あらすじ
第1巻
アイドルオタクの大学生、マサキの最推しメンバーは、地下アイドルグループに所属しているミカたん。ミカたんさえいれば幸せというマサキは、ライブのある日は食費を削ってでもミカたんに会いに行って握手をしたり、チェキを取って貰ったりと、オタクとして充実した日々を送っていた。そんなある日、マサキの住むアパートの隣室に引っ越してきたのは、なんとミカたん本人。驚くと同時に他人の空似を疑うも、彼女の特徴である八重歯とホクロの位置を確認すると、まぎれもなくミカたん本人であることが判明する。しかし顔を合わせても、よくイベントで会うはずのマサキのことなど、何も分かっていない様子のミカたんに、マサキはちょっとがっかりもしていた。だが、アイドルとして、遠い存在だったミカたんがとなりに引っ越してきたことで、もしかしたら付き合えるかもしれないという期待に胸を膨らませ、有頂天になるが、次の瞬間、マサキのメンタルは地に落とされることになる。突然となりから、激しい喘ぎ声が聞こえてきたのだ。ミカたんの喘ぎ声を聞く羽目になったマサキはショックを受けるが、実はそれはミカたんがマサキに聞かせるために用意した録音で偽のものだった。ミカたんは、わざと傷つけるような言動でマサキをどん底につき落とし、そのあとは優しく気のあるそぶりを見せては再び持ち上げ、マサキを動揺させて弄び、反応を楽しむ超ドSだったのだ。
第2巻
となりから聞こえてきた喘ぎ声を聞いて、最推しアイドルのミカたんがとなりの部屋で彼氏とエッチしていると思い込んだマサキは、意気消沈していた。しかし、落ち込みながらもライブ会場に向かい、ミカたんに元気づけられたことで、なんとか心を持ち直したマサキは、改めてプライベートで何があろうとミカたんを推し続ける決意をする。そんなある日、洗濯物を取りこもうとマサキが外へ出ると、室外機の上に女性用のパンツが落ちていることに気づく。すぐにミカたんのものだと気づいたマサキは、葛藤の末、そのパンツを持ち帰ってしまう。その直後、SNSで最近下着が減っている気がすると、ミカたんがつぶやいたのを見たマサキは、意を決してパンツを返すためにミカたんの部屋を訪れる。しかし、マサキの手にパンツが握りしめられていることに気づいたミカたんは、最低とマサキを罵ってショックを受けたように涙を流す。しかし、すべてはミカたんの仕組んだトラップに過ぎなかった。わざとパンツをマサキの目に留まるように置いて彼に持ち帰らせてから、SNSでつぶやくことによってマサキに罪悪感を植え付ける作戦だったのだ。そんなこととは知らないマサキは、ミカたんの誤解を解こうと必死に弁明。最近下着がなくなりがちだった原因をすべてマサキのせいにしようとするミカたんに、なんとかわかってもらおうと、マサキは潔白を証明するため自分の部屋を調べて欲しいと懇願する。それを受けてミカたんはマサキの部屋に入ることになり、こんなチャンスはめったにないと、大興奮する。
登場人物・キャラクター
マサキ
アパートで一人暮らし中の大学生男子。地下アイドルのミカたんが大好きなアイドルオタク。ある日、隣室にミカたん本人が引っ越してきたことに気づき、もしかしたら付き合うことも夢ではないのではと有頂天になる。しかしなぜか、隣室からは喘ぎ声が聞こえて来たり、マサキ自身がプレゼントしたはずのぬいぐるみをゴミ箱に捨てる瞬間を目にしたりと、ミカたんの私生活を垣間見ることでショックを受けることばかりが発生する。それでもなお、アイドルとプライベートは別と、頭では理解しようとするものの、感情が追いつかずに落ち込む日々を送っている。そのたびに、SNSでその心情を吐露しているが、そのあとはミカたんが急に優しくなることもあり、そのアップダウンに苦しんでいる。何度かミカたんの家に来ている兄を見かけており、ミカたんの彼氏だと勘違いしている。
ミカたん
地下アイドルグループの一員として活動中の女性。マサキが住むアパートの隣室に引っ越してきた。ツインテールの髪型で、口元のほくろと八重歯がチャームポイント。自分を推してくれているアイドルオタクのマサキが住んでいるところを知っており、あえてマサキのいるアパートを選んだ経緯がある。実はかなりドSで、録音した喘ぎ声を大音量で流してマサキに聞かせたり、イベントで手渡されたプレゼントをマサキの目の前で捨てるなど、わざとマサキの心を揺さぶり、動揺する様を楽しんでいる。マサキの前では、イベントで顔を合わせても隣人と同一人物であるとは気づいていない体を取り繕っており、逆に隣人としてマサキと顔を合わせる時には、自分がアイドルであると匂わすこともない。ある時、マサキとぶつかった拍子にポケットに入っていた鍵をかすめ取り、合い鍵を作成。その後、マサキの部屋に入って隠しカメラを設置し、盗撮した映像をつねにスマートフォンでチェックしているほか、深夜には眠っているマサキを直接見るために合い鍵を使って部屋に入ることもある。アイドルのプロフィールには兄妹はいないと書いているが、実は兄がおり、兄を使って彼氏がいるように見せ掛け、わざとマサキが誤解するように仕向けている。本名は「真田ミカ」。
兄 (あに)
ミカたんの兄。ミカたんのアパートによく呼び出されるなど、何かと妹にこき使われている。その様子がまるで彼氏のように見え、ミカたんの隣人であるマサキは兄を恋人だと勘違いしている。一方の兄本人は、マサキに誤解を与えていることはまったく知らない。
朔 (さく)
女子大学生。年齢は21歳。ミカたんが所属するアイドルグループの「ひなっち」を推している。SNSでアイドルのことをつぶやいているマサキに、同じアイドル好きとして直接コメントを送った。マサキからの返信をきっかけに、同じ趣味を持つ者として実際に会って話がしたいと持ち掛ける。SNS上には自撮り写真をアップしている。