低俗霊狩り

低俗霊狩り

「低級霊ハンター」の女性が、行く先々で発生する霊に関するトラブルを解決していく姿を描いたオカルトホラー。「月刊コミコミ」「ヤングアニマル」「ヤングアニマル ハリケーン増刊」など多数の雑誌に掲載され、奥瀬サキ自身が発行した同人誌でも物語が展開されている。

正式名称
低俗霊狩り
作者
ジャンル
お化け・妖怪
 
オカルト
レーベル
小学館文庫(小学館) / ガムコミックスプラス(ワニブックス)
巻数
全2巻
関連商品
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あらすじ

流香魔魅は、主に低級な霊が起こすトラブルを解決する「低級霊ハンター」。知人の水前寺龍揮からの紹介や、学校校長、建設会社社長などから依頼を受け、女性に性的な嫌がらせをする霊や、人間関係のトラブルで悪霊と化した霊の除霊を行っている。時に自身も被害に遭いながらも、魔魅の親身なふるまいは被害に遭った人々と霊そのものの心を鎮めていく。

関連作品

関連作品として、奥瀬サキが原作を担当した『低俗霊MONOPHOBIA』と『低俗霊DAYDREAM』がある。本作『低俗霊狩り』を含めたこの3作は、いずれも霊を題材とした物語で「低俗霊」シリーズと呼ばれ、特に『低俗霊DAYDREAM』は「『低俗霊狩り』のリメイク版を執筆してほしい」という注文により生まれた。また、『低俗霊狩り』のイメージ楽曲やボイスドラマが収録されたイメージアルバム『低俗霊狩り SADISTIC DOMINA』には、『低俗霊DAYDREAM』の主人公である崔樹深小姫も登場する。

メディアミックス

1994年3月、本作『低俗霊狩り』のイメージアルバム『低俗霊狩り SADISTIC DOMINA』がリリースされた。奥瀬サキが自ら作詞とシナリオを手掛けた『低俗霊狩り』のイメージ楽曲とボイスドラマが収録されており、流香魔魅役を川村万梨阿が演じた。

作家情報

奥瀬サキは、主に少年誌、青年誌で活躍中の男性漫画家。誕生日は1966年9月18日で、出身地は神奈川県。旧名義は「奥瀬早紀」。1985年にデビューし、他の作品に『コックリさんが通る』『東京裏路地キリヌキ』などがある。漫画原作も多く手掛けており、本作『低俗霊狩り』の続編にあたる『低俗霊DAYDREAM』(漫画:目黒三吉)、『低俗霊MONOPHOBIA』(漫画:刻夜セイゴ)などがある。

登場人物・キャラクター

流香 魔魅 (りゅうか まみ)

低級霊ハンターとして活動する若い女性。周囲には「低級霊」ではなく「低俗霊」と誤解されることが多く、一般的には「低俗霊ハンター」として知られている。175センチの長身に前髪を目の上で切りそろえ、胸まで伸ばしたストレートロングヘアをしている。一見クールだが、明るくユーモアがあり、困っている人を見過ごせない心優しい性格。高校を中退後、霊に憑かれた人を助ける治療をしたり、霊に関する問題を根絶する仕事をしている。 長身で美しく、ミステリアスな雰囲気から女性の人気が非常に高く、特に年下の女性からもてる。魔魅自身もまんざらではないが、特定の恋人はおらず恋愛からは遠ざかっている。人間のみならず、動物霊、精霊、物の怪といったあらゆる自然霊にも好かれている。 低級霊ハンターの仕事だけでは生活できないため、アダルト雑誌「月刊 コッカトリス」にアダルトビデオ紹介記事「マミおねえさまのビデオソフト紹介コーナー」「実戦向け今月の特選ビデオ」を連載している。

水前寺 龍揮 (すいぜんじ たつき)

流香魔魅の知人で、魔魅と同様に霊に関するトラブルを解決する職業「拝み屋」として活動する若い男性。大呪術師である水前寺草雲の息子でもある。前髪を目の上で切って右寄りの位置で分け、癖のある髪の毛を襟足まで伸ばして眼鏡をかけている。温和な性格で、話す時は基本的に敬語。魔魅に好意を寄せており、個人でも活動するかたわら、魔魅に仕事を紹介したり、協力を要請することもある。 また、隙あらば魔魅と親しくなろうと策略をめぐらせている。

田中 源一郎 (たなか げんいちろう)

高校教師を務める若い男性。担当教科は国語。前髪を右寄りの位置で斜めに分け、癖のある髪の毛を襟足まで伸ばして眼鏡をかけている。アダルトビデオが好きで、すぐに性的な話題を持ち出す変態だが、非常に生徒想いで涙もろい性格。流香魔魅とは、最初は松島加奈子が巻き込まれた事件で知り合い、その後転任先の高校で沼田由子の行方不明事件が発生した際に、魔魅が調査に訪れたことで再会する。 実は、霊に関するトラブルが発生した学校に赴任して問題を解決する「第二臨教特命教師」だが、その正体は隠している。

流香 耶里 (りゅうか みさと)

流香魔魅の弟で、中学3年生の男子。前髪を目の上で切り、襟足まで伸ばしたストレートヘアをしている。ピュアで正義感の強い、真面目な性格。魔魅を慕っており、少し顔を合わせなかっただけで心配するほど溺愛している。霊と戦う能力はないが、霊に関する事件に巻き込まれやすい。

松島 加奈子 (まつしま かなこ)

田中源一郎の勤める高校に通う2年生の女子。前髪を目の上で切り、肩まで伸ばしたボブヘアを、左サイドだけヘアピンを付けてまとめている。校内で発生するスカートめくりの低俗霊の被害に遭っており、事件解決のため流香魔魅に協力することになる。低俗霊の被害に遭っても寛容な心を持つ優しい性格。魔魅に憧れている。

林 かほり (はやし かほり)

別の地域から東京都まで家出して来た高校2年生の女子。前髪を目の上で切り、胸のあたりまで伸ばしたストレートロングヘアをしている。乳鬼に憑かれており、その影響で周囲の男性に「かほりの胸を触りたい」という欲求を抱かせてしまい、頻繁に胸を触られる被害に遭って深く傷ついていた。そこを水前寺龍揮に保護され、流香魔魅の治療を受けることになる。 魔魅に憧れている。

乳鬼 (にゅうき)

女性の胸に異常な執着と憎しみを持つ霊。発達した犬歯と真紅の瞳、男性が10人束になってもかなわない怪力を持つ。人間の女性に憑依して、別の女性の胸を握りつぶして歩くことから、警察では通り魔の一種と考えられている。元は自分の小さな胸にコンプレックスを持つ1人の女性の霊だったが、多数の女性を呪い、巻き込むうちに、多くの女性の呪いが集合した姿になっている。

佐々木 良美 (ささき よしみ)

田中源一郎の転任先の高校に通う3年生の女子。前髪を目の上で切り、胸まで伸ばしたストレートロングヘアをしている。男性のような口調で話す男勝りな性格。校内で突如失踪した沼田由子とは同じバスケットボール部に所属していたことから親しく、失踪前に由子からラブレターを受け取っていた。交際を前向きに考えていたところに由子が行方不明となり、由子を探すために流香魔魅に協力することになる。

吉本 紀子 (よしもと のりこ)

高校生の女子。前髪を目の上で切り、顎の高さまで伸ばしたボブヘアをしている。友人の風見美奈子と下校中、ある階段を利用した際に、目に見えない何かに身体じゅうを触られるという被害に遭う。そのため水前寺龍揮に調査を依頼し、それが縁で流香魔魅とも知り合った。

ヒロシ

流香耶里と同じ中学校に通う同級生の男子。前髪を目の上で切って右寄りの位置で分け、癖のある髪の毛を襟足まで伸ばしている。耶里とヒロシの同級生、浅香真奈美を殺した犯人の疑いがある。自殺した姉の件で、浅香真奈美の父親に強い憎しみを抱いている。

篁 誄子 (たかむら るいこ)

流香魔魅の高校時代の先輩で、アダルトビデオ会社の社長を務める若い女性。前髪を目の上で切り、肩につくほどのセミロングヘアを外にはねさせている。高校時代、魔魅とともにバレーボール部に所属しており、魔魅の高校中退後もよく会っている仲。魔魅のことを気に入っており、自社の作品に出演してほしいと思っている。

秋山 亜希子 (あきやま あきこ)

高校生の女子。前髪を目の上で切り、胸まで伸ばしたストレートロングヘアをしている。幼い頃、近所の空き地で女性の幽霊を目撃するが、祖母にいさめられてからは近寄らないようにしていた。しかし、最近また同じ幽霊を目撃するようになってしまい悩んでいる。実は空き地で発生した殺人事件に関わりがあるが、亜希子自身はそれを知らずにいる。

黒岩 正吉 (くろいわ しょうきち)

建設会社社長を務める中年の男性。社長に就任する前は、町の議員として働いていた。前髪を上げて額を全開にし、撫でつけ髪にして眼鏡をかけている。工事現場になる予定の、ある空き地に発生する幽霊について調査するため、流香魔魅に依頼をする。実は空き地で発生した殺人事件に関わっているが、魔魅には言い出せずにいる。

美由紀 (みゆき)

流香魔魅の住むマンションの隣室に住む女子高校生。前髪を目の上で切り、胸のあたりまで伸ばしたロングヘアをポニーテールにしてまとめている。魔魅とは、食事を差し入れたり、一緒に遊ぶほど親しい。女性も恋愛対象で、酔っぱらった魔魅と関係を持つ。

磨津野 琢郎 (まつの たくろう)

私立真柳学園に、田中源一郎の転任と同時期に転校して来た男子。前髪を目の上で切り、癖のある髪の毛を肩につきそうなほど伸ばし、外にはねさせている。左頬に、爪でひっかかれたような3本の傷跡がある。ぶっきらぼうに見えるが心優しい性格。霊獣「犬神」の使い手で、所持する75匹の手に乗るほどの大きさの犬神「葵羅」を使役して霊と戦っている。 私立真柳学園で発生している連続女子生徒死亡事件を調査するために転校して来た。その過程で繰見塚果織と親しくなっていく。

繰見塚 紫織 (くみづか しおり)

繰見塚果織の姉で、私立真柳学園に通う女子。稀代の傀儡師である繰見塚晴玄の孫娘でもある。前髪を左寄りの位置で分け、胸まで伸ばしたストレートロングヘアをしている。人間のふりをして生活しているが、実際は晴玄が作り出した人形。そのため果織とは実の姉妹ではないが、本当の妹同様に大切に想っている。朔本耶亨の「悪魔召喚」の儀式に加担している疑いがある。

繰見塚 果織 (くみづか かおり)

繰見塚紫織の妹で、私立真柳学園に通う女子。稀代の傀儡師である繰見塚晴玄の孫娘でもある。前髪を目の上で切り、胸まで伸ばしたロングヘアを、2本の三つ編みにしてまとめている。以前から紫織の様子がおかしいことに気づいており、朔本耶亨との関わりを疑いつつも行動できずにいた。しかし磨津野琢郎に事実を知らされたことで、耶亨の「悪魔召喚」の儀式を止めるべく立ち上がる。 紫織ではなく、自分こそが人形なのではないかと考えており、自分自身に価値を見出せなくなっている。

朔本 耶亨 (さくもと やこう)

私立真柳学園で化学教師を務める若い男性。前髪を上げて額を全開にし、スポーツ刈りにしている。黒魔術に傾倒しており、失われた秘術「悪魔召喚」の復活を目論む。そのためのいけにえに使おうと、校内の女生徒を体育教師の大場陵二とともに襲い、殺している。最初に「悪魔召喚」を行おうとした際に、実の姉の朔本冬美を捧げたことから精神に異常をきたし、現在も冬美に強い執着心を抱いている。

繰見塚 晴玄 (くみづか せいげん)

稀代の傀儡師で大幻術師の男性。繰見塚紫織と繰見塚果織の祖父でもある。人形使いとして通常の人形制作を行うかたわら、幻術を用いて実在する人間の影武者の人形も作っていた。晴玄の作る人形は幻術がかかっているため人間と見分けがつかず、本物の人間のように肉体的成長を遂げているように見える。そのため、繰見塚姉妹はどちらかが人形であるという疑いをもたれつつも、それが紫織なのか果織なのかはわからなくなっている。

大場 陵二 (おおば りょうじ)

私立真柳学園で体育教師を務める若い男性。前髪を眉上で短く切ったスポーツ刈りをしている。粗暴で暴力的な性格。以前、石井このみが恋人に苦しめられていることを知り、その恋人を衝動的に殺してしまった。それを朔本耶亨に目撃されており、以来、耶亨の「悪魔召喚」に協力している。

石井 このみ (いしい このみ)

私立真柳学園で体育教師を務める若い女性。前髪を目の上で切り、顎の高さで切りそろえたボブヘアをしている。かつて恋人に入れ込み、恋人に貢ぐお金を工面するために風俗でアルバイトをしていた。それを知った大場陵二に助けられるが、陵二が恋人を殺してしまう。このせいで陵二が朔本耶亨に利用され、耶亨の悪事に加担していることを知っているが、何もできずにいる。

秋吉 麗子 (あきよし れいこ)

秋吉俊彦の妹で女子高校生。前髪を目の上で切って真ん中で分け、胸まで伸ばしたストレートロングヘアをしている。ある日、電車に乗っていて、痴漢の疑いをかけられていた流香耶里を助けたことで耶里と知り合う。その後アルバイト先の花屋に耶里が偶然訪れたことで再会し、親しくなった。自殺した兄の俊彦のことを長らく嫌っていたが、兄の死後初めて事故現場の踏切へ献花に向かった際、最近電車内で頻発している痴漢が、俊彦の霊によるものだと知る。 そのため、耶里とともに流香魔魅に協力を申し出る。空手を習っており、腕っぷしが非常に強い。

秋吉 俊彦 (あきよし としひこ)

秋吉麗子の兄で故人。前髪を目の上で切り、襟足まで伸ばした髪に眼鏡をかけている。中学校時代いじめに遭い不登校となり、自宅で猛勉強して大学検定試験に受かるが、大学受験当日に踏切に飛び込んで自殺した。生前女性に冷たくされた経験から、女性の身体に強い執着を抱いており、死後、電車内に出現する痴漢の幽霊となってしまった。

五十川 愛羽 (いそかわ あいは)

女子高校生で故人。前髪を目の上で切り、顎の高さまで伸ばしたボブヘアをしている。男勝りで、乱暴な口調で話す。サッカーが好きで、高校受験時は女子サッカー部のある学校を受験するが落ちてしまい、入学した高校では弓道部に所属していた。周囲には充実した生活を送っているように見えたが、ある日部活仲間の浅野公武の見ている前で校舎の屋上から落ちて亡くなった。 両親とは距離があり、淋しい思いをしていた。

浅野 公武 (あさの きみたけ)

五十川愛羽と生前親しくしていた男子高校生。前髪を目の上で切り、襟足まで伸ばしている。愛羽が校舎の屋上から落ちた際、一緒にいたことから、周囲からは愛羽を殺した疑いがかけられている。そのため校内ではいじめに遭い、愛羽の父親からも命を狙われているが、愛羽の死亡原因をかたくなに語らず、秘密を守っている。

橋田 (はしだ)

幼稚園のバスの運転手を務めていた男性で故人。スーツ姿に紙袋をかぶった姿で登場する。園児たちに非常に好かれており、園児たちの言葉によく「ハッピー」と返事することから「ハッピーさん」と呼ばれていた。しかし、ある日別の運転手の運転する幼稚園バスに添乗した際、運転手の飲酒運転が原因で、他の園児数名とともに亡くなった。幽霊となり、園児たちと遊んでいたところに偶然通りがかった流香魔魅を招き、一緒に遊ぶことになる。

水前寺 草雲 (すいぜんじ そううん)

流香魔魅の師匠で、水前寺龍揮の父親。箱根で暮らしている。前髪を左寄りの位置で分けて目の上で切り、肩につくほどまで伸ばした髪を後ろで1つに結んでいる。のどに届きそうなほど長く顎ひげを伸ばし、眼鏡をかけている。ある日、繰見塚晴玄の霊のような存在が枕元に現れ、「自分を殺してほしい」と頼まれたことで晴玄の身に起きた異常を知る。 しかし、自身は事情により動けない状態にあったため、魔魅を呼び出し、自分の代わりに晴玄の殺人を依頼する。

上泉伊勢守信綱 (かみいずみいせのかみのぶつな)

水前寺草雲が飼っている猫又。一見、ふつうの黒猫と変わらない容姿をしているが、しっぽが根元で2つに分かれている。草雲や水前寺龍揮でもてこずるような存在だが、あらゆる自然霊に好かれる流香魔魅には非常になついている。

葵羅 (きら)

磨津野琢郎が使役する犬神たち。総勢75匹おり、手乗りサイズのリス、あるいはネズミのような姿をしている。もとは琢郎の飼う1匹の猫であったが、磨津野家のしきたりにより、成獣になったときに他の4つ足の生き物74匹の命を与えられて強化され、犬神となった。

流香 弥里 (りゅうか みさと)

流香魔魅の弟。初登場時は中学生だが、物語の進行と共に高校生となる。霊能力はないが成績優秀、スポーツ万能でかなりの美形。性格は気さくで明るく、素直。母と共にしばらくアメリカで暮らしており、その際、格闘技を習得した。

その他キーワード

水前寺草雲のまやかしの鈴 (すいぜんじそううんのまやかしのすず)

水前寺草雲が所持する鈴。呪術がかけられており、所持していると、精霊や霊、物の怪の類は所持者の姿を認識できなくなる。また、所持すると、霊能力のない者にも霊などが見えるようになる。

呪言入れ (くちいれ)

対象に口づけすることによって、呪術を対象に直接送り込む行為。呪言入れを行うことにより、本来霊の見えない人間も、霊が見えるようになる。流香魔魅もこれを使っている。

口寄せ (くちよせ)

死人の霊や生き霊を呼び出し、死者を生き返らせる行為。生きた人間にこれを行うと、体は朽ちるものの、人間そのものは死なずに生き長らえるようになると言われている。

書誌情報

低俗霊狩り 全2巻 小学館〈小学館文庫〉 完結

第1巻

(1998年11月発行、 978-4091932112)

第2巻

(1998年11月発行、 978-4091932129)

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