概要・あらすじ
万年1回戦コールド負けの弱小チームである海空高校野球部だったが、ある日の練習中に強豪山沼高校が偵察に来たと勘違いする。山下たろーの情熱に感化されて猛練習に励み、試合に勝ち進むようになる。
登場人物・キャラクター
山下 たろー (やました たろー)
小柄で小さな目の男子。県立海空高校の野球部員でポジションはピッチャー。普段は右投左打だが、スイッチヒッター・スイッチピッチャーでもある。「史上最高の野球部員」となることが目標。極端に単純で不器用だが、並外れた根性と順応性により、試合中にも成長を続ける「発展途上人間」。 速球主体の真っ向勝負が基本だが、試合を重ねるにつれてチェンジアップ、フォークボール、サンライズボールなど球種が増えていく。のちに大速球1号、大速球2号を編み出す。打順は4番に座り、粘り抜く打撃が信条。小さな体躯にも関わらず、度々長打を放つ。
辰巳 (たつみ)
大柄な男子。県立海空高校の野球部員でポジションはサード。中学時代は投手だったが暴行事件を起こし、たろー(山下たろー)と出会うまで野球をやめていた。粗暴な性格で、よくたろーを張り倒している。打撃力・守備力ともに高いレベル。普段は恐ろしい形相であるが、集中力が高まると埴輪のように無表情になる。
熊田 猪一郎 (くまだ いいちろう)
大柄で瞳の見えない目の男子。県立海空高校の野球部員でポジションはレフト。怪力の持ち主で長打力があり、またチーム一の強肩。一方気弱で、手強い相手の前では震えてしまう。また非常に涙もろい。
新開 (しんかい)
眼鏡をかけた男子。県立海空高校の野球部員で補欠兼マネージャー。地区大会前に入部した。野球理論に精通したナインのブレーン。普段は解説役や助言役に徹しているが、自らもグラウンドに立つこともある。自他共に認める運動音痴だが、戦力としては他のナインに劣るものの、卓越した知識と根性でカバーし、随所で貢献している。
田中 (たなか)
目が小さく厚い唇の男子。県立海空高校の野球部員でポジションはキャッチャー。右投右打。普段家では農業を手伝っており、「根っからの農民」と呼ばれている。振り下ろすような独特のダウンスイング「農耕打法」が特徴。
吉行 (よしゆき)
顎の髭がのびた男子。県立海空高校の野球部員でポジションはショート。右投右打。真面目で要領が悪い。打撃成績は高くないが、打球の鋭さはチーム一。
須永 (すなが)
三白眼の男子。県立海空高校の野球部員でポジションはセカンド。右投左打。高校生ながら競馬・すごろく・麻雀・チンチロリンなど各種ギャンブルにより常に勘を研ぎ澄ましている通称「さすらいの賭博師」。勝負師としてのセンスは抜群。芸術的な打撃と守備を誇る。
大内山 (おおうちやま)
つり目で鼻筋の通った男子。県立海空高校の野球部員でポジションはセンター。右投右打。チーム一短気。かつてたろー(山下たろー)をバカにしていたが、やがて感化されて他のメンバーと同じく歯を食いしばって真剣に試合に臨むようになる。外野の守備に優れ、何度もホームラン性の打球をフェンス際で食い止めている。 また、打撃センスもある。
高倉 (たかくら)
太い眉毛の男子。県立海空高校の野球部員で主将。ポジションはファースト。右投右打。暴力恐怖症で辰巳を極度に恐れているが、次第にリーダーシップを発揮するようになった。
若月 (わかつき)
太った男子。県立海空高校の野球部員でポジションはライト。右投右打。肥満体型であるが俊足で通称「身の軽い肥満体」。足を活かして広い守備範囲を誇る。
大林 (おおばやし)
県立海空高校の野球部監督。野球を良く知らないが、時に的を得た作戦を指示する。
佐々木 (ささき)
山沼高校の野球部員で、ポジションはピッチャー。サードを守ることがある。山沼高校のエースで超高校級の実力を持ち、プロのスカウトが注目する選手。その上冷静沈着でチームの信頼も厚い。初対戦後は海空高校の実力を認め、ライバルとして静かに闘志を燃やしている。
棟方 (むなかた)
大潮商業の野球部員でポジションはピッチャー。超大物の選手と言われている。中学時代はたろー(山下たろー)の友人。1度は野球から離れたが、たろー(山下たろー)のひた向きな姿に感化されて復帰し、彼を「心の師」と呼ぶ。正確無比なコントロールと優れた分析力を駆使した、打たせて取るピッチングが基本。 また「安打製造機」の異名を持つ打撃技術を持っている。
吉田 (よしだ)
小柄な身体につながった眉毛が特徴の男子。県立江河原高校の野球部員でポジションはピッチャー。立ち上がりはコントロールが悪く四球・死球を連発するが、試合が進むにつれ別人のような剛速球を放つ。反射神経がよくバッティングではウエストボールにも飛びついて安打にすることもできる。 短気、傲慢、ひねくれ者な性格。後に県立海空高校へ転入する。