概要・あらすじ
出来ちゃった結婚で早くも倦怠期に入ってしまった若夫婦。夫は家に寄りつかず、語り手である妻は隣家の年の差カップルを嫉妬と羨望の眼差しで眺めつつ、不満を募らせている。ところが、ひょんなことから彼女は隣家で、中年の夫が、前妻との間の子供の養育費や、若妻に合わせて若作りすることに苦労していることを知ってしまうのだった。
登場人物・キャラクター
語り手 (かたりて)
姓名不明。マンション住まいの若い妻。出来ちゃった結婚妊娠中だが、夫とは交際期間が長かったこともあり、倦怠期に入っていて、夫の帰りが遅いと、つい酒を飲んでしまう。ほぼ彼女の一人称視点で物語が描かれる。
語り手の夫 (かたりてのおっと)
姓名不明。夜は同僚と飲み、深夜帰宅。惰性で結婚生活を送っている。
大内 (おおうち)
語り手の隣に住む中年男。建築事務所の経営者。妻は親子ほど歳の離れた女子大生。人生を楽しんでいるように見えるが、妻との年齢差、子供の養育費など悩みも多い。
大内 順子 (おおうち じゅんこ)
女子大生。テニス、ディスコと大内を引っ張り回す。
大内の前妻 (おおうちのぜんさい)
姓名不明。子供の養育費の問題で大内と揉めている。
場所
見晴らしガ丘 (みはらしがおか)
東京都下の新興住宅地。旧地名は野川村。1960年代後半には農家が多かったが、作品に描かれる1985年前後には団地、マンション、分譲住宅が立ち並ぶ住宅地に変貌している。かつて存在した林や池もなくなっている。