パッション・パレード

パッション・パレード

『朱鷺色三角』の続編。主人公である高校生の穂津見霖が、アメリカのバスケットボールキャンプに参加し、文化の違いや人種差別に悩みながらも、貴重な友人を得て、成長していく姿を描く。

正式名称
パッション・パレード
ふりがな
ぱっしょん ぱれーど
作者
ジャンル
バスケットボール
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概要・あらすじ

バスケットの名選手、穂津見霖は1年間、モレリ・バスケットボール・キャンプと呼ばれるバスケットボール合宿に参加するためにアメリカに来ていた。キャンプの主催者であり、名指導者のグイド・モレリ宅に滞在し、一般の高校イースト・ハミルトン高校にも通うことにした。初めて訪れたその高校で穂津見霖は、皆が恐れ尊敬するスポーツの天才、キングという名前を耳にすることになる。

登場人物・キャラクター

穂津見 霖 (ほづみ りん)

16歳の高校生。優しくてまじめな性格。代々超能力を持つ瀬戸内の旧家の直系で、自身も微弱ながら念動力(サイコキネス)を持っている。アメリカで最初にその能力が発動した後、急速に衰え始める。バスケットボールの名選手で、グイドに才能を見出され、単身渡米する。キャンプにスカウトされ、同じ敷地のイースト・ハミルトン高校の3年生に編入した。 入学当初は人種・文化の違いに戸惑いや孤独を感じていたが、次第に様々なことを受け入れていく。忌まわしい穂津見の血を自分の代で絶やそうと「恋愛はしない」と決めていたが、辛い時にいつもそばにいてくれたジューンを愛するようになる。

坂本 零治 (さかもと れいじ)

霖の従兄弟で、実は異母兄。17歳。霖と同様に微力ながら精神移動能力(テレポーテーション)を持っている。霖の良き理解者で、彼のキャンプ行きも、零治が霖の元恋人ガヴィに話をしたからこそ実現した。常に年上の女性が側にいるが、つかず離れずの関係。人当たりが良くスマートだが、身内に対しては皮肉屋でキツくあたることが多い。 同族を愛してしまうという穂津見家の呪いに悩み、一時は登校拒否に陥る。1年休学後に復帰。頭は良く、学年では2年連続トップの座をキープしている。自分が今後どうすればいいのかわからず、「一番を目指しなさい」という先生の言葉をうけ、世界一の大学、ハーバード大学を目指す。 その準備のため、霖のいるアメリカに留学することになった。

森生 蕾 (もりお つぼみ)

霖の従姉妹で、まだ7歳ながら誰よりも強い超能力を持っている。関西で育ったため関西弁で話す。乱暴者で口が悪く、母親も手を焼いているが、霖にだけは非常に懐いている。夏休みを利用して、零とともに霖のいるアメリカへ渡り、そこでも騒動を起こす。霖のことが好きなジューンの気持ちを誰よりも早く知り、嫉妬。 霖がジューンと上手くいってからは、行き場のない感情をもてあまし、霖に対してもぶっきらぼうに接してしまう。零に対しては言いたいことをポンポン言う兄妹のような関係だったが、次第にお互いが大事な存在に変化していく。

グイド・モレリ

ガヴィの叔父で、霖のバスケットボールの才能を見出した人物。UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)を10回連続全米大学チャンピオンに導き、アメリカでバスケ選手を養成する私立学校モレリ・バスケットボールキャンプを主宰している。普段は面倒見がよく優しい性格だが、バスケの練習中はかなり厳しく、妥協を許さない。

ジューン・マクブライ

霖がイースト・ハミルトン高校で出会った黒人の女性。3年生で生徒会長を務める才女。頭の回転が速く、目上の男性にも対等に意見を言うほどの気の強さを持つ。校内のキャンプのあり方に疑問を感じて反発している。最初は霖の案内役を学校から命じられただけだった。しかし、危なっかしい彼をほっとけないという母性本能が、恋愛感情へと変化していく。 キングの義姉であり、両親の再婚当時は彼に惹かれていた。

レジー・キング

イースト・ハミルトン高校及びキャンプに所属する黒人だが、学校にもキャンプにも滅多に姿を現さない。ポジションはセンターフォワード。天才的な運動能力はバスケに限らず、野球やアメフト、サッカーなどどのスポーツでも通用する。天才ゆえに自分と対等に戦える相手が存在しないため常に冷めている。 圧倒的なカリスマ性を持ち、周囲からは畏怖と憧れの目で見られている。ジューンとは義姉弟の関係。霖がチームメイトの白人たちに襲われ、思わず念動力を発動した時に居合わせたため、霖に興味を持つ。

マイケル・オーエンス

キャンプに所属するシカゴのスラム出身の黒人。毒舌家。霖が初めてコートを見学しに来た時、仲間と悪ふざけで出迎えた。バスケ選手としては優秀で、キャンプで一番小柄ながらも抜群のクイックネスを持つ。頭も良く、チームのブレインとしてリードしている。霖のことをからかいながらも、面倒を見てあげるお節介な面もある。 霖のバスケの能力を認め、次第に親友となっていく。ジューンとは小学校のころ近所に住んでおり、幼馴染で仲がいい。麻薬事件に巻き込まれるも、周囲の働きで無事、大学に推薦で行けるようになった。

ダニエル・ローター

キャンプのチームメイト。白人。チアガールの女の子に夢中。体つきはいいが、直情的で暴走しがち。霖が来る前までは、ウエインの腰ぎんちゃくだったが、あることがきっかけで霖にコーチをしてもらってからは友達になる。

港 ゆりえ (みなと ゆりえ)

零のことが大好きで、零に会うため、1週間だけアメリカにやって来た日本人の女の子。その際、スラムに迷い込んでしまい、荷物をすられそうになっているところを、ジョーカーが助け危機を脱した。彼女の発音がおかしくて、ジョーカーはすっかり気に入ってしまう。彼女自身もチャーミングなジョーカーの魅力に惹かれ、帰国後も彼を想う日々が続く。

ガヴィエラ・モレリ

グイドの姪で、零の元恋人。しばらくの間、日本で暮らしていたが、アメリカの大学でビジネスコースを学ぶため、アメリカに帰国した。トップモデル並みの美貌を持つ。夏の間は、アメリカに来たばかりの零と蕾の英語の家庭教師を請け負う。零とは友人関係を続けているが、いまだに愛している。 零に「愛したことは一度もない」と言われ、ショックを受けつつも、血の繋がりはなくても家族のように想っていることを告げられ救われる。

アイラ・ウィルクス

キャンプのグルーピーの女の子。隣の市の高校生で、キャンプの男の子を見に週末にやって来る。そこで孤立する霖に目を付け、ドラッグパーティーに誘う。霖はマリファナを吸ってしまうが、その後駆けつけたジューンたちのおかげで大事には至らなかった。何者にもなれない自分が嫌で、メチャクチャをすることで自分が生きていることを実感していたが、霖と出会い変わっていく。 その後は、友人として交友を続けているが、彼女は一方的に霖に好意を持ち、ジューンをライバル視している。

トーマス・ウエイン

キャンプのチームメイト。白人。人種差別意識が強く、黄色人種の霖がキャンプに入って来た時も暴行騒ぎになるくらい突っかかっていた。ゆりえがアメリカに来た時は何者かも知らずにナンパしたこともある。キャンプ卒業の日、夏に試合したチームに袋叩きにあう霖とジューンを見て、憎まれ口をたたきながらもキングに報告し、助けを呼んだ。

バーニー・カニンガム

グイドとは10年来の付き合いで、右腕としてキャンプの第2コーチを務めている。物腰が柔らかく、メンタル面で選手を支えている。実はゲイで、男性の恋人もいるが、周囲には秘密にしている。バーニーの家に招待された霖は、痴話げんかに巻き込まれ、その秘密を知ってしまう。

場所

モレリ・バスケットボールキャンプ

アメリカのイリノイ州にある、グイドが主宰するバスケ選手を養成する私立学校。イースト・ハミルトン高校に敷地を借りている。毎年8月に入団テストがあり、合格すれば1年間グイドのコーチが受けられる。資格は16歳~18歳の男子。プロのバスケットボール選手になるために、全米から生徒がやってくる。 キャンプ卒業後はプロ選手になる者が多いため、在学中から彼らを追っかける女の子たちも多い。学校としての規模は小さいが、背後には巨大なスポンサーがついていると言われている。

前作

朱鷺色三角 (ときいろとらいあんぐる)

主人公の穂津見霖の一族は、超能力で瀬戸内海の海賊から島を守ってきたという特殊な一族。最初の2話は「螢たちは笑う」というタイトルで前後編が発表され、その後「朱鷺色三角」というタイトルで連載がスタートした... 関連ページ:朱鷺色三角

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