概要・あらすじ
創設直後で全員が一年生の緑山高校野球部は、「大阪見物」を目指して、夏の甲子園大会福島県予選に出場、豪腕投手二階堂定春の活躍で予選を勝ち進み、甲子園出場を決める。そして始まった甲子園大会、その一回戦で前年度優勝の強豪校宮島商業を見事打ち破った緑山高校は、超特大の台風の目となっていくのだった。
登場人物・キャラクター
二階堂 定春 (にかいどう さだはる)
緑山高校野球部の投手を務める。背番号1。高校一年生ながら身長198㎝、体重101㎏の恵まれた体格の持ち主で、200㎞近い剛速球を投げる超高校級の怪物である。ただし、気が乗らなくなると大事な場面であっても棒球を投げてしまうなど、ムラッ気の多さでピンチを招くことも多い。傲岸不遜で自己中心的な性格、しかも馬鹿であるため、チームメイトと喧嘩になることもしばしば。
犬島 雅美 (いぬじま まさみ)
緑山高校野球部のキャッチャーを務める。背番号2。二階堂の超剛球を受け切れる唯一の男で、何事も気合で乗り切ろうとする根性論者である。自分の能力を絶対視し精神論などどこ吹く風の二階堂とはとことん相性が悪く、バッテリーであるにも拘らず両者は犬猿の仲となっている。傲岸さでは二階堂に負けず劣らずで、やはりチームプレイとは無縁の人間である。
花岡 祐平 (はなおか ゆうへい)
緑山高校野球部のサードを務める。背番号5。ミーティング中にトイレに行っている間にキャプテンを押し付けられた(ちなみに花岡は4番バッターでもあるが、こちらはジャンケンで決まった)。チーム内では一番の常識人で、戦況を冷静に判断できる器の持ち主だが、二階堂や犬島の唯我独尊の態度には怒りを抑えきれないことも多い。 常識的な範囲内での野球センスは高く、試合の要所で活躍を見せる。
佐山 義雄 (さやま よしお)
緑山高校野球部のセンター。福島県予選の決勝で、逆転のきっかけとなるツーランホームランを放つが、ナインからは無視されるという理不尽な仕打ちを受ける。その後、しばらくは目立たなかったが、なぜか死球で出塁することが多くなり、出血と共に出番も増えた。彼に限らず、二階堂、犬島、花岡の3人を除く緑山高校ナインは、普通の人間であるせいなのか影が薄い。
渡辺 規彰 (わたなべ のりあき)
緑山高校野球部の監督。監督だが、試合中はほとんど出番が無く、寝ていることも多い中年男性。たまに采配を振るうと、2点差の9回裏1アウトで送りバントを指示するなど、野球に関しては素人同然である。しかし、なぜかそれなりにチームを掌握しているようで、癖の強い緑山高校ナインも彼の言葉には比較的素直に従っていた。
国枝 剛太 (くにえだ ごうた)
甲子園大会1回戦での対戦相手である宮島商業野球部のキャッチャー。4番バッターでもある。初打席で、気の抜けた二階堂から満塁ホームランを叩き出すものの、その後本気を出した二階堂により連続三振を喫する。当初は強豪校の4番バッターらしい堂々とした態度だったが、人間離れした二階堂の剛球と球児らしさの欠片もない緑山高校ナインの態度に怒りを募らせていく。
立石 (たていし)
甲子園大会1回戦での対戦相手である宮島商業野球部のエース。多彩な変化球を操り、超高校級投手との評判を得ていたが、二階堂にはバックスクリーン直撃の大ホームランを、犬島には当たり損ねとしか思えない打球をラッキーゾーンまで運ばれるなど、散々な目に合わされる。
岬田 (みさきだ)
甲子園大会準決勝での対戦相手である南国高校野球部のエース。150kmの球速でバッターの死角を通過するという魔球クロスファイヤーボールを決め球とする。緑山高校打撃陣を翻弄したが、試合中の無理がたたり右腕を壊し、再起不能となる。
海豊 (かいほう)
甲子園大会準決勝での対戦相手である南国高校野球部のキャッチャー。二階堂を上回る巨漢で、極太の特製バットを腕一本で振り回すという特異なバッティングスタイルを持つ。超本気を出した二階堂の剛球に腕を折られながらも、球そのものは弾き返し、さらに負傷後も片手で捕手を続けるなど、二階堂に匹敵する怪物ぶりを見せた。
佐輪知 遼司 (さわち りょうじ)
甲子園大会準決勝での対戦相手である南国高校野球部のセンター。超俊足の1番バッターで、四国予選から甲子園準々勝までの全試合で出塁率100%という冗談のような記録を誇っていた。二階堂との初対決では、いきなりの振り逃げで三塁まで進んでしまい緑山高校ナインを唖然とさせている。
集団・組織
緑山高校 (みどりやまこうこう)
『緑山高校』に登場する高校。福島県に今年開校したばかりの新設校。全員が一年生の野球部が甲子園出場を決めたことで、それなりに盛り上がっているが、二階堂や犬島の馬鹿さ加減が知れ渡っている上に、1回戦の相手が前大会の優勝校であるため、それ以上の結果を期待している者は多くない。また、本来は進学校を目指して設立された高校であるため、教頭などは野球部が全国に馬鹿をさらすことを苦々しく思っている。 なお、野球部の甲子園出場により出費がかさみ、プールの建設が先延ばしにされたらしい。
イベント・出来事
緑山高校野球部 (みどりやまこうこうやきゅうぶ)
『緑山高校』の主人公二階堂定春の所属部。新設校であるため全員が一年生で、監督もほぼ素人。部員たちにはチームワークの欠片もなく、打順はジャンケンで決めるなど、どう見ても甲子園に出場できるはずなどなかったが、怪物二階堂とその球を受けられる犬島の存在により、大会出場どころか決勝戦までの快進撃を果たす。福島県予選の段階から「意外性の緑山」と呼ばれていた。