母の元カノと暮らした。

母の元カノと暮らした。

舞台は沖縄県那覇市。母親・晴海が亡くなり、同時に父親が蒸発して天涯孤独になった少年・ゆうは、葬儀に参列した城間健子に引き取られる。そしてゆうは東京から沖縄県にやって来て、健子、おりょう、さゆりと同居をスタートさせるが、三人の女性は全員が母親の元カノだった。奇妙な共同生活を過ごす中、次第に芽生えていく家族の絆を描いたヒューマンドラマ。講談社「月刊モーニングtwo」2021年8月号から2022年10月号にかけて掲載された作品。

正式名称
母の元カノと暮らした。
ふりがな
ははのもとかのとくらした
作者
ジャンル
同性愛
 
ヒューマンドラマ
レーベル
モーニング KC(講談社)
巻数
既刊2巻
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あらすじ

中学生のゆうは母親の晴海と父親の三人で、東京にある家でごくふつうの穏やかな日常を送っていた。しかし晴海が亡くなり、直後に父親が蒸発したことで、天涯孤独の身になってしまう。そんな中、沖縄県から葬儀に駆け付けた城間健子から、ルームシェアをしている家でいっしょに住まないかと誘われ、ゆうはその申し出に応じる。ゆうは健子に連れられ、那覇市にある晴海も生前行きつけだったマスターが経営するバーに行くと、そこには同居人のおりょうさゆりが居た。おりょうとさゆりは三人での子育ては荷が重すぎると、ゆうとの同居に反対する。しかし、晴海と同じ面影を持つゆうと話しているうちに放っておけなくなり、四人での同居生活をスタートさせる。(第1話「母の元カノと出会った」)

服役していたゆうの祖父は、刑期を終えて出所が決まる。ゆうの祖父は自分が服役していた中、娘の晴海が死んだことを知る。熱心な社会活動家のゆうの祖父は、自分のことばかりを優先して晴海に何もしてあげられなかったことを後悔し、孫のゆうを引き取りたいと城間健子おりょうさゆりに申し出る。ゆうにとって唯一の身内であり、さらに彼も祖父との同居を望んでいることから、健子たちはその申し出を受け入れる。そして以前の三人での暮らしに戻った健子たちだったが、なぜか心が落ち着かない。そんな中、ゆうは祖父がまだ社会活動を続けたいと考えているにもかかわらず、自分がいることで一線を退いていることを知る。(第10話「今までお世話になりました」、第11話「大人の都合とゆうくんの本音」、第12話「おでんと泡盛、思い出のうどん。」)

登場人物・キャラクター

ゆう

晴海の一人息子で、東京の中学に通っていた少年。親子三人で穏やかに暮らしていたものの、母親が亡くなったと同時に父親が蒸発してしまう。頼れる親族もなく天涯孤独の身になるものの、沖縄県から葬儀にやって来た城間健子に声をかけられ、引き取られることとなる。突然の出来事に困惑しながらも、沖縄県那覇市で母親の元カノである健子、おりょう、さゆりと四人で生活をスタートさせる。晴海とよく似た顔立ちをしており、中性的な雰囲気を漂わせた美少年。温和な優しい性格で、他人の心の動きに敏感に反応する。同じ中学校に通う竹田ちさとからは、都会的な振る舞いをするとひそかにあこがれられている。

城間 健子 (しろま やすこ)

晴海の元カノの一人で、大学の教員を務めている女性。年齢は30代。晴海が亡くなったと聞いて東京まで葬儀に駆け付け、その際に天涯孤独の身になってしまったゆうを引き取り、城間健子自身が住む沖縄県那覇市まで連れ帰った。同居人であるおりょう、さゆりと比べると控えめかつ穏やかな性格の持ち主で、ゆうからも何かと頼りにされている。実の母親との関係は悪くはないものの、昔から一方的に決めつけるようなところがあり、苦手意識を抱いている。

おりょう

晴海の元カノの一人で、四川料理店の厨房で働いている女性。年齢は30代。晴海が亡くなったと聞き、東京まで葬儀に駆け付けた同居人の城間健子が、天涯孤独の身になったゆうを連れ帰ったことで、さゆりを交えた四人での生活をスタートさせる。口が悪くぶっきらぼうな態度を見せることが多いが、情が厚い一面を持つ。晴海と交際していた頃は、いっしょに暮らしていた。晴海との相性は悪くなかったものの、彼女が妊娠・出産を望んだことをきっかけにすれ違いが起こり、そのまま破局してしまう。都会で中華料理店を開くことを夢見ている。

さゆり

晴海の元カノの一人で、晴海と最後の恋人だった女性。年齢は29歳。晴海が亡くなったと聞き、東京まで葬儀に駆け付けた同居人の城間健子が、天涯孤独の身になったゆうを連れ帰ったことで、おりょうを交えた四人での生活をスタートさせる。つねに明るくてノリのよい人物で、晴海との関係も吹っ切れているように振る舞っているものの、実際には忘れられずにいる。晴海とは学生時代に交際しており、恋人とはいえ年下だったこともあって子供扱いされていた。また、健子とおりょうよりも晴海といっしょにいた期間が短かったことから、どうしようもないと認めつつも、二人に嫉妬してしまうことも多い。実家の両親と折り合いが悪く、家出同然で健子たちとの暮らしを始めた。

晴海 (はるみ)

ゆうの実母で故人。葬儀の前に夫は蒸発してしまい、行方不明になっている。沖縄県那覇市の出身で、城間健子、おりょう、さゆりは元カノ。一見凛とした美人ではあるものの、大胆かつ豪快な性格の持ち主で、地元では酔ってお店で暴れるなど、さまざまな破天荒なエピソードを持つ。夫と出会って結婚してからは東京に移り住んでおり、その後にゆうを出産した。ゆうのために苦手な料理を勉強したり、興味のなかった戦隊ヒーローの映画をいっしょに観たりと、いい母親として接していた。

竹田 ちさと (たけだ ちさと)

ゆうと同じ中学校に通う女子。ゆうとクラスメートで、自宅に遊びに行くなど親しくしている。両親が離婚しているため、経済的に厳しい環境にある。さらに同居している祖母からは、片親ではまともに育たないと言われるなど、何かとつらく当たられている。ゆうから家庭環境について励まされるうちに、彼に恋心を寄せるようになる。その一方で、同性の赤嶺からもちょっかいを出され、戸惑っている。

赤嶺 (あかみね)

ゆうと同じ中学校に通う女子。ゆうとクラスメートで、以前は東京で暮らしていたこともあり、なにかと共通の話題が多い。裕福な家庭に育ち、学校を休んで家族で海外旅行を楽しんだり、沖縄県ではあまり目にしないような高級ブランドチョコレートを食していたりする。あか抜けた容姿の美少女で、竹田ちさとからはゆうとお似合いだと思われており、一方的に嫉妬されている。しかし、赤嶺自身はちさとのことを気に入っており、キスするなど友情以上の感情を抱いているかのように振る舞い、戸惑う彼女を見て楽しんでいる。

波照間 (はてるま)

ゆうと同じ中学校に通う男子。ゆうとクラスメートで、仲がいい。男子中学生とは思えないほど屈強な筋肉質な体型で、豪快な性格の持ち主。大雑把なように見えるが、実は細かなことにも機敏に反応する繊細さを持つ。ちらいことがあっても、感情をあらわにすることは少ない。伊舎堂が女子のファッションやメイクに興味があることも否定せず、受け入れている。一方、伊舎堂から淡い恋心を寄せられていることには気づいていない。

伊舎堂 (いしゃどう)

ゆうと同じ中学校に通う男子。ゆうとクラスメートで、仲がいい。女子のファッションやメイクに興味があり、波照間に対して胸のときめきを覚えたりと、伊舎堂自身の性別に思い悩んでいる。竹田ちさとにだけは自分の胸の内を打ち明けており、彼女からファッションやメイクを習っている。ふだんは控えめな性格ながら、自分の好きなことになると一気にテンションが上がって饒舌になる。

ゆうの祖父 (ゆうのそふ)

晴海の父親で、ゆうの祖父。著名な社会活動家で、沖縄のきれいな海を子孫に残す活動を行っている。晴海が亡くなった時には刑務所に服役していたため、葬儀に参列することは叶わなかった。その後、刑期を終えて出所し、城間健子、おりょう、さゆりに孫のゆうといっしょに暮らしたいと申し出る。妻にも娘の晴海にも先立たれ、親族と呼べる存在はゆうのみ。

マスター

沖縄県那覇市で「BAR サクラザカ」を経営している男性。城間健子、おりょう、さゆりの行きつけの店で、三人が晴海と交際していたことも知っている。マスターと客という関係を超えた信頼関係を築いており、各々から悩み事を打ち明けられることも多い。また、晴海が沖縄県に住んでいた頃は常連客で、泥酔した晴海から散々迷惑をかけられたものの、嫌いになれない不思議な魅力を感じていた。

書誌情報

母の元カノと暮らした。 2巻 講談社〈モーニング KC〉

第1巻

(2021-12-23発行、 978-4065260814)

第2巻

(2022-10-21発行、 978-4065296660)

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