしさを身に付けていく。ヒーローは誰かの応援があるからこそ、ヒーローらしくなっていくものなのだろう。

アイドル×戦隊ヒーローである。しかもヒーローは実在していたアイドルがモデルという異色作だ。「バトルフィンガーV」というグループ名からも察せられるが、ヒーローとして戦う兄弟たちのモデルは、1970年代に一世を風靡した男性4人女性1人の兄弟アイドル、「フィンガー5」である。モデルというよりも、兄弟構成や年齢、名前だけでなくビジュアルの特徴も当人たちそのもので、当人たちのイメージがそのままキャラクターになっていると言っても良いだろう。現実の「フィンガー5」は芸能活動のみだったが、この作品におけるバトルフィンガーVは、ヒーローとして活動もしている。アイドル活動がついで、と言っても良いだろう。ヒーローとしては優秀で、敵となる科学者の魔の手からアイドルたちを守る手腕はとても10代の少年少女には見えない。アイドル戦隊というのも特殊であるが、特筆すべきは兄弟戦隊というところだろう。兄弟の絆がとても強く、兄による弟妹自慢は実に微笑ましい。

「ブルーム」は、花が咲くという意味を持つ言葉。ブルームハートは5人組で、全員が花の名前の戦士だ。それに加え、レッドローズに変身するリーダー格ののばら、長い髪が特徴の優等生、ホワイトリリイに変身するゆりなど、他のメンバーもひまわりやさくら、すみれと全員の本名も花の名前である。攻撃も衣装も花に由来したものになっており、少女戦隊らしくとても華やか。しかし、悪に対峙するときは可愛らしいばかりではない。悪事に対して言い訳をする大人を冷たく突き放し、子どもならではの正論をぶつけてくる。純粋な正義感で戦っている分、彼女たちの口にする言葉は胸に刺さるものだ。毅然と悪に対峙しているブルームハートだが、並々ならぬこだわりを持っていることがあった。彼女たちが守る範囲は、ご町内だけなのだ。大きなことを成すのも大事だけれど、まずは自分たちの身近な平和を守る。地に足が着いた考え方ができる彼女たちだからこそ、正義を貫けるのかもしれない。

ジャパファイブは月人間（ゲッド）という悪の組織と戦う、国家組織なのだ。スーツに適応することのできる人間は、五百万人に一人。ジャパファイブに任命されるということは、選ばれし人間なのだと言える。太陽は、努力をせずに人とは違う人生を歩みたいという、思いっきり他力な願望を抱いている。股間丸出しという、情けないスーツ姿に加え、戦闘も積極的ではない。想い人であるすももを放って隠れていたりと、なかなかのクズっぷりを披露している。本気を出せばかなり強いとはいえ、その本気がどこからもでてこない。そんな太陽が超人的な力を発揮すしなければならない状況は、自身の妄想に興奮してピンチに陥ってしまった時だ。赤は戦隊ではリーダー色である。こんな煩悩にまみれたヒーローで大丈夫かと不安になるが、エロパワーを最大限に活かした戦いに期待したい。

魔女っ子と戦隊が融合しているのが本作である。パステリオンに変身できるのは、生まれながらに宝珠を持っている者だけ。ステッキで変身し、地球を侵略するためにやってきた悪の国家、神聖魔法国家ヴァジュラムと戦うのだ。戦隊なので仲間がいるが、編成はヒーローものでは最小の3人。天照大神や月読尊といった、日本の神様に由来した力で変身している。チームを組んでいるので戦隊だが、魔法少女もののお約束を踏襲している部分が多い。各メンバーにはぬいぐるみのような相棒がいるし、変身に使用するのはステッキだ。変身後の姿は16歳前後と、成長した姿になるのも魔法少女ものならではである。なぜか鈴希の見た目は全く変わらないようではあるが。コミカルな展開で笑わせてくれるが、戦闘は肉弾戦で満身創痍になるほど激しいもの。傷だらけになりながらも、互いを気遣いあい、助け合う熱い友情と絆に、胸が熱くなる。