概要・あらすじ
秋田県から上京してきた女子高生・円ハルは、女優志望の駆け出しアイドルである。デビューを目指しながら一人暮らしを始めて3か月。まだ仕事らしい仕事は何一つしていなかった。それでもなんとか暮らしていけるのは、所属事務所から手取りで4万5千円という給与をもらっているからだ。とはいえ、生活していくにはけっこうお金がかかるものである。ハルは細かく家計簿をつけ、節約に励んでいた。苦しい家計の中から、毎月5千円ずつ貯金し、洗濯機を買うことが目下の夢だったのである。次の給料日まであと9日、残金500円という状況に陥ったある日、マネージャーの田所から、念願だった初仕事の連絡を受ける。内容は、Web雑誌の新人タレントインタビューである。喜ぶハルだったが、「写真撮影があるから服を買っておいて」という一文に呆然とする。タレントの衣装は基本的に自前なのだ。ハルは意を決し、洗濯機のために貯めていた1万5千円を握りしめ、原宿へと出かけた。しかし、かわいい服はどれも高くて手が出ない。困ったハルは、同じ事務所の立花みらいに紹介されたリサイクルショップで衣装をそろえた。そして撮影当日。事務所に現れたハルのTシャツには、ニコニコ笑う七福神の恵比寿天が、でかでかと描かれていた。それを見たマネージャーの田所は言葉を失うのであった。
登場人物・キャラクター
円 ハル (まどか はる)
15歳の女子高生。本名は円悠留。芸能プロダクション「菅生エンターテイメント」所属の駆け出しアイドルで、将来は女優を志望している。ショートカットと右目の下のホクロが特徴。普段はメガネ女子であり、招き猫のヘアピンをしている、明るく元気な天然少女。秋田県出身で、実家は雑貨屋。マネージャーの田所が秋田を訪れた際、ハルの実家「まどか商店」に立ち寄ったことがきっかけで、芸能界デビュー。月4万5千円の給与をもらいながら、東京で一人暮らしを始める。家電製品をそろえるため、毎月5千円ずつを貯金。きっちり家計簿をつけて節約生活を送る。
田所 (たどころ)
芸能プロダクション「菅生エンターテイメント」の社員で、円ハルのマネージャー。メガネと長い顎が特徴のヤセ型の男性。天然なハルを暖かく見守る。出張で秋田県に行った時、「まどか商店」でハルと出会う。かねてから芸能界を志望していたハルは、田所が芸能事務所の人間だとわかると、速攻で履歴書を提出。無邪気で元気なハルに癒やされた田所は、彼女をスカウトした。
書誌情報
アイドルの家計簿 3巻 小学館〈サンデーうぇぶりコミックス〉
第1巻
(2021-11-12発行、 978-4098508068)
第2巻
(2022-05-12発行、 978-4098511402)
第3巻
(2022-11-10発行、 978-4098513925)