概要・あらすじ
故郷の逗子に舞い戻ってきた56歳の独身男性寿和一路。早期退職した退職金で安マンションとバイク(YAMAHA SR400)を購入して、気ままなひとり暮らしを始めたが、ふと旧友の記憶が頭をよぎる。携帯電話に番号が残っていた坪井に連絡を入れたところ、たちまち高校時代の仲間が集まってきた。自営業のツボこと坪井、町役場務めのモロこと諸節、寺の住職のライシャン、便利屋のモンスンといった加齢臭ただよう面々との再会の宴で盛り上がる寿和。
夜中の0時には眠くなるオッサンたちゆえ、皆22時には帰ったが、青春を謳歌した仲間との再会を契機に、男たちの心の中の熱い何かが再燃する。バイクや喧嘩に恋愛、1977年の熱い記憶が蘇り、オヤジたちは今の自分を見つめながら、ガタのきている体にムチ打って、新たな青春を過ごし始める。
登場人物・キャラクター
寿和 一路 (すわ いちろ)
56歳のオヤジで、花の独身。会社を早期退職して35年ぶりに、故郷の神奈川県逗子に舞い戻った。退職金で安マンションの一室とバイク・YAMAHA SR400を購入して、気ままな1人暮らしを始めた。戻って早々、地元の仲間たちと再会し、オッサンながら新たな青春を過ごし始める。年相応に枯れた雰囲気を漂わせながらも、旧友のために不良高校生たちを相手に威勢のいい啖呵を切るなど、まだまだ熱い心を持ったオヤジ。
坪井 (つぼい)
寿和一路の逗子の旧友の1人。56歳、自営業の男性。既婚で子供1人。昔も今も喧嘩っ早い性格。高校生の息子につきまとっているタチの悪い連中に、落とし前をつけさせようと、いい年をして自ら出向いた。まだまだ威勢はいいが、坐骨神経痛の持病がある。
諸節 (もろ)
寿和一路の逗子の旧友の1人。町役場勤めの56歳の男性。バツイチで子供なし。町役場で働いて38年になるが、すっかり禿げ上がって、役場の若い連中から「ザビエル」と呼ばれている。高校時代の愛車はYAMAHA GT50(通称:ミニトレ)。
ライシャン
寿和一路の逗子の旧友の1人。地元の寺の住職。56歳の男性。既婚で子供なし。僧侶だけあって、携帯電話の着信音がお経になっている。
モンスン
寿和一路の逗子の旧友の1人。便利屋をやっている56歳の男性。未婚で独身。実家は海のそばの定食屋だったが、味オンチのため店をたたみ、古物商の免許を取って金券ショップを始めた。しかし、それも続かず、現在の便利屋になった。昔から口数の少ない男だが、順風学園高等学校の臨時教師・花岡先生に惚れている。
グレイト・G (ぐれいとじー)
逗子に出没する謎の大男。自称「隣の町の顔役」で56歳。サングラスにリーゼント、ヒゲといった風貌。愛車はHONDA スーパーカブ。35年ぶりに帰ってきた寿和一路をいきなりカツアゲしようとした。その後も何かと寿和にちょっかいをかけてくる。地元の悪い若者たちも、彼にカツアゲをされている模様。
花岡先生 (はなおかせんせい)
順風学園高等学校に勤務する女教師。44歳で独身。国語担当。産休に入った先生の代わりに臨時で順風学園に来ていた。モンスンの思い人。スズメ蜂の駆除の最中に、モンスンに思いを打ち明けられ、ハグされた。
朝倉 スミレ (あさくら すみれ)
寿和一路の夢によく出てくる女の子。38年前、順風学園高等学校に通っていた。
場所
順風学園高等学校 (じゅんぷうがくえんこうとうがっこう)
花岡先生が勤務する女子高等学校。逗子と鎌倉の境にある。モンスンが営む便利屋の得意先。寿和一路と過去に濃厚な関わりがあった朝倉スミレも、38年前にこの学校に通っていた。