帰って来たどらン猫

帰って来たどらン猫

はるき悦巳の代表作『じゃりン子チエ』のスピンオフ作品で、猫の小鉄とアントニオジュニアが主役となっている。ある日「自分の偽者が現れたらしい」と悩むアントニオジュニアの相談を受けた小鉄は、その騒動がアントニオジュニアばかりでなく昔の自分とも繋がっていることを知る。小鉄とアントニオジュニアの2匹が、己の過去を清算すべく奮闘する様をユーモアたっぷりに描いた痛快娯楽作品。「双葉社ウェブマガジン」に2001年6月から2002年3月まで掲載された。

正式名称
帰って来たどらン猫
ふりがな
かえってきたどらんねこ
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
レーベル
双葉文庫(双葉社)
巻数
既刊1巻
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概要・あらすじ

ある日、小鉄アントニオジュニアに「オレが見えるか」と聞かれる。なんでも自分の偽者が現れたという噂を耳にして、調べていくうちに自分の存在そのものに疑問を抱き始めてしまったのだという。綿密な調査の末、アントニオジュニアの偽物である通称「ニセアンちゃん」がいることを突き止めた小鉄とアントニオジュニアだったが、実はニセアンちゃんとはアントニオジュニアに憧れたプチ坊という子猫が成長した姿であった。

そのプチ坊がある日、周囲から「夜啼きのフクロウ」と呼ばれ恐れられている猫の大親分に、半死半生の目にあわされてしまう。「夜啼きのフクロウ」の名前から何かに気づいた小鉄は、アントニオジュニアと共に、闘いの場へとその足を進めていく。

登場人物・キャラクター

小鉄 (こてつ)

猫の裏社会において、「月の輪の雷蔵」や「コマ落としの銀次」などさまざまな異名と武勇伝を持つ伝説の猫。年齢を経て性格的にはだいぶ丸くなったものの、ひとたびスイッチが入るとその力と技は誰にも止められない。アントニオジュニア(ジュニア)の父親を間接的にではあるが殺しており、そのこともあってかジュニアの父親代わりとして何かと世話を焼いている。 額にある三日月形の傷跡がトレードマークで、この傷が「月の輪の雷蔵」の由来である。

アントニオジュニア

水玉模様のネッカチーフがトレードマークの若い猫。喧嘩っ早く気性は荒いが、春になると毎年ノイローゼ気味になってしまうという精神的な繊細さがある。昔は各地を転々と放浪していたが、小鉄と出会ってからは大阪の地に落ち着く。目下の者への面倒見がとても良く、子猫のプチ坊はそんなアントニオジュニアを「男の中の男」と慕い憧れている。

プチ坊 (ぷちぼう)

幼い頃にアントニオジュニア(ジュニア)に面倒を見てもらったことで彼に心酔。ジュニアのことを「アンちゃん」と呼んで慕っていた。成長と共に「オレもアンちゃんのような男になる」と言って顔まで整形し、ジュニアそっくりに変えた。

夜啼きのフクロウ (よなきのふくろう)

猫の大親分で、バクチ場を取り仕切り大量のカツオ節を手中にしている。その昔、「コマ落としの銀次」と呼ばれていた小鉄との対決し、喉をつぶされてしまう。それ以来話す時にどうしても「ホーッ、ホーッ」と空気が漏れるようになり、これが「夜啼きのフクロウ」の名前の由来である。小鉄への復讐心に燃えており、時が経った今でも三日月を見ると小鉄の額の傷を思い出し荒れてしまう。

書誌情報

帰って来たどらン猫 1巻 双葉社〈双葉文庫〉

第1巻

(2022-09-08発行、 978-4575728316)

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