「はじめての恋愛」をテーマにしたフルカラー作品
本作は、美穂と直也という高校生同士の「はじめての恋愛」をテーマにしたラブストーリー。多くの人が経験したであろう、初恋のときめきや痛み、青春の日々を、イラストレーターでもある作者が、淡い水彩画のようなカラーで表現している。物語は2013年4月、美穂の高校入学から始まるが、1話の最後に2023年の美穂が登場。本作のエピソードが、彼女が書いていた「10年日記」の内容であることが明かされる。初恋が叶い、美穂と直也はキラキラした楽しい時間を過ごすが、それは物語の導入に過ぎず、エピソードを重ねるごとにその先の二人の日々がリアルに描かれる。
「はじめての恋人」ができた日
入学式を終えた高校1年生の教室。美穂の前の席に座ったのは、サッカー部の直也だった。プリントを回収するため、後ろに伸ばした直也の手を、美穂は間違えて握ってしまい恥ずかしい思いをする。そんな出会いがきっかけで二人は話すようになり、直也は数学が得意な美穂に勉強を教わるようになる。そして、勉強のお礼という名目で二人は映画に出かけ、観覧車にも乗った。それ以来、コミュニケーションアプリで毎日連絡しあうようになっていた二人は、1学期の最終日、顔を真赤にしながら告白し合う。二人にとって初めての告白であり、お互いが「はじめての恋人」であった。
初恋の「その先」をリアルに描く
夏休みに入り、直也が空いている日は全部遊びに出かける二人は、会うたびに自然と手を繋ぐようになった。そして2学期に入り、学校からの帰り道で初めてのキスをする。その後、些細なことでギクシャクしたり、直也と女友達の親密さに嫉妬したりしながらも、二人は恋人関係を続けていく。交際から1年が経った頃、最後まではいかないものの、直也の部屋で性的な行為を繰り返すようになっていた。美穂は絶頂に達することはなかったが雰囲気を壊さないため、大げさにあえぐことを心がける。中学時代、少女漫画にハマっていた美穂だが、実際に交際をはじめた頃から、現実とのギャップを感じて、もう楽しく読めなくなっていた。初めての恋愛ならではの経験を軸に、恋が成就したその先の物語が本作のメインである。
登場人物・キャラクター
荻野 美穂 (おぎの みほ)
ちょっと天然な女子高生。愛称は「みぃ」。初登場時は高校1年生。学年で1位になるほど数学が得意だが、運動が苦手。中学時代は少女漫画が大好きで、キュンキュンする恋愛に憧れていた。クラスで前の席になった直也のことが好きになり、初めての恋愛を経験する。10年間使える紙の日記を書き続けている。
村田 直也 (むらた なおや)
サッカー部に所属する男子高校生。初登場時は高校1年生。美穂の前の席になったことで、彼女と話すようになり、美穂と初めての恋愛を経験する。甘えん坊の泣き虫で傷つきやすい。







