まじめに不純異性交遊

まじめに不純異性交遊

清純派女子高校生の賀茂川美波と、クールでまじめな男子大学生の藤堂静は、実はどちらも恋愛経験がなく、さらに外見からはまったく想像のつかないむっつりスケベ同士だった。そんな二人のピュアな恋愛模様を描く、ステップアップラブコメディ。八田あかりの初単行本である読み切り集『はじめてのお付き合い』に登場する伊織と、本作の美波が実はいとこ同士だったりと、世界観を共有している。講談社「デザート」2019年7月号から2020年10月号にかけて、別冊付録に掲載された作品。

正式名称
まじめに不純異性交遊
ふりがな
まじめにおつきあい
作者
ジャンル
ラブコメ
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あらすじ

女子高校生の賀茂川美波は、周囲からはまじめで清楚な美少女と見られていたが、エッチな漫画を読み、それをアルバイト先の男子大学生の藤堂静に重ね合わせて妄想することで、日々の抑圧を発散するむっつりスケベだった。そんなある日、美波はアルバイト先のスタッフルームのテーブルに、うっかり自分のエロ漫画を置き忘れてしまう。誰のものかと騒然とする中、その本に掛けられていたブックカバーに見覚えのあった藤堂は、美波をかばうために自分のものだと名乗り出る。だが、藤堂に理不尽な辱めを受けさせるわけにはいかないと、美波はその本が自分のものであることを白状し、逃げるようにその場を立ち去る。慌てた藤堂は美波を追い、彼女を自分の部屋へと連れていく。そしてタンスを開けてエロ本を散乱させながら、美波に自分も同類であることを明かし、そして「もっと美波ちゃんに触りたい」と、妙な告白をするのだった。その言葉を聞いた美波は間髪入れずに自分も同じ気持ちであることを告げ、二人は最終目標を性行為に定めて、交際を開始する。(第1話「そのエロ漫画は私のです!!」)

高校3年生になった美波は受験勉強に専念するためにアルバイトを辞め、藤堂と会う機会がめっきり減っていた。そんな中、大学説明会で藤堂の通う大学に訪れた美波は、久々に藤堂と対面する。ちょうど80周年記念の創立祭が行われているということで、にぎわう大学内をいっしょに見て回るうちに、藤堂と美波は、藤堂の幼なじみにして親友でもあるという、吉沢このか山野孝人に出会う。藤堂の提案により、四人はいっしょに創立祭を回ることになるが、そこでこのかと藤堂の親しげな様子を見た美波は、このかの秘めた恋心を察する。(第6話「この人一体…何者!?)

登場人物・キャラクター

賀茂川 美波 (かもがわ みなみ)

飲食店「磯辺屋」でアルバイトをしている女子高校生。両親と弟の賀茂川蒼永の四人家族で、犬を一匹飼っている。淡い色のロングヘアの清楚な美少女で、美波の父親の厳しいしつけの影響から、「まじめで誠実」をモットーに日々生活している。その外見とは裏腹に自宅には大量のエロ漫画を所持しているほどの相当なむっつりスケベ。同じアルバイト先で働く藤堂静に思いを寄せており、のちに職場で自分がエロ本を持ち歩いていることが発覚した際にかばってもらったことをきっかけに互いの気持ちを知り、彼と付き合うようになる。藤堂とエロいことをしたいという欲求は強いものの、恋愛経験の少なさと生来の生まじめさと、彼氏が自分とまったく同じタイプの藤堂という点もあり、小さなことからコツコツと少しずつ着実に愛を育んでいく。

藤堂 静 (とうどう しずか)

飲食店「磯辺屋」でアルバイトをしている男子大学生。大学院への進学を希望している。現在は家を出て一人暮らししているが、実家には年の離れた弟妹がいる。ちなみに弟妹ともに自分とは腹違いだが、いっしょに遊んであげたりと非常に仲がいい。黒髪ショートヘアのイケメンでクールに見えるが、実際は気配り上手で心優しく、賀茂川美波のあこがれの存在。外見からはまったく想像がつかないものの、実はかなりのむっつりスケベかつ童貞で、家には大量のエロ本を隠し持っている。もともと美波に思いを寄せており、職場で彼女がエロ本を持ち歩いていることが発覚した際には、その本は自分のものだとウソをついて美波をかばおうとした。この一件をきっかけに互いの気持ちを知り、美波と付き合うようになる。美波とエロいことをしたいという欲求は強いものの、恋愛経験の少なさと生来の生まじめと、彼女が自分とまったく同じタイプの美波という点もあり、小さなことからコツコツと少しずつ着実に愛を育んでいく。

美波の父親 (みなみのちちおや)

賀茂川美波の父親。短髪で細身の体型をしている中年男性。子供の不純異性交遊は断固許さず、また門限も厳しいなど非常に厳格で、美波の人格形成に大きな影響を与えてきた。なんにでも制限をかけることから、美波には態度には出さないながらも疎まれていたが、これらは父親として娘のことを思うが故の行動である。当初は藤堂静と美波の交際も認めず美波に猛反発されるものの、藤堂は美波の父親の言葉を正論であると受け止め、あらためて父親の気持ちになって考えてみるように美波を説得。そのうえで美波の父親に、二人で努力して理性的な大人になることを宣言。これにより、高校卒業までは娘に手を出さないということを条件に、経過観察の名目で二人の交際を黙認するようになる。この時、「ただし応援はしない」と告げていたが、のちに美波の大学合格を機に、美波のことを藤堂に任せると決意する。ちなみに、妻には頭が上がらない。

山野 孝人 (やまの たかと)

藤堂静の幼なじみにして親友の青年。ファッション好きで、金髪を後頭部で無造作に小さくまとめている。あご髭を生やし、口調の軽いチャラい雰囲気を漂わせている。一方で恋愛に対しては一途で、長年にわたって吉沢このかに思いを寄せている。ただ、彼女が藤堂を好きなことを知っているため、自分の思いを伝えてはいない。

吉沢 このか (よしざわ このか)

藤堂静の幼なじみにして親友の女子大学生。セミロングヘアのファッショナブルな美人で、Gカップの巨乳を武器に、「吉沢かのこ」の芸名でグラビアモデルとしても活動している。長年にわたって藤堂に思いを寄せていたが、幼なじみで親友という関係を壊すのが怖く、その思いを伝えられずにいた。藤堂に彼女として賀茂川美波を紹介されたのを機に自分の気持ちに一区切りつけ、藤堂と美波のことを応援するようになる。その後、山野孝人からさりげなくアプローチを受けるが、彼の気持ちには気づいていない。

賀茂川 蒼永 (かもがわ あおと)

賀茂川美波の3歳年下の弟で、淡い色の髪をショートヘアにしている。物静かで礼儀正しく落ち着いた性格で、年齢のわりに非常に大人びている。実は要領がよく、表面上そんな気配はいっさい見せないものの、父親の課した不純異性交遊禁止という条項もまったく守っておらず、恋愛経験も非常に豊富。また、美波がむっつりスケベであることを知る数少ない一人でもある。

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