概要・あらすじ
1964年、香港。アメリカでまったく芽が出ず香港に活動の場を移したプロレスラー、アブドーラ・ザ・ブッチャーだったが、空手を使う香港の選手に惨敗。プロレス界でのし上がるためには空手が必要だと考えたアブドーラ・ザ・ブッチャーは、空手の達人ガマ・オテナに弟子入りし、厳しい修行生活に入る。
そして、遂に必殺技地獄突きを会得。地獄突きを引っさげてアメリカプロレスに戻ったアブドーラ・ザブッチャーは一躍人気悪役プロレスラーとなり、日本プロレスに招聘されるのだった。(「地獄突きがいく!ザ・ブッチャー」あらすじ)
登場人物・キャラクター
アブドーラ・ザ・ブッチャー
太っただけのやられ役の悪役だったが、空手を修行し、必殺技地獄突きを体得してからは人気がうなぎ上りに。1970年、日本プロレスに招聘されて初来日しその暴れっぷりが日本でも話題となり、大人気悪役プロレスラーとしての地位を築いた。 ニックネームは黒い呪術師。
スタン・ハンセン
少年時代から大柄な乱暴者として、オクラホマの地元の大人たちからにらまれていた。高校時代はアマチュアレスリングとアメリカンフットボールの選手として活躍し、卒業後プロレスラーを志す。ドリー・ファンク・ジュニアとテリー・ファンクの兄弟がつくったザ・ファンクスのジムで修行し、必殺技ウエスタン・ラリアットを編み出して一躍人気レスラーになった。 ニックネームはブレーキの壊れたダンプカー。
ミル・マスカラス
試合の度に覆面を変えることから千の顔を持つ男仮面貴族と呼ばれる。メキシコ仕込みの空中殺法でファンを魅了し、1971年初来日。入場テーマ曲スカイハイとともに颯爽と登場し、それまで見たこともない華麗な技で日本のファンの度肝を抜いた。 特に子供たちの間で大人気となった正統派プロレスラー。
ドリー・ファンク・シニア
『プロレススーパースター列伝』「父の執念!ザ・ファンクス」の主人公のひとり。1917年、インディアナの貧しい農家で生まれ、一攫千金を夢見てボクサーを目指すが花開かず、誘われるままプロレスの道に進んだ。当時の世界チャンピオン、カール・ゴッチとの対戦も実現するが敗北。以後は泣かず飛ばずとなり悪役覆面プロレスラーザ・アウトローとして食い扶持を稼ぎ、打倒カール・ゴッチの夢を2人の息子に託した。
ドリー・ファンク・ジュニア
『プロレススーパースター列伝』「父の執念!ザ・ファンクス」の主人公のひとり。ドリー・ファンク・シニアの長男。幼い頃からプロレスの英才教育を受けて育った。一時は弁護士会計士などを目指すが、結局父の夢を叶えるべくプロレスラーになる。必殺技スピニング・トーホールドは、牛を押さえ込むときに使う関節技として父ドリー・ファンク・シニアから受け継いだ。 ニックネームはグレート・テキサン。
テリー・ファンク
『プロレススーパースター列伝 父の執念!ザ・ファンクス』の主人公のひとり。ドリー・ファンク・シニアの次男。兄のドリー・ファンック・ジュニアとともにプロレスラーとなり、兄弟タッグザ・ファンクスを結成。兄よりも血の気が多く、日本でもアブドーラ・ザ・ブッチャーとの流血戦など多くのファンを沸かせた。 ニックネームはテキサス・ブロンコ。
タイガー・ジェット・シン
ルール無視の暴れっぷりで、インドの伝説的プロレスラーダラ・シンがさじを投げた男。オマー・シンヒンズー・ハリケーンなどのリングネームでアメリカで修行しながら頭角をあらわし、1973年、新日本プロレスに殴りこんでファンを驚かせた。 サーベルで威嚇したり荒っぽい悪役だが、正統派レスリングの技術も身に着けた本格派プロレスラー。ニックネームはインドの狂える虎。
アンドレ・ザ・ジャイアント
フランスの山奥で木こりをしていたところをスカウトされた。身長223センチ、体重220キロ。ニックネームは大巨人。デビュー当時は見世物的扱いを受けたが、アメリカ修行時代に名プロレスラーバーン・ガニアと出会い、本格的なプロレス技術を習得。 後に燃える闘魂アントニオ猪木を苦しませるまでに成長。初来日は1971年。その大きさに観客は息を呑んだ。
ジャイアント馬場 (じゃいあんとばば)
高校時代は野球のピッチャーで、巨人軍からスカウトされ入団するも芽が出なかった。南海にトレードされた後、風呂場ですべって肘に大怪我を負い野球を断念。その体の大きさを力道山に見込まれてプロレスラーとなる。日本プロレス分裂後、全日本プロレスを立ち上げ、プロモーターとしても世界が認めるほどとなる。 ニックネームは東洋の巨人。
アントニオ猪木
少年時代に家族でブラジルに移住。コーヒー園などで肉体労働に従事したことが強靭な足腰を生んだ。ジャイアント馬場と同時期に力道山の弟子となり、力道山亡き後、ジャイアント馬場とタッグを組みB・I砲としてプロレス界を盛り上げた。 後に新日本プロレスを立ち上げ、異種格闘技戦を繰り広げるなどし、燃える闘魂と呼ばれた。
タイガーマスク
ジュニアヘビー級。1981年、新日本プロレスのマットに登場。梶原一騎原作の漫画『タイガーマスク』から飛び出したかのような姿に、プロレスファンは驚いた。さらに、メキシコプロレスの空中殺法と空手を合わせた戦いぶりも見事で、一躍人気プロレスラーとなる。 正体については全くの不明で、多くのマスコミがタイガーマスクの正体探しに奔走した。
ザ・グレート・カブキ
力道山に憧れる熱狂的なプロレスファンだった少年、米良明久は憧れのプロレスラーとなるが、泣かず飛ばずの時代が続いた。彼のプロレスが一変したのは、アメリカ修行中だった。顔にカブキのペイントを塗り、口から毒霧を吐き空手をたくみに使う謎のプロレスラーザ・グレート・カブキへと大変身する。 ニックネームは東洋の神秘。
カール・ゴッチ
1924年、ドイツで生まれたカール・ゴッチは、イギリスの名門ジム蛇の穴で修行を積み、1955年にヨーロッパデビュー。その後アメリカに進出し、ショー要素が強いアメリカのプロレスに苦しみながらも徹底して正統派を貫いた。 芸術的テクニックからプロレスの神様と呼ばれ、アントニオ猪木などの若いプロレスラーたちに大きな影響を与えた。
ブルーザー・ブロディ
アメリカンフットボール選手や、新聞記者をしていたという変わった経歴の持ち主。スタン・ハンセンとのタッグは破壊力抜群で大人気となる。初来日は1979年。鎖を振り回して入場する姿に観客も震え上がった。怪力自慢の悪役だったが、正統派ドリー・ファンク・ジュニアからタイトルを奪った時期もある。 ニックネームは超獣。
ハルク・ホーガン
元ロックバンドのミュージシャン。あまりの巨体と怪力に目をつけたのが、往年の名悪役プロレスラーフレッド・ブラッシーだった。アメリカのプロレスの殿堂マジソン・スクウェア・ガーデンで人気を博し、1980年に初来日。アントニオ猪木と死闘を繰り広げた。 悪役も善玉もこなし、日本では「一番!」の掛け声が流行するほど大人気のプロレスラーとなった。ニックネームは超人。
リック・フレアー
キザな振る舞いが売りのプロレスラー。デビュー当時は荒いだけで地味だったが、金髪に染めてイメージチェンジを図ってからショー要素の強いプロレスで人気者となる。ニックネームは狂乱の貴公子。足が短いことがコンプレックスだったが、それをいかした4の字固めが得意。 1981年には、アメリカン・ドリームことダスティ・ローデスを破りチャンピオンになった。
ザ・シーク
まったく売れなかった時代のアブドーラ・ザ・ブッチャーに可能性を見出し、タッグを組んだ悪役プロレスラー。だが、プロモーターでもあったザ・シークは、アブドーラ・ザ・ブッチャーの実力をねたみ、試合ができなくなるように妨害した。
フリッツ・フォン・エリック
テキサスの鉄のツメと呼ばれる人気プロレスラー。1971年のアブドーラ・ザ・ブッチャーとの死闘は、同年の記者投票によるベストバウトに選ばれた。
ジャンボ鶴田 (じゃんぼつるた)
ジャンアント馬場率いる全日本プロレスのエース。アメリカ修行時代は、ザ・ファンクスのジムでスタン・ハンセンと同期で、ともに汗を流して練習に励んだ。
ルー・テーズ
プロレス史上最強といわれ、鉄人のニックネームを持つ。936連勝は破られることのない大記録。スタン・ハンセンらが若い頃の試合ではレフェリーも務めている。
エル・サント
メキシコプロレス界の伝説的覆面プロレスラー。少年時代のミル・マスカラスは、エル・サントの試合を見てプロレスラーを志した。
ザ・デストロイヤー
必殺技4の字固めでジャイアント馬場を苦しめ白覆面の魔王と呼ばれた。同じ覆面プロレスラーとしてミル・マスカラスに激しい対抗心を燃やした。
ドス・カラス
ミル・マスカラスの弟。最初は兄の七光りなどといわれたが、ミル・マスカラスとの兄弟タッグで人気を博す。その空中殺法はミル・マスカラスをもしのぎ、飛鳥仮面の異名を持つ。
バーン・ガニア
アンドレ・ザ・ジャイアントを見出し、育てた。本格的なプロレス技術を持ち、荒っぽいながら正統派プロレスラーとして名を馳せ帝王とも呼ばれた。自分の持つ技術をアンドレ・ザ・ジャイアントに伝授する。
力山道
戦後、日本の復興時代に外人プロレスラーをなぎ倒し国民的ヒーローとなったプロレスラー。プロモーターとしても優れ、日本のプロレス界を隆盛に導いた。1963年、暴漢に刺され死去した。
佐山 サトル
タイガーマスクの正体と目されるプロレスラー。かつて異種格闘技戦に出場し惨敗。その後、世界各地で修行を重ねながら空手技を会得。まさにタイガーマスクに当てはまるといわれ、マスコミに追われた。
ダイナマイト・キッド
タイガーマスクをライバル視するイギリスのプロレスラー。ラフファイトも多いが、しっかりとしたレスリング技術を持った正統派プロレスラー。ニックネームは爆弾小僧。
テラー・ロッカ
恐怖のイナズマ男として恐れられた、イギリスのプロレスラー。修行時代の佐山サトルと対戦したが、力、技いずれにおいても桁違いで、佐山サトルに圧勝している。
ブラックタイガー
タイガーマスクを執拗につけ狙う、謎の覆面プロレスラー。テクニシャンでありながらも荒っぽい試合スタイルから、正体は、かつて佐山サトルが勝てなかったテラー・ロッカと思われていた。ニックネームは暗闇の虎。
ウルトラマン
メキシコのマット界が、タイガーマスクに差し向けた刺客。誰もが知る特撮ヒーロー・ウルトラマンという奇抜な出で立ちだが、メキシコ仕込みの正統派テクニシャン。