まつりスペシャル

まつりスペシャル

家業のプロレス団体を手伝うために、女子高生の羽生まつりは、放課後には現役女子高生レスラー「ハニープリンセス」に扮してリングに立つ。2つの顔を持つがゆえの葛藤と、彼女の周囲を取り巻く人々との恋愛と友情を描いた熱血青春ラブストーリー。「ジャンプスクエア」2007年12月号から2008年8月号、2008年10月号から2009年4月号、2009年7月号から10月号にかけて連載された作品。

正式名称
まつりスペシャル
ふりがな
まつりすぺしゃる
作者
ジャンル
プロレス
関連商品
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概要・あらすじ

羽生まつりは一見普通の女子高校生だが、放課後には家業のプロレス団体に所属する人気覆面レスラー「ハニープリンセス」として活躍していた。それは彼女にとってとても恥ずかしいことで、誰にも知られたくない秘密だった。しかしある日、絡んできた不良たちを得意のプロレス技で投げ飛ばしているところを、悪い噂ばかりが目立つ転校生の重松荒太に見られてしまう。

実は荒太はプロレスマニアで、まつりが扮する現役女子高生レスラー「ハニープリンセス」の熱烈な大ファンだったのである。荒太に問い詰められたまつりは、遂に「ハニープリンセス」の正体が自分であることを暴露してしまう。

登場人物・キャラクター

羽生 まつり (はにゅう まつり)

普段は普通の女子高生。まつりの父が経営しているプロレス団体「まごころプロレス」で、人気覆面レスラー「ハニープリンセス」としても活躍している。肩の辺りまでのこげ茶色のショートカット。プロレスラーの父親の影響で3歳の頃から柔道を始め、中学の時には埼玉県代表として全国大会で優勝するなど、格闘技の才能に溢れている。 一方で、小学生の頃に年上のいじめっ子を投げ飛ばしたところを、クラスメイトに目撃されて怖がられたことがあり、それが今もトラウマとなっている。新たに転入した高校では、プロレスをやっていることは隠している。筋肉質で、男性顔負けの体力を誇る。しかし、幼い頃にまつりの母が家を出て行ってしまったこともあり、裁縫が得意で女性らしい一面も持っている。

重松 荒太 (しげまつ あらた)

羽生まつりのクラスメイトの男子高校生。短髪を整髪料で逆立てている。まだ転入してきたばかりで、制服は学校指定のブレザーではなく、以前の学校の学ランを着ている。背が高く大柄で目つきも悪いため、クラスメイトから怖がられており、隣の学区の生徒を半殺しにしたなどの悪い噂が絶えない。以前は北海道で両親と3人で暮らしていたが、父親の転勤に伴い転校を繰り返してきた。 現在は両親とは離れて一人暮らしをしている。子供の頃から大のプロレス好きで、覆面をしていないまつりの父を見て、即座に覆面レスラーの「ハニーギャング」であることを見抜く。当然のようにプロレス技にも詳しく、まつりが不良たちを投げ飛ばしていた場面を偶然に見た際も、まつりが放つ技のどれもがプロレスの技だということを知り、彼女の正体を見抜いた。

諸角 渉 (もろかど わたる)

羽生まつりのクラスメイトの男子高校生。茶髪で、いたるところに装飾品を身に着けている。細身で目鼻立ちが整っており、女子生徒に非常に人気があるが、飽きやすく冷めた性格のため、付き合う女性が頻繁に変わる。以前付き合っていた女子生徒から恨みを買い、酷い仕打ちに遭っていたところを、覆面をかぶった何者かに助けられ、以来その恩人の正体を追っている。 放課後はカフェでアルバイトをしており、休日には趣味のサーフィンを楽しんでいる。

前野 美々 (まえのみみ)

背が高く、茶髪の長い髪を下ろしてパーマをかけた女子高生。放課後はプロレス団体「ジョンソンズ」で、女子レスラー「美々丸」として活躍している。中学の時は柔道部に所属していて、全国大会の決勝で羽生まつりに敗北し、それ以来まつりをライバル視している。「ジョンソンズ」と「まごころプロレス」の交流戦において、まつり扮する「ハニープリンセス」と試合を行うが再び敗北してしまう。 その試合後、重松荒太に励まされたことがきっかけで彼に惚れ、まつりの通う学校に転入するという大胆な行動に出る。

井田 知子 (いだ ともこ)

羽生まつりのクラスメイトの女子校生。眼鏡をかけて、長い髪を左右でまとめたお下げにしている。人の噂話が大好きで、日々面白いニュースがないかと情報収集に励み、校内の掲示板に自作の新聞を貼って発表している。転入して来たばかりの重松荒太の悪い噂を、クラスメイトに広めたのも彼女の仕業である。

まつりの父 (まつりのちち)

羽生まつりの父親。背が高くて体格の良い男性で、長髪で鼻の下にひげを生やしている。「ハニーギャング」というリングネームのプロレスラーとして、現在も活躍中。妻であるまつりの母、そして娘の羽生まつりと3人で暮らしていた。ところが、かつて所属していたプロレス団体「帝国プロレス」の借金を肩代わりしたことを発端に、妻は家を出て行ってしまった。 まだ婚姻関係にあるものの、事実上夫婦関係が破たんした状態にある。借金の返済のためにプロレス団体「まごころプロレス」を旗揚げし、娘のまつりも「ハニープリンセス」というリングネームで団体に所属させている。

まつりの母 (まつりのはは)

羽生まつりの母親。ショートカットで痩せた女性。まつりのバランス感覚に惚れ込んだまつりの父は、10年に1人の逸材だと幼い頃からまつりに格闘技を教えていた。そのため、練習のたびに怪我をする娘の姿を見て胸を痛ませ、その都度夫と口論となっていた。夫が所属していたプロレス団体「帝国プロレス」の借金を肩代わりしたことを発端に、まつりを残して1人家を出て行ってしまう。

まさお

プロレス団体「まごころプロレス」に所属している男性。前髪を上げて左に流し、胸元に平仮名で「まさお」とプリントされたベースボールTシャツを着用している。学業のかたわらプロレスラーとして活動している大学生。本来プロレスラーには不向きな小柄な体格にも関わらず入団させてくれたまつりの父に恩義を感じており、いつか恩返しをしたいと考えている。

斎藤 (さいとう)

プロレス団体「まごころプロレス」に所属している男性。背が高くて体格が良く、黒髪で顎の下に無精ひげを生やしている。以前はサラリーマンをしていたが退職し、現在はプロレスを専業に活動している脱サラレスラー。裁縫が得意で、試合で破れたりほつれたりしたコスチュームを試合後に縫い繕っている。

吉本 (よしもと)

プロレス団体「まごころプロレス」に所属している男性。背が高くて体格が良く、長い金髪を後頭部で1つに束ねてまとめている。プロレス団体「ジョンソンズ」との交流戦において、両肩にトゲの付いた肩当てにマントという、重そうなコスチュームを身に着けていた。

カフェの店長 (かふぇのてんちょう)

諸角渉がアルバイトしているカフェの店長。前髪を上げた短髪で、もみあげや襟足のあたりを刈り上げている。黒いタートルネックのシャツとギャルソンエプロンを着用した、目鼻立ちの整った男性。中学生の頃に女の子を連れて来て以来、渉はこの店の常連となり、現在ここでアルバイトをしている。そのため渉の女性遍歴をよく把握しており、彼のプライベートな情報もよく知っている。

ミキティ

羽生まつりのクラスメイトの女子高生。カールを巻いた長い髪をしている。学年でトップを争うほど男子から人気がある。諸角渉と付き合っていたが、渉が他校の女子生徒と付き合っているという噂を聞いて問い詰めたところ、あっさりと振られてしまう。その後も振られたことを根に持ち、男友達に渉をリンチするように頼む。

本木 英二 (もとき えいじ)

借金取りの男性。短髪で色眼鏡をかけ、口の周りと顎の下にひげを生やしている。ヤクザ組織「集英会」を取りまとめる人物で、プロレス団体「帝国プロレス」の借金を肩代わりしているまつりの父に返済を迫る。また裏で良からぬことを企み、破格のギャラを報酬に、羽生まつりに「集英会」の息のかかったプロレス団体との試合を持ちかける。

カズンみちる

元アイドルの現役女子プロレスラー。長い髪にゆるいパーマをかけてツインテールにしている。以前は大きなプロレス団体に所属していたが、現在はヤクザ組織「集英会」の息のかかったプロレス団体に所属し、賭博プロレスで八百長試合を行っている。「集英会」の本木英二が組んだ試合で、羽生まつりと対戦した。

集団・組織

まごころプロレス

まつりの父が経営しているプロレス団体で、メンバーはまさお、斎藤、吉本と他に数名と小規模。一方で羽生まつりが扮する現役女子高生レスラー「ハニープリンセス」の人気は非常に高く、生写真やポスターなどのグッズも販売されており、これが大きな収入源となっている。まつりの父親も「ハニーギャング」というリングネームで団体に所属している。

ジョンソンズ

前野美々が「美々丸」というリングネームで所属しているプロレス団体。「ジョンソンズ」の経営者である「ジョンソン」と「ハニーギャング」は宿命のライバル同士ということもあり、まつりの父が経営している「まごころプロレス」とは付き合いも長い。夏の一大イベントとして両団体の交流戦を行うことが決まり、羽生まつり扮する「ハニープリンセス」と「美々丸」との試合が組まれた。

帝国プロレス (ていこくぷろれす)

解散したプロレス団体。かつてまつりの父が「ハニーギャング」というリングネームで所属していた。経営が傾き、5000万円の借金を背負って解散。その借金はまつりの父親が肩代わりし、プロレス団体「まごころプロレス」を旗揚げして地道に返済し続けている。

集英会 (しゅうえいかい)

本木英二が取りまとめているヤクザ組織。借金の回収業務の他、プロレス団体と癒着して賭博プロレスも行っており、八百長試合をして配当金をコントロールしている。プロレス団体「帝国プロレス」が負った借金は「集英会」が回収業務を請け負っており、借金を肩代わりしたまつりの父のもとに定期的に取立てに来ている。

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