ゲキカワ デビル

ゲキカワ デビル

おしゃれを愛する中学生の藤美マイが、周辺の女子を次々とかわいらしく変身させていく一方で、微妙な関係の男子、カイとの距離を縮めるため奮闘する姿をコミカルに描いたラブコメディ。ストーリーの途中には、「スタイルをよく見せる姿勢」や「髪や爪の手入れ方法」といった実践的な美容アドバイスも盛り込まれている。「ちゃお」2016年4月号から連載の作品。

正式名称
ゲキカワ デビル
ふりがな
げきかわ でびる
作者
ジャンル
ラブコメ
レーベル
ちゃおコミックス(小学館)
巻数
既刊9巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

中学校に入学した藤美マイは、羅美愛からぽっちゃり体型をからかわれている莉々夢と遭遇。マイは莉々夢の姿勢の悪さを指摘し、二人の仲が険悪になるが、そこにカイが登場した事でその場は収まり、マイと莉々夢は友達になる。その後、マイは莉々夢にかわいくなるための指導を熱心に行うが、マイみたいにかわいくなれないと、莉々夢は卑屈になってしまう。(第1話)

莉々夢はカイに告白をする事を決意する。マイは複雑な感情を抱きつつも、かわいい服をいっしょに選ぶ事にする。そこでマイは莉々夢がぽっちゃり体型ではなく、胸が大きいから太って見えるだけだと気づき、莉々夢にぴったりの服をコーディネートする。そしてマイの選んだ服を着た莉々夢は、カイに告白をするのだった。(第2話)

莉々夢は、サッカー部に所属する謎のイケメンが気になり、マイを連れて練習を見学に来ていた。するとそこにいたのは男子ではなく、マイの女友達、ハルだった。ショックを受ける莉々夢だったが、ハルも同じサッカー部の男子に恋をしている事を知る。しかしボーイッシュで、男らしい発言ばかりしている自分は、異性として見てもらえていないだろうと、ハルは告白する勇気を持てずにいた。そこでマイは奮起し、ハルを女の子らしく改造する計画を立てる。(第3話)

カイの母からカチューシャをもらったマイは、早速身につけて通学する。すると末次紫苑から校則違反だと指摘されて担任に取り上げられ、返却の条件として、野外学習の係を紫苑といっしょにやるように命じられる。マイは紫苑におしゃれの楽しさを教えようとするが、なかなかうまく伝わらない。なぜそこまでおしゃれを毛嫌いするのか疑問に思って紫苑に尋ねたところ、仲がよかった実姉が高等学校に進学し、彼氏ができた事でおしゃれに目覚めたせいで、寂しい思いをした事実を知る。マイは紫苑にそれは焼きもちだと指摘し、紫苑を誘って花火大会に行く計画を立てる。(第4話~第5話)

マイ、莉々夢、紫苑、ハルは、カイやクラスの男子も誘い、紫苑の父親が所持する鎌倉の別荘に行く事になった。マイは、体型をカバーしつつ、かわいらしく見える水着をみんなにアドバイスするが、肝心の自分は、カイの目線を気にしてなかなか決まらない。そんな中、鎌倉に着いた一行は海を楽しんでいたが、マイから背中のにきびを指摘された莉々夢は落ち込んでしまう。(第6話)

第2巻

藤美マイらが所属するクラスに漆原比呂紀が転校して来る。実は比呂紀は以前、地味だったマイを「ジミマイ」とからかっており、マイにとっては二度と会いたくない人物だった。そんな中、学校祭が行われる事となり、マイはクラス委員長の末次紫苑の補佐となる。マイとしてはメイド喫茶をクラスの出し物にしたかったが、迷路やお化け屋敷といった意見も出て、なかなかまとまらない。そんな中、カイがすべてやればいいと大胆な提案をする。途中で予算不足の問題も発生するが、マイの機転もあって無事クラスの出し物は完成し、大盛況となる。一方、比呂紀は以前よりかわいくなったマイに告白をするが、カイは比呂紀が見た目しか評価していないと指摘。比呂紀自身も見た目がかわいくない女とは付き合いたくないと発言した事で、カイと比呂紀は喧嘩になる。(第7話~第8話)

マイとカイは初めて二人で映画に行き、いい雰囲気になる。そのまま原宿に買い物に行ったところ、偶然入ったファッションブランド「LUCY」の店舗で、コーディネートに迷っていた客に遭遇する。そこでマイは見事に客の要望を汲み取り、全身コーディネートした服に客は大満足する。その様子を見ていた比呂紀は、マイを「LUCY」のファッションコーディネーターとして働かないかとスカウト。実は「LUCY」は比呂紀の両親が経営した店だった。マイはコーディネートの楽しさに魅力を感じながらも、カイの母が「LUCY」のライバルブランドでもある「AMMY」のデザイナーという事もあり、その依頼を断る。しかしカイはマイが本当は「LUCY」で働きたい事を見抜き、「自分の母親とライバルになれると思っているのか」と冷たく突き放す。カイと冷戦状態が続く中、新年を迎えたマイは莉々夢末次紫苑ハルと福袋を購入する。さらに「LUCY」に足を運んだマイは、同じく福袋の中身で個人に合うコーディネートを提案し、「LUCY」の顧客を大いに喜ばせるのだった。そしてマイは比呂紀に、「LUCY」のファッションコーディネーターをやってみたいと本音を打ち明ける。(第9話~第10話)

マイの通う中学校では、マイがカイと比呂紀の二人から迫られていると噂になっていた。莉々夢が誘導尋問を仕掛けると、マイはついにカイが好きだと白状する。そしてマイは莉々夢から、羅美愛がバレンタインデーにカイに告白をするのではないかと噂になっている事実を知る。しかしバレンタインデーの日、羅美愛が告白したのは比呂紀で、比呂紀は羅美愛の告白に対して酷い言葉を返す。その場面を偶然目撃したマイは激怒し、その場から羅美愛を連れ出す。マイはカイが好きなのかと、羅美愛が質問した事をカイに聞かれてしまい、マイは自分の気持ちが伝わってしまったのではないかと動揺する。(第11話)

第3巻

藤美マイカイにバレンタインデーにチョコレートを渡し、好きと言う気持ちを伝える。しかし肝心の答えを聞けなかったマイだったが、その日の夜にカイがマイの部屋を訪ねて来る。そしてマイの誕生日プレゼントとして、マイが昔着ていた服を使ったハンドメイドのカーテンを渡し、自分もマイが好きだと告白。マイとカイは晴れて付き合う事となった。しかし、いつしかマイに対して本物の恋愛感情を抱いていた漆原比呂紀は、二人の関係を引き裂こうと画策していた。(第12話~第13話)

マイとカイの交際はスタートしたものの、二人の関係はなかなか進展しない。そんな中、比呂紀はマイに積極的にアプローチを開始。マイの誕生日に、カイがマイが昔着ていた服でハンドメイドのカーテンを贈ったと事を知った比呂紀は、ファッションブランド「LUCY」の服を100着プレゼントする。しかしマイは改めて比呂紀の告白を断り、手元には100着の服だけが残ってしまう。もったいないと感じたマイはカイと協力して、莉々夢末次紫苑ハル達に似合う服にリメイクする。(第14話)

中学2年生に進級したマイはカイ、莉々夢、紫苑など仲のいいメンバーと再びいっしょのクラスになる。そして比呂紀も同じクラスになるが、以前のようにマイにアプローチをしてくる事はなかった。そしてマイは「LUCY」の服をリメイクした事で、自分が求めているブランドは「LUCY」ではないとわかり、ファッションコーディネーターをやめさせてほしいと比呂紀に申し出る。そんなまっすぐな気持ちのマイに対し、比呂紀は自分が入り込む隙間はないと、静かに身を引く事を決意する。(第15話)

マイはカイからの勧めもあり、リメイクした服をネットのハンドメイドフリマサイトで販売する事にした。すると大きな反響があり、マイはサイト内で注目のデザイナー1位の座を獲得する。サイト主催のリアル出店イベントに招待されると、マイのコーディネートセンスもあり、午前中に見事完売。マイとカイはインタビューを受けるために別室に移動すると、そこではらいむが撮影中で、カイを見つけたらいむは突然カイに抱きついてくる。(第16話)

第4巻

カイの母がデザイナーを務めるファッションブランド「AMMY」のロケのため、高原のホテルに行く事になり、藤美マイカイも同行する。そこにはモデルのらいむも参加しており、マイに対して敵対心を剝き出しにする。着てほしいと出された服に対して文句を言うらいむに対し、マイはなぜらいむがその服を提供されたのかの理由を説明する。さらにらいむの魅力がより表現できるようにコーディネートを提案。恋のライバルにもかかわらず協力的なマイに対して、らいむは次第に心を開いていく。(第17話~第18話)

マイとカイの交際は、1回キスしただけの関係が続いていた。もっと恋人らしい事がしたいと悩むマイだったが、今月カイの誕生日だった事に気づく。カイも誕生日プレゼントとしてマイとの思い出がほしいとリクエストし、二人はデートに行く事になる。しかしデートの当日は大雨が降ったり、選んだ映画がつまらなかったりと、散々な日となってしまう。(第19話)

ファッションブランド「AMMY」のモデルは中学2年生までと決まっており、らいむは卒業する事となる。らいむは人気モデルでありながら、ショーモデルとしては身長が低く、スチールモデルでは埋もれてしまう事から、モデルを引退する事を決意する。そんならいむに対してマイは、自身が作った服のモデルになってくれないかと依頼する。(第20話)

マイが手掛けた服とまったく同じデザインの服が、ファッションブランド「LUCY」で販売されていると聞き、マイはトレースされたのではないかと漆原比呂紀に直訴する。しかし、のちにそれは偶然の一致だった事が判明する。比呂紀を疑ってしまった事で自己嫌悪に陥るマイに対し、莉々夢はカイの家でのホームパーティーを企画する。そこにゲストとして呼ばれた比呂紀はマイに対し、正式にブランドを立ち上げないかと持ち掛ける。(第21話)

登場人物・キャラクター

藤美 マイ (ふじみ まい)

中学1年生の女子。年齢は12歳。両親は離婚し、母親と二人暮らし。「ゲキカワ(劇的にカワイイの略)」「ガチオワ(ガチでオワってるの略)」など4文字言葉に略す癖を持つ。また、言葉を発する際には、背中からトランプ柄のモチーフを先端に付けたステッキを取り出し、相手に突きつける。カイとは小学校4年生から同じマンションに住んでおり、マイの母親とカイの両親も仕事で帰りが遅いため、カイの家で夕食を作っていっしょに食べる事が多い。 そのため、料理上手でもある。自分自身はもちろん、女子を最大限にかわいらしく見せる方法を多く知っており、見た目で悩んでいる女子や、他人を見た目で攻撃する女子には知識を披露する事がある。ぽっちゃり体型でいじめられていた莉々夢の姿勢を改め、さらに末次紫苑もおしゃれに目覚めさせ、同じクラスだった縁もあり、二人とは親友になる。 現在は明るく自信たっぷりな性格の持ち主だが、以前は暗い性格で、漆原比呂紀からは「ジミマイ」と呼ばれて、からかわれていた。しかし、デザイナーのカイの母から服をもらい、それに合った女子になろうと努力し、明るくかわいらしい女子に変身した。 カイを独占したいという気持ちが、いつの間にか恋心と変わっていった。

カイ

中学1年生の男子。年齢は12歳。藤美マイとは同じ小学校出身で同じクラス。さらに小学校4年生から同じマンションに住んでいる。カイの両親、そしてマイの母親も仕事で帰りが遅く、カイの家でマイが作った食事をいっしょに食べるなど、家族ぐるみの付き合いをしている。おしゃれなものが好きで、小学校時代から「ハイカラ王子」と呼ばれていた。 また、デザイナーの母親の影響もあり、手芸も得意。そのため、好みのアイテムを目にすると、空気を読まずに突っ走ってしまう傾向がある。整った顔立ちとクールな見た目に反して、優しく思いやりのある性格の持ち主。そのため、女子達からの人気は非常に高く、莉々夢もすぐに好きになってしまったほど。ただし恋愛感情にうとく、告白をされてもすべて断っているため、彼女ができた事はない。 マイに対しては明確な恋心は抱いていないが、莉々夢からマイはどんな存在かと聞かれた際には、「全力で守りたい相手」と答えている。ペットは小学校6年生から飼育しているチンアナゴ。

莉々夢 (りりむ)

中学1年生の女子。年齢は12歳。藤美マイ、末次紫苑とは同じクラスで親友。中学校に入学して早々、攻撃的な女子からぽっちゃりした体型を指摘され、いじめられていた。そこを偶然通りかかったマイとカイに助けられ、以降マイとは親友になり、カイには好意を抱く。ぽっちゃり体型といっても胸が大きいだけで、姿勢を正せば普通に見えるスタイルの持ち主。 実際にマイや紫苑、ハルもぽっちゃり体型だとは思っておらず、マイからはとにかく姿勢を意識するように指導されている。以前はおとなしく、自己主張が苦手な性格だったが、マイからかわいい見せ方を指南されるうちに自信がつき、自分の意見を口にできるようになった。カイに告白をしてふられてから、すぐに好きな人ができるなど、惚れっぽい一面も持っている。

末次 紫苑 (すえつぐ しおん)

中学1年生の女子。年齢は12歳。藤美マイ、莉々夢とは同じクラスで親友。クラス委員長を務めており、マイとなかよくなる前は、まじめでしゃれっ気がなかった。高校生になって彼氏ができて急に派手になった姉の影響もあり、おしゃれを毛嫌いしていた。そのためおしゃればかり考えているマイや羅美愛を内心見下していたが、マイの再三にわたってのアプローチもあり、おしゃれに目覚める。 以降、マイと莉々夢とは親友になった。父親が鎌倉に別荘を持っているなど、裕福な家庭で育っている。

羅美愛 (らみあ)

中学1年生の女子。年齢は12歳。藤美マイと莉々夢、末次紫苑と同じクラス。非常にいじわるな性格をしており、入学早々ぽっちゃり体型の莉々夢をからかっていた。また大声で莉々夢の悪口を言うなど素行が悪い。一見大人っぽい派手な容姿で、おしゃれにもこだわりがある。しかし、姿勢の悪さを藤美マイから指摘され、以降マイに対して張り合う場面が多い。 マイ、莉々夢、紫苑の三人に対しても「地味子グループ」と評して見下していた。漆原比呂紀に告白をした際、マイが味方してくれた事で、マイや莉々夢に対して友好的な一面を見せるようになった。

ハル

中学1年生の女子。年齢は12歳。藤美マイ、莉々夢、末次紫苑と同じクラス。一見男子にしか見えないボーイッシュなスタイルの持ち主で、サッカー部に所属している。莉々夢からは男子と間違われ、「謎のイケメン」として好意を持たれていた。マイとは小学校時代からの友達で、恋愛に興味がないと思われていたものの、実は同じサッカー部の男子に恋をしている。 しかし女らしさを出して無視されるのが怖く、男友達と同等の関係から抜け出せずにいた。マイのアドバイスを受けてファッションなどを変えてみたところ、相手から異性として意識してもらえるようになった。

漆原 比呂紀 (うるしばら ひろき)

中学1年生の男子。年齢は12歳。藤美マイらのクラスに転校して来た。明るく人懐っこい性格の持ち主で、マイからは「チャラい」と評されている。見た目が整っている事もあり、カイほどではないが、女子生徒達からの人気が高い。マイ、カイと同じ小学校に通っており、マイの「ジミマイ」というあだ名も漆原比呂紀が付けたもの。 そのため、マイにとっては会いたくない人物だった。中学生になってからかわいくなったマイに告白するが、見た目しか重視していない事をカイに見抜かれ、邪魔されて付き合えずに終わる。その後は本気で恋をするが、カイに夢中なマイの心に入り込む事ができず、静かに身を引いた。マイ、カイからは「ロキ」と呼ばれている。両親は「LUCY」というティーン向けのファッションブランドを手掛ける会社を経営している。

らいむ

中学2年生の美少女人気モデル。カイの母がデザイナーを務めるファッションブランド「AMMY」の専属イメージモデルを務め、藤美マイのあこがれの存在でもある。カイの母とのつながりでカイと何度か顔を合わせた事があり、彼の事を気に入っている。そのため、カイから彼女として紹介されたマイに敵対心を剝き出しにしていた。 「AMMY」の専属イメージモデルは中学2年生までと決められている事や、ショーモデルとしては微妙に身長が低く、スチールモデルとしては埋もれてしまう現実に、もともと引退を決意していた。しかしマイからのスカウトを受け、彼女がリメイクした服のイメージモデルとして活動する事となった。

カイの母 (かいのはは)

カイの母親。ティーン向けのファッションブランド「AMMY」に勤務しているデザイナー。夜遅くまで働いており、藤美マイにカイの食事を作ってもらうなど頼っている。その縁から、新作やサンプルなどをたびたび持ち帰り、マイにプレゼントしている。カイの母にもらった服に見合う女性になろうと、マイがおしゃれに目覚めた経緯があり、マイがかわいくなるきっかけを作った人物でもある。

その他キーワード

LUCY (るーしー)

漆原比呂紀の両親が経営するティーン向けファッションブランド。原宿に路面店を出店しているほどの人気を誇る。カイの母がデザイナーを務めるブランド「AMMY」とはライバル関係にある。比呂紀にスカウトされた藤美マイを、ファッションコーディネーターとして採用したが、のちにマイは自分が求めているブランドは「LUCY」ではないと気づき、離脱した。

AMMY (あーみー)

カイの母がデザイナーを務めるティーン向けファッションブランド。藤美マイが好んで着ているブランドでもある。らいむは専属イメージモデルで、一番の人気を誇っていた。ブランドのターゲット層との兼ね合いがあり、中学2年生で専属イメージモデルは卒業となる。ファッションブランド「LUCY」とはライバル関係にある。

書誌情報

ゲキカワ デビル 9巻 小学館〈ちゃおコミックス〉

第1巻

(2016-09-30発行、 978-4091388049)

第2巻

(2017-03-31発行、 978-4091391957)

第3巻

(2017-09-29発行、 978-4091395870)

第4巻

(2018-03-30発行、 978-4098700523)

第5巻

(2018-08-01発行、 978-4098701957)

第6巻

(2019-01-30発行、 978-4098703265)

第7巻

(2019-07-01発行、 978-4098705825)

第8巻

(2019-12-26発行、 978-4098707300)

第9巻

(2020-04-30発行、 978-4098710324)

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