あまねあたためる

私立蓮城高校に通う主人公の温周は本人が気づかない形でしばしば人を救う不思議な子。そんなあまねが日常生活を満喫する中、周りの人間をときには巻き込み、ときには逆に振り回されつつも幸せにしていく様子を描く。なお、今作は作者である佐渡川準の自殺により、遺作となった。

正式名称
あまねあたためる
ふりがな
あまねあたためる
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
レーベル
少年チャンピオンコミックス(秋田書店)
巻数
全3巻完結
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概要・あらすじ

私立蓮城高校に通う2年のあまねこと温周は毎日のんびりと学校生活を満喫している。そんな彼女の周囲には、悩みのある人達が知らず知らずに集まってくる。そして彼女の持つ優しい雰囲気とむっちりしたお色気ボディにある者は心を救われ、ある者は力を得、そしてある者は自分の性癖に目覚めてゆく。

登場人物・キャラクター

温 周 (ぬくもり あまね)

私立蓮城高校に通う高校二年生の16歳。後髪を左右に分けたヘアスタイルと太めのまろ眉、ウサギの髪留めがトレードマーク。髪留めは一見するとキュートだが、宿っているのはマッチョなアニキみたいな男たち。木を登ることは得意だが、降りることができず、何度か木の上で立ち往生することもあった。性格はのんびりかつマイペースで、その無防備に近い温和さとむっちりとしてほのかにセクシーな体つきで、知らないうちに周りの人間を魅了する。 その一方、アクの強すぎる周囲の人物に対して、自分はあまりにも普通なのではないかという悩みも持っている。

温 保 (ぬくもり たもつ)

温周の弟である11歳の小学生。作中の人物としては比較的常識人のポジション。姉との仲は良好。あまねのことをあま姉と呼んでいる。ゲーム好きでクリーチャーハンターというモンスターを狩るソフトを始め、色々なゲームソフトを姉と一緒に遊んでいる。クラスメイトの女子、筑苗花には異性として好かれているが、保を強くしようと理不尽な特訓をさせる花のことは苦手としている。

温 与 (ぬくもり あたえ)

温周と温保の母親。夫はいるが、作中では姿を見せていない。美人かつグラマラスなスタイルで、性格はちょっと変わり者だが子供思いのいい母親。一度、娘の制服を着てみたが体のサイズが合わなくて脱げなくなり、そのままの姿でスーパーの特売に並んだこともあった。酒ぐせはあまり良いほうではなく、酔うと野球拳をしたがるなど娘に手を焼かせる一面もある。

銀 つらら (しろがね つらら)

温周が通う私立蓮城高校の生徒会副会長。栗毛の縦ロールな髪型と後頭部の大きなリボンが特徴的。成績優秀、品行方正で通っているが、それが枷になって購買でパンを買い逃すこともある。あまねとは購買の前でのメロンパン争奪戦で出会い、その際に見せたあまねの慈愛に満ちた笑みをつい美しいと思ってしまう。 それまで自分以外の人を美しいと思ったことがなかったため、つららのプライドが勝手にズタボロとなり、それ以降はずっとあまねをライバル視するようになった。動物ではヘビが好きで、校内にアルビノのインディゴヘビが迷い込んできたときは、自分で守ろうとしていた。ちなみに、腕力はかなりある方である。

神崎 拓人 (かんざき たくと)

温周が通う私立蓮城高校の生徒会会長。生徒に校則を順守させることをモットーとしている堅物だが、かなりの虚弱体質。迷い猫を拾って世話をしていたあまねと出会い、彼女のスキンシップを受けることで彼の心を鎖のように縛っていた生徒会長としての責任感が砕け散り、それ以降は話の分かる人物となっていった。 何度となくあまねの無意識なお色気に当てられているため、彼女のことを異性として強く意識してもいるようである。あまねからは拓人と呼ばれたいらしい。その一方、同じ生徒会の銀つららについては「残念な人物」という評価を下しているものの、生徒会内では尻に敷かれているようである。

土居 修峰 (どい しゅうほう)

温周が通う私立蓮城高校の陶芸部部長。全国規模の美術展に出す予定だった、焼く前の陶器の壺をあまねの尻で潰してしまうが、彼女の尻の跡を見てある種の性癖に目覚め、以降はあまねの裸婦像など彼女をモチーフとした作品を作るようになる。その出来映えは審査員をして「この作品を抱いて寝てぇ」と思わせるものがあり、審査員特別賞を受賞した。 もっとも、想像で作られたものとはいえ自分の全裸像を作られたあまねにとっては恥ずかしい以外の何物でもなく、像が造られると隙をみて壊そうとしている。校内でも奇人の部類に入っており、創作意欲を湧かせるためにグランドに首から上だけ残して埋まったこともある。のちに好みはさらに細分化され、あまねの太い眉やどんくさい雰囲気、銀つららの上品ぶった目つきは気に入らなくなったようである。 物語の後半ではつららに頼み込まれて彼女の像を作ったが、彼女の内面を反映させたそれは、やたらとマッシブな女戦士の像だった。

恩田 日射 (おんだ ひさし)

温周が通う私立蓮城高校の2-B組担任教師。脳内にベースボールキャップを被った男性の「斉藤」、眼鏡をかけた細身の男性の「佐藤」、姫カットでニットを着ている「伊藤」という脳内友人がおり、一人でカラオケや花見をしてもその脳内友人たちと心から楽しむことができる。その一方、現実ではコミュ障レベルの人見知りで友人は皆無。 花見ではあまねの母親に絡まれて、野球拳をさせられていた。

竹中 美穂 (たけなか みほ)

温周が通う私立蓮城高校の生徒であまねの親友。ボブカットとヘアバンドが特徴的。悪ノリが好きで、あまねが銀つららのライバルとして校内ミスコンに出されたときは、彼女のキャラクターアレンジを間違った方向で盛り上げていた。小中と無遅刻無欠席だったのが誇りで、親戚の法事が重なってどうしても学校を休まなくてはならなくなったときは、土居修峰に自分の身代わりの像を作らせてフットサルのゴールキーパーを務めさせていた。

岡本 康子 (おかもと やすこ)

温周が通う私立蓮城高校の生徒であまねの親友。髪型は三つ編みのおさげで丸眼鏡をかけている。大のブルース・リーのマニアで、ヌンチャク使いでもある。元々は引っ込み思案であまねや美穂たちくらいとしか話もできなかったが、ヌンチャクを手にすると性格が武闘派に一変。闘いで本気を出すと眼鏡を外す。 好物は野沢菜。

筑苗 花 (つくなえ はな)

温周の弟である保のクラスメイト。頭にはいつも冠を被っており、あまねからは花ちゃんと呼ばれている。足へのタックルと馬乗りからの扇子での殴打、「からくり按摩」(足で股間に刺激を与える、いわゆる電気按摩)が得意技。京都から転校してきたとき、ただ一人だけ話しかけてきてくれた保に一目ぼれした。 そして、「将来の旦那様には強くなってもらわないと」という理由で、保に対して理不尽なまでの特訓をさせている。お化けの類は怖いが、恐怖が頂点に達すると我を忘れて戦闘力がさらにアップする。

蘭堂 貴理子 (らんどう きりこ)

温周が通う私立蓮城高校の生徒。自称「祓魔師」「凶晴らしのキリ」でいつもお札や大麻(おおぬさ)を持っているが、神通力らしきものは皆無。実家が神社で父親が神主だが、自分に何も力がないことにコンプレックスを持っていて、誰かの役に立とうと空回りばかりしている。しかし、その実態はいわゆる陰陽師ものの漫画に強く影響されているだけ。 とはいえ、自身の体に墨で呪文を書くなど呪いへの熱意は本物で、これにはあまねたちも根負けしていた。

沖田と山内 (おきたとやまうち)

ファミレスやオープンカフェでいつも己の萌えについて暑苦しく語り合っている営業部のサラリーマン。やせぎすの方が沖田で、太った眼鏡が山内。偶然近くにいたあまねを素材に「ナース服とチャイナドレスのどちらがいいか」「高校野球のチアリーダーは春夏どちらがいいか」などを議論しあっていたが、結局はむっちりとしたあまねの色気に屈していた。 ちなみにチアリーダーについての討論では、営業先と決裂して上司に叱られるのが確定している山内のため、沖田がチアの服を着て応援するという一幕もあった。

昆野 (こんの)

温周が通う私立蓮城高校の生徒であまねの同級生。落語研究会に所属しているもののセリフを棒読みなのが欠点で、先輩には評価されずにいた。日直でクラスに残っていたあまねを客に見立てて落語の練習をしていたが、彼女がちっとも笑ってくれないことに対してついにブチ切れる。だが、そのことがきっかけでキレ芸落語家として文化祭で大人気となった。 その後、定期講演会でも檀上で落語をしていたが、チアガールの姿で応援するあまねたちに「うるさい」とキレていた。

横井 琴乃 (よこい ことの)

クリスマスに温周が街で出会った、やさぐれた洋菓子店アルバイトのお姉さん。移動ワゴンでクリスマスケーキを売っていたがちっとも売れず、通りすがりのあまねを強引にセクシーなクリスマスツリー少女に仕立て上げてケーキを完売させた。その後、ファミレスのウエイトレスに転職したが、あっさり退職。 目をつけていたウエイターが妻子持ちで居合わせづらかったらしい。

(おに)

節分のために街に現れたが本物だと信じてもらえず、豆もぶつけてもらえなかった。公園で落ち込んでいるときにあまねと出会い、彼女の家に転がり込む。鬼を見て真剣に怖がる保を気に入って豆をぶつけてもらうよう、やや変態気味に迫ったが、福の神に一喝されて家から追い出された。

伊奈 光 (いな ひかる)

元々は『ハンザスカイ』の登場人物だが、第33話『あまねどこにいる』で細野純哉とともにゲスト出演していた。温周が通う私立蓮城高校の生徒で3-B組所属。空手部に所属しており、その瞬発力で消えるように動き、相手を瞬殺することから殺人蜂の異名を持つ。細野とともにドッチボールで3-A組に所属する生徒会長の神崎拓人と対決した。

細野 純哉 (ほその じゅんや)

元々は『ハンザスカイ』の登場人物だが、第33話『あまねどこにいる』で伊奈光とともにゲスト出演していた。温周が通う私立蓮城高校の生徒で3-B所属。空手部の副主将で常人離れした肉体から野獣とも呼ばれている。伊奈とともにドッチボールで生徒会長の神崎拓人と対決した。

場所

私立蓮城高校 (しりれんじょうこうこう)

主人公のあまねこと温周が通う高校。ここで多くの人たちがあまねの魅力に影響を受ける。作中に名前が出た部活は落語研究会、陶芸部、空手部、陸上部、チアリーディング部など。特に空手部は強豪として知られており、同作者の作品『ハンザスカイ』では対戦先として登場している。 そこで登場した細野純哉と伊奈光が『あまねあたためる』にゲスト出演していた。

書誌情報

あまねあたためる 全3巻 〈少年チャンピオンコミックス〉 完結

第1巻

(2013年4月発行、 978-4253220811)

第2巻

(2013年7月発行、 978-4253220828)

第3巻

(2013年11月発行、 978-4253220835)

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