概要・あらすじ
昭和26年9月。力道山光浩は、銀座のクラブで一人の男と取っ組み合いの喧嘩になる。元関脇である力道山と互角の勝負をした男の名はハロルド坂田。プロレスラーだという。2人はすっかり意気投合し、坂田は力道山を駐日米軍基地内のトレーニングジムに招待する。そこには、慈善基金興行に出場する外国のプロレスラーたちがいた。
腕試しにリングに上がった力道山だったが、元世界チャンピオン、ボビー・ブランズにコブラツイストをきめられ完敗する。プロレスの凄さを知った力道山は、レスラーになることを決意。海外修行を経て、やがて本格的なプロレス興行を日本に根付かせる。
登場人物・キャラクター
力道山 光浩 (りきどうざん みつひろ)
元大相撲の関脇。親方との不仲などで廃業。銀座のクラブで、日系プロレスラーであるハロルド坂田との喧嘩がきっかけで、プロレスと出会う。海外でプロレス修行の後、帰国後は日本で本格的なプロレス興行を行い、一大プロレスブームを巻き起こす。また、後の「日本プロレス」のエースであるジャイアント馬場、アントニオ猪木などの後進を育てる。 必殺技はカラテ・チョップ。同名の実在人物がモデル。
アントニオ猪木 (あんとにおいのき)
14歳の時に、家族でブラジルへ移住。サンパウロ市の裏通りで、5人の不良相手に見事な立ち回りを演じ、ブラジル遠征中の力道山にスカウトされる。砲丸投げ、円盤投げのジュニア部門でブラジル新記録を持つ。力道山の付き人をつとめた後、海外へ武者修行へ。ライバルであるジャイアント馬場と同等の人気を得る。 力道山の死後、豊登に誘われ、「東京プロレスリング」を設立するが、ほどなく日本プロレスリングに復帰。ジャイアント馬場とタッグチームを組み、無敵の「B・Iコンビ」として活躍する。後に「新日本プロレスリング」を設立。ストロングスタイルを貫き、やがて異種格闘技路線へと舵を切る。 必殺技はコブラツイストや卍固めなど。同名の実在人物がモデル。
ジャイアント馬場 (じゃいあんとばば)
2mを超える巨人レスラー。読売巨人軍、大洋ホエールズの元投手。風呂場で転んで肘を怪我してしまい、プロレスラーへの道を決意。力道山の門戸を叩く。しばらく後、海外へ武者修行に出かけ、「人間発電所」の異名を持つ、ブルーノ・サンマルチノをはじめとする強敵たちとしのぎを削り成長する。 力道山の死後は、日本プロレスリングのエースとなる。後に「全日本プロレスリング」を設立。必殺技は16文キック、32文ミサイル・キックなど。同名の実在人物がモデル。
長州 力 (ちょうしゅう りき)
本名は吉田光雄。専修大学時代、アマレスで全日本を制し、ミュンヘン・オリンピックの代表選手でもあった。アマレスの実績を引っ提げて、昭和48年に「新日本プロレス」に入団。強いが、地味な試合運びでパッとしないため、プロレスの勉強をしに海外へ行かされる。帰国後は、自分とは対照的に華やかな藤波辰巳をライバル視するようになる。 ある日の6人タッグマッチで長州の不満が爆発。試合後、「俺はお前の咬ませ犬じゃない」と発言して、藤波に宣戦布告。藤波を相手に幾度となく名勝負を繰り広げる。のちに「新日本プロレスリング」を脱退し、「ジャパン・プロレス」を設立。 必殺技はサソリ固め、リキ・ラリアットなど。同名の実在人物がモデル。
タイガーマスク
アニメや漫画の「タイガーマスク」をモチーフに、ある日突然プロレス界にデビューした覆面レスラー。アクロバティックな技の数々は「四次元殺法」と呼ばれ、昭和56年4月23日のデビュー戦後、あっという間に人気者となり、第3次プロレスブームの火付け役となった。その正体は佐山サトル。 レスラーとしては小柄ながら、アントニオ猪木に憧れて「新日本プロレスリング」に入門。ある日、マーシャル・アーツの世界ライト級チャンピオン、フランキー・コステロと異種格闘技戦を戦い、惨敗する。以来スランプに陥り、半年後にメキシコに武者修行の旅へ。メキシカン・スタイルをマスターしたうえ、カール・ゴッチにも教えを乞い、関節技もマスターする。 必殺技はローリング・ソバットやタイガー・ドライバーなど。同名の実在人物がモデル。
ルー・テーズ
「鉄人」の異名を持つプロレスラーで、王者の中の王者。力道山の生涯の目標となる。必殺技はパイル・ドライバーやバックドロップ。同名の実在人物がモデル。
大山 倍達 (おおやま ますたつ)
実戦空手の雄で超人的な強さを持つ。全米各地を転戦中に力道山に出会い、カラテ・チョップのコツを教える。同名の実在人物がモデル。
木村 政彦 (きむら まさひこ)
柔道日本一の実力者。日本でのプロレス初興行では、力道山とタッグを組んで、シャープ兄弟と戦う。のちに、独自に「国際プロレス」を設立。力道山と対立し、「プロレス巌流島の決闘」と呼ばれた勝負を行う。同名の実在人物がモデル。
ドリー・ファンク・ジュニア
第46代NWA世界ヘビー級チャンピオンで、当時最強と謳われたプロレスラー。来日して、アントニオ猪木、ジャイアント馬場と名勝負を繰り広げる。必殺技はステップオーバー・トーホールド。同名の実在人物がモデル。
カール・ゴッチ
「プロレスの神様」と呼ばれるプロレスラー。アントニオ猪木が立ち上げた「新日本プロレスリング」に協力して、外国人レスラーを招聘する。また、旗揚げ試合で、猪木とメインイベントを闘う。必殺技はジャーマン・スープレックス・ホールド。同名の実在人物がモデル。
ウイリエム・ルスカ
ミュンヘン・オリンピック柔道無差別級金メダリスト。「赤鬼」の異名を持つ、オランダの柔道家。昭和51年2月6日、アントニオ猪木初の異種格闘技戦の相手。同名の実在人物がモデル。
モハメッド・アリ
不世出の天才ヘビー級ボクサー。華麗なフットワークが武器。昭和51年6月26日、アントニオ猪木と異種格闘技戦を戦う。同名の実在人物がモデル。
ウイリー・ウイリアムス
極真会館ニューヨーク支部師範代。素手で熊を倒したことから「熊殺し」の異名を持つ黒人空手家。昭和55年2月27日、アントニオ猪木と異種格闘技戦を戦う。同名の実在人物がモデル。
ブラック・タイガー
『風雲プロレス30年』「第5話 二人のタイガーマスク」の登場人物、タイガーマスク最強のライバルと言われる覆面レスラー。黒い虎のマスクを被る。タイガーマスク同様、関節技と空中殺法を使いこなす。同名の実在プロレスラーがモデル。