つまさきだちのアリス

本作は、亜梨寿が幼なじみで三つ年下の柴山悠太郎を世話しながら平穏な日常を送る中で、悠太郎の叔父である萄真と出会ったことで物語が始まる。幼少期からかわいがってきた悠太郎への愛情と、年上の萄真との感情のあいだで揺れ動く、亜梨寿の恋愛模様と複雑な三角関係が少女漫画風タッチで描かれる。

ヒロインの亜梨寿は、幼なじみの悠太郎の世話を日常的に行っていたが、甘えん坊だった悠太郎は成長するにつれて反抗的な態度を見せるようになる。悠太郎は亜梨寿を異性として意識し始め、二人の関係に微妙な変化が生じている。そんな中、悠太郎の叔父である萄真が突如現れ、二人の日常と関係性に影響を与える。やがて萄真は近所にバーを開き、バーテンダーとして働きながら、亜梨寿たちの生活に深くかかわるようになる。

悠太郎は叔父の萄真が引っ越して来てからは、一方的に警戒してライバル視するようになる。一方、当初は萄真をあまり快く思っていなかった亜梨寿は、彼の助けを受けたり、店に招かれたりするうちに、彼の大人の余裕や魅力に無意識に惹かれていく。そんな亜梨寿の変化を察した悠太郎は、苛立ちや焦りから彼女に思わず告白するが、亜梨寿は返答に迷ってしまう。この状況の中で、亜梨寿は萄真との出会いを通じて自分の中に芽生えた感情に気づく。亜梨寿と悠太郎、萄真のあいだで展開される三角関係の行方や、少しずつ明らかになる萄真の過去に焦点を当てている。