はじめてのひと

はじめてのひと

大人になって経験する「はじめて」をテーマに、初めての経験に心を揺さぶられる大人の女性の姿を描いた作品集。「Cocohana」2015年9月号から掲載の作品。

正式名称
はじめてのひと
ふりがな
はじめてのひと
作者
ジャンル
恋愛
レーベル
マーガレットコミックス(集英社)
巻数
既刊7巻
関連商品
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あらすじ

久緒と進之介(第1巻)

博物館に勤める田中久緒には、3年間付き合っている進之介という恋人がいた。進之介は久緒にプロポーズする機会をうかがっているが、久緒には彼をきちんと愛せるか自信がなかった。久緒が高校生の時に付き合っていた人は、久緒の初体験の相手だったが、彼女はその男の事を本当に好きではなかったのだ。久緒は進之介と出会った今だからこそ、「愛情」というものを粗末にしたかつての自分を許せないでいた。

香菜と鳥野(第1巻)

OLの目黒香菜は、鳥野十一の部屋で半同棲していた。鳥野は自宅で仕事をしており、土日もないほど忙しいので、家事全般を香菜が引き受けていたが、会社の同僚達から、甘やかしすぎると結婚は遠のくと忠告される。香菜は付き合って2年経った今も、鳥野を愛する気持ちは変わらなかったが、一方の鳥野はマイペース。そんな中、香菜が鳥野に強引に提案した熱海旅行が実現。はしゃぎすぎて旅館に到着するや否や寝てしまった香菜を置いて、鳥野は一人で散策に出かける。それを知った香菜は、一人で東京に帰ってしまう。

理香と穂波と桐谷間(第1巻)

予備校教師の浜島理香は結婚5年目を迎え、平穏な日々を送っていた。ある日、理香は義理の母との同居でストレスを溜めている親友の穂波を、釣り好きの同僚、桐谷間海に紹介する。すると、穂波は釣りにハマり、穂波と桐谷間の仲は急接近。穂波と桐谷間は釣りに行き、その後、魚パーティで盛り上がるのが恒例となった。二人はその都度、釣りに興味のない理香に報告してくる。それを聞くうちに、理香の心はざわめき立って行くのだった。

与と諏訪内(第1巻~第2巻)

絵画修復士の橘与は、田中久緒に誘われてライブに行き、終了後の打ち上げにも参加する事になった。そこで与は、チェロ奏者の諏訪内の人懐っこい態度とあどけない笑顔に触れ、暖かい気持ちになる。彼のライブをたびたび見に行くようになった与は、自然体の諏訪内にどんどん引き寄せられていく。そんなある日、ライブを訪れた与は体調を崩して熱を出してしまう。そして与は、自分を家まで送った諏訪内に告白し、諏訪内も同じ気持ちだと与に告げるのだった。だが浮かれる与に、久緒は彼が独身かどうか確かめた方がいいとたしなめる。与に問い詰められた諏訪内は、自分が既婚者で子持ちである事を白状するが、与は気持ちを抑えきれず、二人は一夜を共にする。幸福感と罪悪感がせめぎ合う中、与はクリスマスイブの日、諏訪内が予約したケーキを取りに行く「ついで」で自分を誘った事にショックを受ける。それでも諏訪内から離れられないと考える与だったが、そこへ警察から与に電話が掛かってくる。

登場人物・キャラクター

田中 久緒 (たなか ひさお)

博物館に勤めている30代の女性。ロングヘアを緩やかに束ねている。となりの美術館で修復士をしている橘与の大学の先輩。友達の結婚式で知り合った進之介と3年間付き合っている。高校生の時に付き合った初体験の相手を好きではなかった自分を許せず、愛情というものを粗末にした自分が、ちゃんと彼を愛しているのか悩んでいる。まじめな性格で、愛情に対しての責任感が強い。

目黒 香菜 (めぐろ かな)

OLの若い女性。鳥野十一の家で2年間同棲しており、自分のマンションにはほとんど帰っていない。忙しい鳥野の代わりに家事全般を引き受けている。彼の声やしぐさや表情など、すべてが好き過ぎるせいで、ときめき過ぎてつらいという状態にある。自分から押してやっと付き合ってもらったという経緯があり、彼に自分を好きかどうか聞けないでいる。

浜島 理香 (はましま りか)

予備校教師の女性。中学生を教えている。結婚5年目で、子供はいないが、夫婦仲はいい。ボブカットの髪型でメガネをかけている。学生の頃は古墳研究会に所属していた。少しクールな性格で、落ち着いた雰囲気を漂わせている。中学時代からの親友の穂波を同僚の桐谷間に紹介した事から、悩ましい日々を送る事になる。

橘 与 (たちばな くみ)

美術館で絵画の修復士をしている女性。年齢は25歳。田中久緒の大学時代の後輩で、職場もとなりにある。髪型はショートカットで、見た目が幼く、年齢より若く見えるが、仕事には熱意を持って取り組んでいる。大家と同じ敷地の小さな離れを借りて暮らしている。にぎやかな場所が苦手で、人見知りで繊細な性格。恋愛の仕方も忘れていたが、人懐っこい諏訪内の茶目っ気ある態度に惹かれていく。 諏訪内から「仔だぬきくん」「ワンコくん」と呼ばれている。

進之介 (しんのすけ)

会社員の男性。田中久緒の恋人。金曜の夜に久緒の部屋に泊まりに来て、日曜日の夜に戻って行く関係。久緒の事を真剣に考えており、プロポーズを切り出そうとすると、いつもはぐらかされている。自分を大事にできなかった久緒が苦しんでいる事を知り、自分がそばで何とかしてあげたいという気持ちになり、真剣にプロポーズする。

鳥野 十一

デザイナーの男性。自宅でポスター等のデザインの仕事をしている。眼鏡をかけており、少し長めのヘアスタイルで、体型は細身。目黒香菜と半同棲している。土日もない位仕事が忙しいのだが、気晴らしには博物館に一人で出かけてしまうマイペースな性格。カモメやネコ等、動物が好きな様子。外出先では香菜に対して紳士的に振る舞う、意外な面もある。

理香の夫 (りかのおっと)

浜島理香の夫。結婚5年目。仕事帰りには誘い合わせて、外食するなど夫婦仲はいい。大学生の頃はテニスサークルに所属していた。陽気な性格の持ち主。理香が親友の穂波と同僚の桐谷間がなかよくなった事に心を乱しているのを見て、かわいいところがあると喜ぶ包容力のある人物。

桐谷間 海 (きりやま かい)

予備校教師の男性。浜島里香の同僚。ロングヘアを後ろでラフに結んでおり、メガネをかけている。趣味は釣りで、お調子者でユニークな性格をしている。クールな理香には少々ウザがられているところがある。理香を介し、釣りに興味があるという穂波と急速に親しくなり、釣り仲間も交えた魚パーティなどで盛り上がる間柄となる。

穂波 (ほなみ)

浜島里香の親友の女性。既婚者。パートと子育てで忙しい毎日を送っている。明るく、誰とでもすぐなかよくなれる社交的な性格だが、義母と同居しているのでストレスを溜めている。理香に桐谷間海を紹介され、釣りにハマった事から急速に桐谷間と仲よくなり、釣り仲間も交えた魚パーティなどで盛り上がる間柄になる。

諏訪内 (すわない)

チェロ奏者の男性。年齢は41歳。切れ長の目をしており、口が大きい。人懐っこい性格で、笑顔がかわいいために年齢よりも若く見える。相手がドキッとするような事を平気でいうタイプ。「プラネッ子ちゃん」という子供に人気のキャラクターのストラップを携帯電話に付けている。女性に好印象を持たれる事が多いが、のちに既婚者で娘がいる事が判明する。 既婚者ながら、橘与を手放したくないと思っている。

書誌情報

はじめてのひと 7巻 集英社〈マーガレットコミックス〉

第7巻

(2023-03-24発行、 978-4088447315)

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