もののがたり

もののがたり

オニグンソウの代表作。千年の都・京都を舞台に、歳を経た器物に心が宿った「付喪神(つくもがみ)」が存在する世界を描いた物語。付喪神を憎む青年、岐(くなと)兵馬と、付喪神を家族のように愛する女子大学生、長月ぼたんとの同居生活、そして人に害をなす悪しき付喪神との戦いを軸に展開される。兵馬の祖父、造兵は、過去に囚われて力ずくで付喪神を封殺し続ける兵馬に変化を期待し、ぼたんたちと共同生活を送ることを提案する。これをきっかけに、日々の触れ合いを通して異なる価値観を持つ彼らは関係を深めていく。本作は、付喪神という日本の伝承的な存在をテーマに、人と物との関係性、絆と恋という要素を重層的に描いた青年漫画。作中では、付喪神や特殊な魂「マレビト」、そして常世(とこよ)と現世という二つの世界が設定された世界観が構築されている。また、ぼたんは人間でありながらマレビトを宿した「憑坐(よりまし)」という、人間と付喪神が共存するための重要な存在であり、この設定が物語の根幹を成している。集英社「ミラクルジャンプ」2014年5月号から2016年1月号まで連載後、同社「ウルトラジャンプ」2016年2月号から2023年7月号まで連載。テレビアニメ化され、2023年1月から第一章、2023年7月から第二章が放送された。

正式名称
もののがたり
ふりがな
もののがたり
作者
ジャンル
オカルト
レーベル
ヤングジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊16巻
関連商品
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作品の概要

基本情報

オニグンソウの代表作。

要旨と舞台設定

千年の都・京都を舞台に、歳を経た器物に心が宿った「付喪神」が存在する世界を描いた物語。付喪神を憎む青年、兵馬と、付喪神を家族のように愛する女子大学生、ぼたんとの同居生活、そして人に害をなす付喪神との戦いが展開される。

ストーリー展開

かつて付喪神に兄姉を殺された兵馬は、人に害をなす付喪神を取り締まる「塞眼(さえのめ)」の活動を続ける中で、付喪神と共に暮らす女子大学生、ぼたんと出会う。兵馬の祖父、造兵は、過去に囚われて力ずくで付喪神を封殺し続ける兵馬に変化を期待し、ぼたんたちと共同生活を送ることを提案する。これをきっかけに、日々の触れ合いを通して異なる価値観を持つ彼らは関係を深めていく。

ジャンル的特徴と位置づけ

本作は、付喪神という日本の伝承的な存在をテーマに、人と物との関係性、絆と恋という要素を重層的に描いた青年漫画。人間の男女と付喪神が共同生活を送るという設定により、異なる立場や価値観を持つ者同士の交流を描写する基盤が構成されている。

作品固有の表現技法と特徴

物語では、付喪神という存在を通じて人と物の関係性が描かれている。古びた器物に心が宿った存在として設定された付喪神は、歳を経た器物が神さびて心を宿すことで生まれるとされる。また、常世と現世という二つの世界の概念を用いて、現実世界と超自然的な世界の境界が表現されている。

世界観の構築と設定

作中では、付喪神や特殊な魂「マレビト」、そして常世と現世という二つの世界が設定された世界観が構築されている。付喪神は歳を経た器物に心が宿った存在として定義され、これらは常世と現世をつなぐ役割を果たす。また、ぼたんは人間でありながらマレビトを宿した「憑坐」という、人間と付喪神が共存するための重要な存在であり、この設定が物語の根幹を成している。

連載状況

集英社「ミラクルジャンプ」2014年5月号から2016年1月号まで連載後、同社「ウルトラジャンプ」2016年2月号から2023年7月号まで連載。

メディアミックス情報

テレビアニメ

第一章:2023年1月から3月までTOKYO MXほかにて放送。制作はBN Pictures。岐兵馬を大塚剛央、長月ぼたんを高田憂希が演じる。

第二章:2023年7月から9月まで放送。

器物が変化した霊的存在「付喪神(つくもがみ)」と、それを取り締まる組織「塞眼(さえのめ)」

本作『もののがたり』では、現世のほかに「常世」と呼ばれる異世界が存在し、時おり霊的な存在が常世から現世に迷い込むことがある。彼らは人の目に見えず、干渉することもできないが、現世にある古い器物に憑依(ひょうい)することで人間に似た形を取ることが可能で、この形態を「付喪神」と呼ぶ。付喪神は、基本的に人間によく似たメンタリティを持っているが、中には現代社会に悪影響を及ぼすものもいる。これらの付喪神を説得し、あるいは戦って常世に戻す役割を担う人間が「塞眼」である。塞眼は日本各地に組織を形成しており、所属する家系ごとに異なる霊的技能を持つ。中でも、岐家、八衢家、辻家の三家の塞眼たちは強大な力を行使できる。

付喪神を憎む青年と愛する少女

本作の主役である岐兵馬と長月ぼたんは、兵馬の祖父である岐造兵の計らいから、京都で共同生活を送っている。兵馬は、幼い頃に兄の岐隼人と姉の岐鼓吹を付喪神に殺害された経緯から、付喪神すべてに憎悪と不信感を抱いている。一方、ぼたんは「婚礼調度」と呼ばれる嫁入り道具をもとにした付喪神たちと家族のように接しているため、兵馬とは対称的に彼らを信頼している。この差異は、共同生活を始めたばかりの二人の関係がぎこちない原因になっていたが、やがて兵馬と婚礼調度が歩み寄ることで改善されていく。また婚礼調度は、その全員がぼたんの夫となる人間が現れることを望んでおり、やがて兵馬をその候補として見定めるようになる。兵馬とぼたんの関係は、本作の根幹の一つに位置付けられ、その発展も大きな見どころとなっている。

悪しき付喪神「藁座廻」

物語が進むにつれて、岐兵馬の家族を殺害した付喪神の正体が判明する。彼らは、常世の霊が唐傘に宿ることで誕生した「藁座廻(わらざまわし)」と呼ばれる集団だった。ぼたんの中に存在する超常的存在「現人神」を崇拝しており、彼女をぼたんから解放することを目論んでいるため、必然的にぼたんや婚礼調度たちからも警戒されている。さらに、藁座廻は現世と常世をつなげて自由に行き来できる状態にすることを望んでおり、これが実現すると二つの世界に大きな混乱が生じることから、やがて塞眼たちから最重要討伐対象に認定される。なお、兵馬は当初藁座廻を復讐相手としか認識していなかったが、彼らが長月ぼたんを狙っていることを知ると、復讐よりぼたんを守るために戦うことを優先するようになる。

登場人物・キャラクター

岐 兵馬 (くなと ひょうま)

塞眼を輩出する一族「岐家」の次期当主にあたる青年。年齢は21歳。生真面目な性格で、古風な振る舞いや筋を通すことを信条としている。一方で頑固なところがあり、自らの考えを変えることを苦手としている。厳(いか)つい見た目に反して家事が得意で、実家では料理から庭の管理まで一人でこなしていた。慕っていた兄と姉を「唐傘の付喪神」と呼ばれる存在に殺害され、それ以来付喪神に強い憎しみを抱いている。塞眼としての実力は高いが、その憎しみゆえに任務中に問答無用で付喪神を始末しようとする傾向がある。このことを危険視した祖父の岐造兵の計らいで長月家に預けられ、当主である長月ぼたんや、彼女に従う「婚礼調度」と呼ばれる6体の付喪神との交流を余儀なくされる。当初は婚礼調度をまったく信用しておらず、それをぼたんに打ち明けたところ、彼女に涙ながらに激昂(げきこう)されてしまう。自分の不用意な言動から彼女を傷つけてしまったと認識し、歩み寄る意思を示すため、3日以内に婚礼調度の六人から支持を得られなければ長月家を出ていくという条件を自らに課す。そして無事に条件を達成したことで、改めて長月家の居候として暮らすことになる。だが、その矢先に岐兵馬自身が長月ぼたんの未来の結婚相手候補に選ばれていたことを知り、大きく動揺する。

長月 ぼたん (ながつき ぼたん)

長月家の当主にあたる女子大学生。年齢は20歳。明るい性格で気遣いに長(た)け、共に暮らしている6体の付喪神「婚礼調度」のことを実の家族のように愛している。ただし、彼らが長月ぼたん自身の結婚相手を探していることには辟易(へきえき)しており、岐兵馬もその候補になったことを知った際は、呆(あき)れると共に兵馬に対する申し訳なさを感じていた。人間でありながら「マレビト」と呼ばれる付喪神の命の源を宿しており、やがてすべての付喪神を統べる「現人神」と呼ばれる存在に成り得ることが示唆されている。幼い頃からその力を利用しようとする人間や付喪神に狙われることが多く、そのことに怯(おび)えながらも、守ってくれる婚礼調度たちに感謝している。

書誌情報

もののがたり 16巻 集英社〈ヤングジャンプコミックス〉

第1巻

(2015-03-19発行、978-4088901077)

第2巻

(2015-04-01発行、978-4088901633)

第3巻

(2015-12-01発行、978-4088903262)

第4巻

(2016-05-01発行、978-4088904474)

第5巻

(2016-12-01発行、978-4088905556)

第6巻

(2017-06-01発行、978-4088906881)

第7巻

(2018-01-01発行、978-4088908465)

第8巻

(2018-06-01発行、978-4088910529)

第9巻

(2019-01-01発行、978-4088912189)

第10巻

(2019-09-01発行、978-4088913544)

第11巻

(2020-05-01発行、978-4088915128)

第12巻

(2021-01-01発行、978-4088918211)

第13巻

(2021-11-01発行、978-4088921143)

第14巻

(2022-05-18発行、978-4088922805)

第15巻

(2023-01-19発行、978-4088925790)

第16巻

(2023-08-18発行、978-4088927664)

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