世界観
「ドブスなまいるが挑戦★恋の冒険」がコンセプト。自分に自信のない木下まいるが、恋愛という未知の世界に対し「どんな味がするのか、どんな気持ちになるのか、私は泣くのか、笑うのか」を確かめるため、さまざまな男性と知り合いながら成長していく。その過程で自分自身も磨かれていく様子が描かれ、特に彼女のファッションについては「マイルノビッチのおしゃれ番長★ふわりちゃんがデザイン オリジナルシャツワンピ」の読者プレゼントなど、掲載誌内での連動企画も登場した。
あらすじ
2010年11月13日。極端に地味な容姿から「毒キノコ」と呼ばれ虐げられる木下まいるは、C組の池田まことに呼び出される。まいるの内面に魅力を感じ好きになったと語る彼に感動し、連絡先の交換に応じるまいるだが、踏み出した先にはなんと落とし穴。告白は、まいるを落とし穴にはめるための罠だったのだ。池田の真意を知ったまいるは「好きでブスに生まれたわけじゃない」と己の容姿を呪うが、そこに降ってきたのは学年一番のイケメンである熊田天佑からの「ある言葉」だった。こうしてまいるは、自分自身を変えるために奔走する。
メディアミックス
VOMIC(ボイスドラマ)版
VOMIC版はインターネットサイト「ボイスコミックステーション」で2012年に全4回に分けて公開され、主人公の木下まいる役を小清水亜美、熊田天佑役を杉田智和が演じた。
ファッションブランド「CECIL McBEE」とのコラボレーション
2012年6月、ファッションブランド「CECIL McBEE」とのコラボレーショングッズが発売された。ラインナップはブラウスとキュロットのセットで、ブラウスは3柄、キュロットは2色が用意された。『マイルノビッチ』35~38話にかけては、登場するキャラクターたちもこれらのアイテムを着用している。
アパレルショップ「SPINNS」とのコラボレーション
2014年8月、アパレルショップ「SPINNS」とのコラボレーショングッズが発売された。ラインナップは木下まいるのイラストがあしらわれたロングTシャツが2種類と、スカート、ポーチ、ワンピースの5種類。購入者にはノベルティとして、缶バッジがプレゼントされた。
実写ドラマ
登場人物・キャラクター
木下 まいる (きのした まいる)
愛谷学院に通う1年F組の生徒。キノコのように膨らんだ黒髪に地味なメガネという容姿から「毒キノコ」という不名誉なあだ名を付けられ、不当に扱われる日々を送っていた。友人も恋愛も諦め孤独な生活を送っていたが、熊田天佑の一言から大変身を果たし、未知の世界に身を投じるようになる。変身後は周囲が振り向くほどの美少女となるが、自己評価が極端に低く、謙遜しすぎる性格がトラブルを招くことも。
熊田 天佑 (くまだ てんゆう)
木下まいるに変わるきっかけを与えた人物。愛谷学院ミスター&ミスコンテストのミスター部門1位に輝いた学校一番のイケメンで、クラスは1年D組。まいるの容姿を気にせず声をかけたのを機に知り合いとなり、「好きでブスに生まれたわけじゃない」と嘆くまいるを一喝してからは、まいるにとって神様のような存在となる。失敗だらけのまいるを時に「愚か者」と罵りつつ、まるで父親のように親身に接するうち仲を深めていく。 実家は医者の家系だが、「コーポ彼岸花」という古びたアパートで一人暮らししており、生活は極貧下にある。不安になると爪を噛む癖がある。
香月 未来 (こうづき みらい)
木下まいるの幼なじみで、愛谷学院に通う1年A組の生徒。小学校1年の時、まいるの隣の家に引っ越してきたことがきっかけで親しくなり、以降10年にも及ぶ付き合いが続いている。中性的で繊細な雰囲気の美少年だが、やや毒舌家。家族の中で唯一方言が抜けず、出身地の関西弁で話す。中学校まではまいるととても仲が良く、現在もお互いの部屋の窓越しに会話するほどの関係だが、高校入学以降はなぜかまいるが一方的に嫌われている状態となっている。 恋愛について懐疑的で、恋愛中心に物事を考える人間を理解できずにいたが、ある事件がきっかけで考えを改めるようになる。趣味は映画鑑賞で、部屋はDVDだらけ。
香月 ふわり (こうづき ふわり)
木下まいるの幼なじみで香月未来の「兄」。一見文句なしの美女だが、実はニューハーフで、性転換手術費を稼ぐため日中は性別を偽ってアパレル販売員、日没後はゲイバーでアルバイトをしている26歳。ファッションやメイクが大好きで、お洒落に関心を持ったまいるを積極的にサポートする。普段は標準語で話すが、怒ると関西弁になる。 本名は「風人」。
松丸 綾乃 (まつまる あやの)
愛谷学院に通う1年B組の生徒。Perfumeのメンバーのっちに似ていると言われるほどの華やかな容姿を持つが、本人曰く「すっぴんは地味」なメイクの達人。中学時代からたゆまぬ努力を重ねた結果、現在の美貌を維持するようになった。合コンの件で木下まいると知り合い、初めは敵視していたが、その頑張りを目撃するうち、次第に認めるようになる。 恋愛に貪欲なたくましい姿から、熊田天佑からは「アマゾネス」と呼ばれている。
木下 あいる (きのした あいる)
木下まいるの兄で、清琳(せいりん)高校に通う18歳。高校では生徒会長を務め「あいる伯爵」とあだ名されるほどの存在として女生徒の人気を独占している。しかし妹のまいるには昔から当たりがきつく、食事の内容からテレビドラマの録画まで細かく命令する「暴君」として君臨している。足を悪くした父方の祖母の世話をするため、両親が福岡県に引っ越して以来、まいるとは2人暮らし。 一見非常に厳しいが、時にまいるを気遣う姿も見られる。
池田 まこと (いけだ まこと)
愛谷学院に通う1年C組の生徒。人目につかずとも真面目に清掃活動をしている木下まいるを見初め、告白して来るが、その言葉には裏があった。長めの髪を真ん中で分け、左目の下にほくろがあるのが特徴。シャツの裾は外に出して着る派。
山川 純 (やまかわ じゅん)
愛谷学院に通う1年A組の生徒。大変身した木下まいるを気に入り、香月未来づてにメールアドレスを聞いたことがきっかけで知り合う。小声で早口、にもかかわらず自信過剰な態度の不遜な人物。まいる曰く「成功した福笑いのような顔」をしている。
工藤 成太朗 (くどう なるたろう)
清琳高校に通う1年生。非常に背が高く、大きく口をあけて無邪気に笑う少年。合コンがきっかけで木下まいると知り合い、まいるの奇天烈な言動・行動に関心を持ち親しくなる。家は大家族で、2人の姉と1人の妹に加え、祖父母とも同居している。特に小学4年生の妹・樹里のことは自分のメールアドレスに名前を入れるほど溺愛しており、家族仲は非常に良い。 女性中心の兄弟関係にあったため、心優しく我慢強いが、反面嫉妬深い一面もある。
玉井 リカラ (たまい りから)
工藤成太朗の友人で、清琳高校に通う1年生。木下まいる曰く浜崎あゆみのような華やかな美人で、雑誌の読者モデルも務めるほどの存在。クールなファッションとつけまつげが似合う美少女で、目元口元にほくろがあるのが特徴。松丸綾乃とは中学校時代からの因縁があり、非常に仲が悪い。成太朗曰く、両親は元ヤンキー。
桧山 萌 (ひやま もえ)
工藤成太朗がアルバイト先のコンビニエンスストアで知り合う女性。木村カエラのようなおしゃれ上級者と木下まいるは評しているが、そのセンスの高さに反し腰が低く自虐的な性格。中高一貫の女子高に通っており、小学生の頃に異性とトラブルになったことから男性が苦手。生来の人見知りも手伝い、とにかく異性に免疫がないのを気にしている。 しかし、成太朗とだけは自然に話せることから、彼と親しくなっていく。
七瀬 雅樹 (ななせ まさき)
木下まいるがSNS「NOTE」で知り合った男性。建設会社に勤める25歳で、趣味は映画鑑賞とステーショナリー収集。SNS上で見かけたまいるのプロフィール文に惹かれ声をかけ、メールのやり取りを重ねた結果、やがて直接会う関係になる。スマートで大人な雰囲気がある一方、なぜか熊田天佑からの評判は芳しくなく、付き合いを反対されてしまう。 東京スカイツリーが見える立派な建物に住んでおり、「リプリー」という名前の猫を飼っている。
望月 冬 (もちづき ふゆ)
高校に通う傍ら、フォトグラファー鳥谷百々の助手を務める少年。おしゃれで垢ぬけた雰囲気の、木下まいる曰く「かっこかわいい」容姿をしており、本人も自分のルックスに強い自信を持っている。「自分より異性に人気があるから」という理由で、熊田天佑を一方的に敵視しており、基本的には天佑に関わる人物も嫌いだが、まいるには関心を持ち近づいてくる。 愛称は「ふーみん」で、まいるのことは「まいまい」と呼ぶ。好物は甘いもの。
鳥谷 百々 (とりたに もも)
望月冬が師事する人気フォトグラファー。フォトグラファーとしての才能著しく、有名テレビ番組でも取り上げられたことがあるほどの有名人。また、元モデルで、パリコレ出演経験もあるほどの実力者でもある。熊田天佑曰く「いたずら好きで、泣いているような表情で笑う」女性。意中の相手には全身全霊でぶつかる性格で、恋愛のテクニックを一切使わない潔さがある。
前原 (まえはら)
熊田天佑が師事するメイクアップアーティスト。長髪に髭を蓄えた男性で、三白眼と関西弁が特徴。天佑の才能を見込み、事務所を自由に使用させるほど信頼している。木下まいるとは面識があり、時に彼女に手伝いを頼むこともある。
福田 アレックス (ふくだ あれっくす)
香月ふわりがある場所で知り合う少年。ポーランド系フランス人の父親を持つハーフで、ふわり曰く「動くフランス人形」「リアル白馬に乗った王子様」。年上女性の心情を見抜くのが得意で、瞬く間に虜にしてしまうが、本人は1か所に定住できない「わた毛君」。人を心から愛した経験がないことを自覚しており、本当は自分自身すらうまく愛せていないのではと考えている。 ミヒャエルという7歳上の兄がいる。
比嘉 るるみ (ひが るるみ)
熊田天佑と仕事上の付き合いがある、「天使系」地下アイドル。自らの作品世界「るるみんワールド」をとても大切にしており、鳥谷百々のことは「自分の世界を表現できる唯一の写真家」として非常に頼りにしている。松丸綾乃のようなライバル候補には容赦ない反面、木下まいるのような関心のない人間の顔はすぐに忘れてしまう。
ミノワ
清琳高校に通う女生徒。恋愛に関心が薄く、学校一番の人気である木下あいるについても「そんなにいいか?」と考えていた。しかし、実際に彼と知り合い、変化しつつある自分の気持ちに戸惑っている。書道部に属しており、部室から庭を挟んで生徒会室が見えるため、あいるのことをよく観察していた。
秋山 (あきやま)
工藤成太朗の友人で、清琳高校に通う男子生徒。木下まいるとは成太朗や寺崎と共に合コンで知り合い、松丸綾乃を非常に気に入っている。容姿はそこそこだが、Vネックを好みアクセサリーを多く身につけるやたら派手な服装は、綾乃に酷評されている。玉井リカラとも仲がいい。
寺崎 (てらさき)
工藤成太朗の友人で、清琳高校に通う男子生徒。木下まいるとは成太朗や秋山と共に合コンで知り合い、カラオケを積極的に勧めてきた。糸目で顔が極端に四角いのが特徴。玉井リカラとも仲が良い。好きな女性ミュージシャンはYUI。
九 (きゅう)
望月冬の友人で、同じ高校に通う少年。垢ぬけた雰囲気の人懐っこい人物で、よくキャップを被っている。スケボーやバスケなど、スポーツが好き。いつも自由に遊んでいるようで冬のことをよく見ており、彼の関心が今木下まいるにあると見抜く。
ひろ乃 (ひろの)
福田アレックスが過去に関係した女性。恋人と別れて落ち込んでいた際に彼に声をかけられ、同棲生活を送った。職業は銀行員で、アレックス曰く「病的なさみしがり屋」。真ん中で分けた黒髪ロングヘアの生真面目な雰囲気の女性だが、独占欲が強く過激な行動に出やすい。