概要・あらすじ
文月弾輝は高校1年生。志望校である栄邦高校合格を目指していたが、受験に失敗。自宅から徒歩10分の県立玉縄高校に入学することになる。3年間の努力が無駄になったことで激しく落ち込む弾輝だったが、時間が経てば立ち直れると自分を励ましていた。弾輝のクラスは2組。中学の同級生の間宮羽琉と同じクラスである。担任は内藤という教師で、間宮によれば、問題のある先生だという。過去、ある高校の野球部の監督を務めており、そこで部員を死なせてしまったというのだ。そんな内藤先生は、玉縄高校でも野球部の顧問で、ホームルームのあと、クラス全員に野球部への入部を呼びかけた。先生が話した、スペインのことわざ「遅れてもやらないよりはマシ」という言葉に、弾輝は心を動かされる。放課後、「入学式の日に見かけた可愛い娘を探したい」という間宮に付き合い、運動場に行く弾輝。そこへ現れたのは同じく1年生で、野球部の板部岡雪江だった。間宮が探していたのは彼女だった。雪江に誘われた二人は、野球部を見学することになり、弾輝はフリーバッティングに挑んだ。初めてバットを持った弾輝は、まったくボールを捉えることができず、30分も空振りを続けた。それでも諦めようとしない姿勢に、野球部の笠原は、かんたんな指導を行う。「振り出す瞬間までバットの位置をキープする」「当てる瞬間までボールを見る」「全力で振る」この三つだけのアドバイスを守った弾輝は、次のスイングでやっとボールを打つことができる。驚くべきことに、その打球はどんどん伸びていき、レフトフェンス直撃の大飛球となった。「めちゃくちゃ気持ちいい」バッティングの快感を知った弾輝は、これをきっかけに野球部に入部。何もかも終わったと絶望していた弾輝は、ゼロからのスタートで甲子園を目指すことになるのだった。
登場人物・キャラクター
文月 弾輝 (ふみつき はずき)
高校1年生の男子。複数のアホ毛と黒ブチ眼鏡が特徴。性格は真っすぐで真面目。父は栄邦大学の教授であり、姉は同大学付属の栄邦高校に在学する。そういった家庭環境から、栄邦高校に進学することがすべてだと思い込み、中学3年間のすべてを受験勉強に費やす。栄邦高校受験に失敗し、県立玉縄高校に進学。夢が破れたことで落ち込むが、野球に出会い、甲子園出場という新たな夢を持つようになる。ひょろひょろで痩せているが身長は高い。じつは運動神経がよく、小学生の頃のスポーツテストで県記録をたくさん持っている。
間宮 羽琉 (まみや はる)
高校1年生の男子。「文月弾輝のクラスメートで、同じ中学出身でもある。小柄でくせ毛のお調子者。野球部マネージャーの板部岡雪江のことが好きで、野球部に入部する。
板部岡 雪江 (いたべおか ゆきえ)
高校1年生の女子。野球部員で、ショートカットが特徴。偶然知り合った文月弾輝を野球部の見学に誘う。左投げ左打ち。運動能力は高く、練習試合には出場して活躍する。
書誌情報
あの月に向かって打て! 6巻 小学館〈ビッグ コミックス〉
第1巻
(2020-05-29発行、 978-4098606146)
第2巻
(2020-07-30発行、 978-4098606764)
第3巻
(2020-11-30発行、 978-4098607662)
第4巻
(2021-02-26発行、 978-4098608546)
第5巻
(2021-05-28発行、 978-4098610464)
第6巻
(2021-07-30発行、 978-4098611102)