どがしかでん!

どがしかでん!

バスケに対する熱意だけは誰にも負けない平凡な少年が、ひょんなことからバスケの強豪校へ入部し、活躍することになる熱血スポーツ漫画。「週刊少年ジャンプ」で2008年27号から40号にかけて掲載された。

正式名称
どがしかでん!
ふりがな
どがしかでん
作者
ジャンル
バスケットボール
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あらすじ

隠れた逸材(第1巻)

バスケットボールを愛し、中学時代から熱心に部活動に参加していた大門春吉は、一度もベンチ入りできないまま、中学のバスケ生活を終えることになった。バスケの強豪校である十凌高校へと進学したものの、中学時代の同級生・弐足丈から才能の無さをバカにされたことで、バスケ部への入部を躊躇する春吉。そんなある日、丈に逆って怒りを買い、逃げ惑っていた春吉は、偶然その場を通りかかった十凌高校の女子マネージャー皆川葉月によって助けられる。その際、春吉の身のこなしに才能の片鱗を感じた葉月は、彼の素性を調べ上げたうえで拉致。翌日に開催された「春の十凌祭」のイベントで、丈との1on1をセッティングし、バスケ部の入部テストとして、半ば強制的に春吉を参加させるのだった。圧倒的な力量差の前に完敗を予想された春吉だったが、3年間のバスケ生活で自身の臆病なプレイを後悔していた春吉は、試合の中で勇気を振り絞り、持てる力のすべて駆使したうえで運を味方に付け、ギリギリで勝利をものにする。見事入部テストに合格した春吉は、十凌高校を全国最強へと導くため、ハードなバスケ漬けの生活を送ることになるのだった。

バスケ部の仲間(第1巻)

皆川葉月がセッティングした入部テストをパスし、なんとかバスケ部への入部を果たした大門春吉。しかし、入部早々に葉月から、これはあくまで「仮入部」であり、正式なバスケ部員となるには、主将の許可が別に必要だという事実を知らされる。しかも、基本技術が低い春吉は、同じ新入部員の柴倫太郎に目を付けられ、さっさと部活を辞めるようにという、辛らつな言葉を浴びせられてしまう。それでも、全国優勝を目標に掲げる倫太郎の高い志に感動した春吉は、皆と一緒に成長していくことを宣言するのだった。春吉は、皆と練習を続ける中で、自身の瞬発力が他に類を見ないものであることを徐々に自覚していく。そんな中、新入生にも拘らず練習をサボり、ロードワークにも参加しない須藤進悟が、他の新入部員と衝突。文句を言う部員を黙らせるため、1対5のバスケ勝負を申し出た進悟は、劣勢を覆して他の新入部員を圧倒。格の違いを見せ付けるのだった。フレッシュな1年生が互いの力を探り合っている最中、ついにバスケ部の主将が姿をコートに姿を見せる。

入部テスト(第1巻)

遠征から戻って来た、主将・広瀬敦率いるバスケ部のレギュラーメンバー。生意気な言動を繰り返す須藤進悟に対し、バスケでの勝負を命じるが、大門春吉がそれを制し、まず自分と1on1の再戦することを進悟に申し出る。「負けたら退部」を条件に勝負を引き受けた進悟は、春吉の圧倒的なスピードによって突破されかけるも、技術とジャンプ力の高さの差で春吉に勝利。しかし、その一部始終を見ていた敦は、部の和を乱したとして、春吉と進悟の2人に退部を勧告する。その裁定を不服とした皆川葉月の提案を承諾した敦は、レギュラーチームと1年のチームで3on3を行い、これに勝利すれば、春吉と進悟を正式なバスケ部員として認めることになった。この勝負に巻き込まれてしまった柴倫太郎からキーマンであると名指しされた春吉は、3日後の入部テストに向けて、今まで以上の猛練習に励む。

試合開始(第2巻)

大門春吉須藤進悟の退部を賭けた運命の3on3が始まった。序盤から都内屈指の実力を誇るレギュラーメンバーの力を見せ付けられ、進悟の個人プレイでなんとか喰らいつくも、徐々に点差を離されてしまう1年チーム。そんな中、ほとんどボールに触れられず、試合にまったく貢献できていなかった春吉は、前半終了間際に巨漢・練馬与一のシュートを驚異的なスピードを駆使してブロック。バスケが下手なことで同じ部員から軽んじられ、多くの辛酸をなめてきた春吉。それでもバスケが好きという一念でバスケを続けてきた春吉の才能が開花する様子を、入部テストに参加した部員の1人1人が目の当たりにするのだった。

チームプレー(第2巻)

大門春吉のスピードに興味を抱いた狭山幸隆は、春吉とのマッチアップを希望。調子の上がり始めた春吉だったが、経験の差で幸隆と練馬与一のコンビネーションに翻弄されてしまう。しかし、柴倫太郎との3日間の猛練習で、右のドリブルに磨きをかけていた春吉は、巧みなムーブで幸隆を出し抜き、須藤進悟の得点をアシストすることに成功する。春吉の覚醒と、進悟の得点力でレギュラーチームとの差を縮めかけるもののバスケがチームスポーツであることを理解する与一達を崩しきることができない春吉のチーム。与一から、スコアラーはチームを勝たせることが責任であると諭された進悟は、自分よりバスケが上手だった兄・須藤聖陽のことを思い出し、春吉とのコンビネーションでゴールを陥れるのだった。

逆襲(第2巻)

チームプレイを意識しだした須藤進悟の影響で、攻守に厚みの出た1年チーム。今までとは違う鋭い動きを目の当たりにしたレギュラーチームは、勝負どころを見極め、磨き上げたセットオフェンスで再び大門春吉たちを圧倒。本気を出したレギュラーチームの力に困惑する柴倫太郎をよそに、それでも愚直かつ強引なプレイでチャンスを演出する春吉と進悟。その勝利への執念と心意気に感じ入った倫太郎は、自分たちのチームメイトとしてのつながりを再確認。春吉たちはチーム一丸となって怒涛の追い上げを見せ、残り3分で10点差にまで点差を縮めるのだった。思いも寄らぬ展開に焦りが生じたレギュラーチームは、連携でミスを連発。そのスキを巧みに突いた1年チームはさらに攻勢を強め、ついに1点差にまで詰め寄ることに成功する。

決着(第2巻)

レギュラーチームの反則で得たフリースローのリバウンドからチャンスを掴んだ大門春吉。勝利とゴールしか見えていなかった春吉は、危険を顧みずに練馬与一を飛び越えるジャンプシュートを試み、頭からコートに落下してしまう。医務室で意識を取り戻した春吉に告げられたのは、先ほどのトラブルで試合が中止されたことと、春吉が正式なバスケ部員として認められたという2つの知らせ。怪我の疑いが生じた右手を診察するため、皆川葉月によって渡米した春吉は、骨折した右腕の治療する傍ら、葉月の組んだ地獄のメニューをこなし、体力の増強に励むことになる。そして1か月半後、都大会へシード校として出場した十凌高校の一員として日本に帰国した春吉は、憧れのユニフォームを着用し、皆の期待を背負って晴れの舞台に参戦するのだった。

登場人物・キャラクター

大門 春吉 (おおかど はるよし)

バスケが大好きな頑張り屋の男子高校生。中学校からバスケを始めたが、ドリブルやシュートの技術は拙く、3年間で一度もベンチに入ることはできなかった。才能の無さを同じバスケ部員に嘲笑され続けた苦い過去を持つことから、バスケの強豪校である十凌高校に進学した後もバスケ部への入部を躊躇していた。しかし、中学時代の同級生である弐足丈から逃げている最中、自分を助けてくれた皆川葉月から並外れた瞬発力の才能を見込まれ、彼女の計らいでバスケ部の入部テストを受けることになる。 入部テストで丈との1on1に勝利し、仮入部を果たした後は、正式な部員となるために、バスケ部のレギュラーメンバーと3on3の勝負をすることになった。背は低いが、素直で向上心が強く、ラダーを使用した10メートルダッシュを約1.8秒で走破できる人並みはずれた瞬発力の持ち主。 バスケ部に仮入部した当初は、他の新入部員からキャッチの技術が低いことで怒鳴られるなど、強豪校である十凌高校バスケ部でプレイできるレベルに到底なかったが、ライバルや先輩との試合と積み重ねた練習によって隠された才能が開花。スピードを駆使したドライブで、名だたる先輩たちからも一目置かれる存在となる。

皆川 葉月 (みながわ はづき)

ナイスバディをした金髪の女子高生。十凌高校のバスケ部マネージャー兼監督代行で、新興の財閥である皆川グループの令嬢。校内では憧れの的になっている美少女。強烈な「成り上がり根性」の持ち主で、有能だが埋もれた人材を金に糸目をつけずに発掘し、育て上げることに喜びを抱く性格。弐足丈に追われていた大門春吉を助けた際に、彼の俊敏な動きに将来性を感じ取り、調査したうえで大々的な入部テストを受けさせ、バスケ部に仮入部させる。 皆川葉月自身が春吉を見出したことに誇りに思っており、柴倫太郎とのトレーニングと実戦によって春吉が才能を開花させた時は、「春吉くんを発掘したのはこの私なのに!!」と泣くほど悔しがっていた。主将の広瀬敦と同等の権限を持っており、部員に対するトレーニングスケジュールの管理や試合での指示を行っている。

須藤 進悟 (すどう しんご)

十凌高校に通う男子高校生。抜群のバスケセンスの持ち主で、1メートル以上ジャンプできる驚異のジャンパー。中学2年生のとき渡米し、カリフォルニアの州立高校でバスケをしていた経験を持つ。十凌高校の新入部員の中でもズバ抜けた才能を発揮し、試合でも他の部員を圧倒していたが、自己中心的な性格をしており、練習でも試合でも他人とコミュニケーションを取る気がまったくない。 そのため、試合ではワンマンプレーに終始してしまい、チームプレーができずにいた。大門春吉と柴倫太郎を仲間に加え、レギュラーチームとの入部テストに挑んだことで仲間の重要性を認識し、試合中に他人を使ったプレイを実践するようになる。過去に自分よりバスケの才能があった兄・須藤聖陽を亡くしたことが、進悟の心に暗い影を落としている。

柴 倫太郎 (しば りんたろう)

十凌高校に通う男子高校生。中学時代はバスケ部のエースとして活躍した過去を持ち、全国制覇を成し遂げるために、憧れの十凌高校へと進学した。直情的な性格をしており、技術レベルの低い大門春吉が練習の妨げになることが許せず、彼に対して部を辞めるように詰め寄っていた。春吉と須藤進悟の進退をかけたレギュラーメンバーとの3on3に参加することになった際は、春吉を事前のトレーニングで徹底的に鍛え上げたうえで、堅実なプレイによって試合に貢献する。 表面的には口の悪い乱暴者だが、春吉の練習に付き合って彼の弱点を矯正させるなど、実はマメで面倒見のいいタイプ。

広瀬 敦 (ひろせ あつし)

十凌高校に通うメガネをかけた生真面目な男子高校生。バスケ部の主将を務めている。顧問の教師がバスケのことを知らないため、トレーニングから試合の指揮、入退部の決定に至るまで、実質的に部のすべてを統括する存在。クールで理知的だが、力試しのために勝手に1on1を行った大門春吉と須藤進悟に「和を乱した」として退部を言い渡すなど、規律には非常に厳しいタイプ。 ただし、杓子定規な石頭ではなく、罰則にも救済策を設けるなど柔軟さも備えている。当初は皆川葉月が見出した春吉の実力を懐疑的に見ていたが、試合中に才能を開花させた春吉の鋭い動きに目を奪われていた。中学時代は無名な選手だったが、努力によって今の地位を築く。

吉野 貴文 (よしの たかふみ)

十凌高校に通うメガネをかけた男子高校生。バスケ部の副主将を務めている、部でNo.1のイケメン。面倒見のいい性格をしている。皆川葉月が提案した大門春吉たちの入部テストとなる3on3に参加したメンバーの1人。元々はたいした選手ではなかったが、シュートだけは極めようと努力した結果、レギュラーメンバーになるまでに成長した。

狭山 幸隆 (さやま ゆきたか)

十凌高校に通う男子高校生。バスケ部のレギュラーで、中学時代から有名だった都内屈指の天才選手。皆川葉月が提案した大門春吉たちの入部テストとなる3on3に参加したメンバーの1人。背は小さいが、それがハンデになるとは露ほども思っていない。実力はあるが、ムラッ気が大きく、気分が乗らないと実力をフルに発揮できない。春吉のスピードを目の当たりにし、自ら試合中にマッチアップを申し出る。

練馬 与一 (ねりま よいち)

十凌高校に通う男子高校生で、バスケ部のレギュラー選手。ミニバスケットで注目され、頭角を現した人物。皆川葉月が提案した大門春吉たちの入部テストとなる3on3に参加したメンバーの1人。身長は190センチを越え、格闘家のように頑強な身体をしており、その強靭なフィジカルをもって、対戦相手のシュートをことごとくブロックしてしまう。 英語は話せないが、「オールオブザマッスル」「リアリー?」など、要所要所で適当な英単語を喋るのが癖になっており、そのことを狭山幸隆からたしなめられていた。

弐足 丈 (にたり じょう)

大門春吉の中学時代の同級生で、元バスケ部の仲間。短髪の少年。エースとして活躍していたが、かなり傲慢な性格をしている。バスケが下手な春吉を嘲笑して見下し、パシリとして扱っており、春吉と高校は別になったが、それでも彼をパシリとして徹底的にコキ使っていた。皆川葉月が企画した春吉の仮入部テストで、1on1の対戦相手として呼ばれ、春吉を負かして恥をかかせようと考えた。

須藤 聖陽 (すどう まさあき)

須藤進悟の兄で、中学1年生にしてバスケの強豪校である烙院高校から特待生の話が来るほどの逸材だったが、突然亡くなった。須藤聖陽の死は進悟に大きなショックを与え、彼がアメリカへ留学する原因となった。

八木沢 (やぎさわ)

執事の男性。皆川家に仕えており、皆川葉月のお付きとして、彼女の部活動全般を全力でサポートしている。非常に感情の起伏が激しく、葉月のやることなすことすべてに感激し、涙を流してしまう。

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