あらすじ
第1巻
17歳の美人JKの蓮見百花は、実はプロレスが大好き。中でも悪役レスラーの久我謙光の大ファンで、SNSで彼にメッセージを送ることが日課になっていた。そんなある日、プロレスの試合観戦に行った百花が、帰り際に久我の出待ちをしていると、久我が百花とのSNSのやり取りやファンレターをくれたことを覚えていたため、彼と直接話をするチャンスを得る。あこがれの久我との対面に、感動のあまり涙する百花だったが、久我は去り際に百花の頰にキスをする。突然のことに事態が飲み込めないまま帰宅することになった百花は、キスの意味を知りたいと、悶々とした日々を過ごす。そんな中、やっと久我から電話番号を交換したいとメッセージが届き、二人は電話で話をすることになる。百花はそこで久我の真剣な思いとともにキスの意味を知ると、自分が高校生であることを正直に打ち明ける。そこで初めて百花が未成年であることを知った久我は、先輩からことの重大さを指摘され、それ以降連絡を絶とうとする。しかし百花は、年齢を気にしてばかりいる煮え切らない態度の久我を一喝。それ以降まったく連絡が途絶えてしまい、すべてが終わってしまうのかと落胆していた百花のもとに、久我から試合のチケットが同封された手紙が送られてくる。
第2巻
蓮見百花は、久我謙光から結婚を前提にした真剣な交際を申し込まれた。年齢差という大きな壁を乗り越え、久我の真摯な気持ちを受け入れた百花だったが、その瞬間を百花の父親の蓮見とお母さんに目撃され、逆上した父親から大反対を受けてしまう。その後、百花から詳しいいきさつを聞くが、蓮見は同じ男性として久我を信用できないと、すべてを拒絶。それでも久我は、百花との交際を認めてもらおうと、時間を作っては手土産を持って百花の自宅や蓮見の職場を訪れ、誠心誠意に自分の真剣な気持ちを伝えようと努力する。百花はそんな久我の様子を知り、自分も真剣に向き合おうと、父親に久我の話を聞いてほしいと頼み込む。そんなある日、父親から突然剣道場に連れてこられた百花は、そこに久我も呼ばれていたことを知る。百花が見守る中、蓮見は自分より弱い男に娘を任せられないと、久我に剣道での勝負を言い渡す。久我は剣道未経験ながらも、百花のために試合に応じ、百花への真剣な思いを蓮見に打ち明ける。それでも頑なに二人の仲を認めようとしない蓮見に、久我は自分のことをもっと知ってほしいと、蓮見一家を自分の出場するプロレスの試合へ招待する。
登場人物・キャラクター
蓮見 百花 (はすみ ももか)
プロレスが大好きな女子高校生で、年齢は17歳。美人でクールな印象から、異性にモテると誤解されがちだが、実は彼氏いない歴は年齢と同じ。同世代の女性とは違って男性アイドルにはまったく興味がなく、筋肉ごりごりのプロレスラーが大好き。特に悪役レスラーの久我謙光の大ファンで、まだ知名度が低い頃から久我を応援している。以前からSNSでメッセージを送り続けており、返信をもらっていた。その後、ファンレターに写真を付けて送っていたことから、プロレスの試合観戦に行った際、出待ちをして久我と直接知り合うことに成功。その際、久我から突然頰にキスされてしまう。久我の行動に対して悶々と思い悩む日々を送ることになるが、その後電話番号を交換することになり、久我の真剣な思いを知る。しかし自分が高校生で、未成年であることを明かすと同時に連絡が来なくなり、久我の言動に振り回されてしまう。のちに、招待された試合後の帰り際に、あらためて将来結婚したいとプロポーズを受ける。その現場に遭遇した父親の蓮見に大反対されることになるが、地道に説得しようとする久我を信じ、自らも待つことを決めた結果、なんとか交際の許可を得ることができた。細かい条件付きではあるが、大好きな久我との日々を送ることに喜びを感じている。
久我 謙光 (くが よしみつ)
プロレスラーの男性で、年齢は29歳。23歳の時にプロレス団体に入門した。同じプロレスラーの翔陽とは同期で、苦しかった下積みの時代をいっしょに乗り越えたために仲がいいが、ライバル関係にあたる。いわゆる悪役レスラーで、デビュー後もなかなか芽が出なかったが、最近じわじわと知名度が上がり、人気が出てきた。特に男性からの人気が高く、技をかけてほしいなど、プロレスラー特有のスキンシップを求められることが多い。数少ないファンの中で、まだ知名度が低い頃からこまめにSNSでメッセージを送ってくれていた蓮見百花のことを気にかけており、先輩からの後押しもあって顔を知ることになった。相手の性別もわからない頃から百花に思いを募らせており、実際に会った時にはブレーキがきかない状態に陥った。その結果、百花の頰にキスをするという暴挙に出てしまうが、積極的な姿勢と誠実さが功を奏して百花に気持ちが通じ、付き合うことになる。その際、百花が未成年だということを知って一度はあきらめようとするが、その煮え切らない姿勢を百花に叱責され、結婚を前提に彼女が成人するまでは清い交際をすることで合意した。百花の父親の蓮見から猛烈な反対を受けており、持ち前の誠実さで説得を試みている。身長182センチ、体重113キロというゴツい体格だが、見た目と違ってかわいいものが好きで、自宅ではうさぎの「うさ男」を飼っている。誕生日は6月25日。
翔陽 (しょうよう)
プロレスラーの男性。同じプロレスラーの久我謙光とは同期で、苦しかった下積みの時代をいっしょに乗り越えたために仲がいいが、ライバル関係にあたる。明るい性格でイケメンということもあり、デビューしてすぐに人気に火が付いた。特に女性からの人気が高く、女性ファンからはハグやお姫様抱っこなどのスキンシップを求められることが多い。身長180センチ、体重101キロ。
お姉ちゃん (おねえちゃん)
蓮見百花の姉。もともとプロレスにはまったく興味がなく、妹のプロレス好きにも特に理解を示さなかった。しかし、百花に頼まれていっしょに試合を観戦したことで、多少はプロレスのよさもわかるようになった。百花と違って、お姉ちゃん自身は体の大きなプロレスラーの男たちをゴリラとしか認識していないが、久我謙光に思いを寄せる百花の気持ちには理解を示し、彼女の恋愛に対してはよき理解者となる。
蓮見 (はすみ)
蓮見百花の父親。高校の教師で、剣道部の顧問を務めている。剣道教士八段を持っており、国体で優勝するほどの実力の持ち主。プロレスラーに負けないくらいの立派な体格だが、見た目にそぐわず甘党で、娘を溺愛している。ある時、娘の帰りが遅いのを心配して迎えにいったところ、百花がプロレスラーの久我謙光からプロポーズを受ける場面に遭遇して逆上。百花から話を聞くが、久我に胡散臭さを感じたため、今後いっさいの連絡を絶つようにと、一方的に百花に言い放った。しかし、その後も時間を見つけては手土産を持って、家や職場にまで訪問し続け、話を聞いてもらおうとする久我の姿勢と娘からの熱意に負けて、久我と百花を勤め先の学校の剣道場に呼び出した。自分より弱い男に娘を任せるわけにはいかないと、久我に剣道での勝負を言い渡し、戦いの中で久我の百花への思いを聞く。それでも折れることはなかったが、自分のことを知ってほしいと久我から招待されたプロレスの試合を観戦し、彼のプロレスに対する姿勢に心を動かされる。それでも久我との交際を認めるつもりはなかったが、久我のあきらめない気持ちについに折れ、条件付きでの交際を許可。休日には顔を出すことにはじまり、百花を泣かさないこと、高校卒業まで夜に会うのは禁止、門限は18時など、その条件は多岐にわたる。一方で結婚は20歳になってからと結婚に関することにも触れており、結果的に久我を認める形となった。
お母さん (おかあさん)
蓮見百花の母親。明るくて優しい性格ながら、どこかつかみどころのない女性。夫の蓮見と共に、帰りの遅い娘を迎えに試合会場へと向かった際、百花がプロレスラーの久我謙光からプロポーズを受ける場面に遭遇した。逆上して大反対した夫とは違い、第一印象で決めつけるのはよくないと、賛成はしないが反対もせず、二人の関係を見守るという慎重な姿勢を見せた。のちに、家族で行くことになったプロレスの試合観戦では、パンフレットに写っている中から好みのプロレスラーを見つけるなど、この状況をわりと楽しんでいる。
先輩 (せんぱい)
プロレスラーの男性。久我謙光とは同じプロレス団体に所属しており、久我の先輩にあたる。久我が珍しく女性ファンとSNS上でやり取りをしていることを知り、勝手に「ファンレター待ってるぞ!! 写真付きで送れよ」とメッセージを送信。それがきっかけで、蓮見百花と久我が知り合うことになった。しかしその後、百花が未成年であることがわかると、態度は一変。未成年と付き合うことにより、久我の人生が終わってしまうかもしれないリスクと、周りに迷惑をかけるかもしれないことを言って聞かせ、相手のためにも百花とは連絡を絶った方がいいと説得した。また、近所でラーメン店を営んでおり、久我のために何度も店を貸切にして提供するなど、非常に面倒見のいい人物。
書誌情報
プ女と野獣 JKが悪役レスラーに恋した話 4巻 講談社〈講談社コミックス別冊フレンド〉
第1巻
(2019-05-13発行、 978-4065155196)
第2巻
(2019-11-13発行、 978-4065176375)
第3巻
(2020-05-13発行、 978-4065191712)
第4巻
(2024-09-12発行、 978-4065368213)