あらすじ
第1巻
アベンジャーズのナターシャ・ロマノフとスティーブ・ロジャースは、スターク・インダストリーズで行われたトニー・スタークの誕生日パーティで、ゾンビマスクをかぶって参加者達を驚かすサプライズを演出した。しかしそんな中、本物のゾンビがパーティ会場に姿を現す。しかもゾンビは、スターク・インダストリーズのみならず、ニューヨークの町でも大量発生していた。感染源は解らず、さらにはソーとナターシャもゾンビウイルスに感染してしまうという事態が発生。天才科学者のブルース・バナーは治療薬を作り始めるが、ゾンビ化したソーの襲撃を受けてしまう。そこへ現れたリサ・アマノは、エイリアンのもたらしたチタウリの武器を使ってゾンビのソーを撃退する。チタウリの武器を調査していたリサは、チタウリに含まれるタンパク質の突然変異からゾンビウイルスが発生した事を告白し、ゾンビ騒動を収束させるためアベンジャーズに協力を申し出る。だが、実はゾンビウイルスの発生・拡散には、リサだけではなくジャスパー・スコットという男が深くかかわっていた。
第2巻
リサ・アマノはゾンビ治療薬の実験台になるべく、自らゾンビウイルスに感染した。だが、治療薬接種後もゾンビ化は止まらず、ナターシャ・ロマノフを襲ってしまう。この時、ナターシャを守ろうとしたブルース・バナーはリサに嚙まれ、あろうことかハルクの姿でゾンビ化してしまうが、治療薬が効いたソーとナターシャが彼の暴走を止める事に成功する。だがその頃、ニューヨーク市街地のゾンビを止めるために出て行ったジェームズ・ローズとの連絡が途絶。これを受けてトニー・スターク、スティーブ・ロジャース、クリント・バートンは町へ応援に向かうが、大量のゾンビ集団に苦戦を強いられる事となる。戦いの中で、三人はゾンビウイルスに感染してしまうが、そこに現れたジャスパー・スコットの抗ウイルス剤により救われる。スコットは科学者で、ゾンビウイルスに対抗する抗ウイルス剤を作ったと語るが、トニーはそれほどの科学者を自分が知らないはずはないと、彼に疑いの目を向ける。
登場人物・キャラクター
トニー・スターク (とにーすたーく)
黒髪で少し垂れ目の、口髭と顎鬚を生やした中年の男性。ヒーローチーム・アベンジャーズの一員。天才科学者であり、スターク・インダストリーズの創設者にして元社長。有事には自分で作ったアイアンマンススーツを身にまとい、「アイアンマン」となって悪と戦う。ペッパー・ポッツは恋人で、ジェームズ・ローズとは親友。 ニューヨーク市街地に現れたゾンビ達と対峙するローズと連絡が取れなくなったため、スティーブ・ロジャース、クリント・バートンといっしょに市街戦に参加する。そこでゾンビウイルスに感染してしまうが、ジャスパー・スコットに助けられる。
スティーブ・ロジャース (すてぃーぶろじゃーす)
金髪碧眼の逞しい若者で、非常にまじめで正義感が強い。ヒーローチーム・アベンジャーズの一員。戦時中の「スーパーソルジャー計画」によって超人血清を打たれ、体重40キロの虚弱体質から健康で筋肉隆々の男性に変化し「キャプテン・アメリカ」となった。戦いの中で戦闘機ごと氷海に突っ込んだまま70年間冷凍されていが、超人血清のおかげで奇跡的に息を吹き返した。 ニューヨーク市街地に現れたゾンビ達と対峙するジェームズ・ローズと連絡が取れなくなったため、トニー・スターク、クリント・バートンといっしょに市街戦に参加する。そこでゾンビウイルスに感染してしまうが、ジャスパー・スコットに助けられる。
ソー
長い金髪に逞しい体を持った若い男性。ヒーローチーム・アベンジャーズの一員。神の世界「アスガルド」の王子で、人間離れした強さを持っている。神の資質を持つ者にしか持てないハンマー「ムジョルニア」を持って戦う。トニー・スタークの誕生日パーティに現れたゾンビのせいで、ゾンビになってしまう。ゾンビ化した際に取れた目玉をナターシャ・ロマノフに渡し、彼女がソンビになる原因も作ってしまった。 ゾンビウイルスに感染した事で神の資格を失い、ムジョルニアを持てなくなってしまう。チタウリの武器を地球にもたらしたエイリアン軍団を連れて来たロキの兄。
ブルース・バナー (ぶるーすばなー)
くせ毛で眼鏡をかけた、くたびれた雰囲気を漂わせた中年の男性。ヒーローチーム・アベンジャーズの一員。天才科学者だが、心拍数200を越えると緑の怪物「ハルク」に変身する。ハルクに変身するとブルースの意識は封印され自分をコントロールできなくなってしまう。トニー・スタークの誕生パーティに現れたゾンビから感染したソーや、ナターシャ・ロマノフを救うためにワクチンを開発する。
ナターシャ・ロマノフ (なたーしゃろまのふ)
サラサラのロングヘアーに抜群のスタイルで、誰もが振り向くようなセクシーな女性スパイ。ヒーローチーム・アベンジャーズの一員。超人的能力はないが、卓越した戦闘技術やスパイ能力を持つ。ソンビウイルスに感染したソーの目玉に触れた事から、自身もゾンビウイルスに感染してしまう。別名は「ブラック・ウィドウ」。
クリント・バートン (くりんとばーとん)
サングラスをかけた金髪の若い男性。ヒーローチーム・アベンジャーズの一員で、地上最強といわれるほどの弓の使い手。ジェームズ・ローズと連絡が取れなくなったため、トニー・スターク、スティーブ・ロジャースと一緒に市街戦に参加する。そこでゾンビウイルスに感染してしまうが、ジャスパー・スコットに助けられる。 別名は「ホークアイ」。
ペッパー・ポッツ (ぺっぱーぽっつ)
ロングヘアでかわいらしい雰囲気を漂わせた若い女性。スターク・インダストリーズの社長を務めている。恋人のトニー・スタークの誕生会を企画したが、ゾンビが現れて騒動に巻き込まれる事となった。戦う能力を持たないため、ジェームズ・ローズに伴われ、安全な場所に避難する。
ジェームズ・ローズ (じぇーむずろーず)
空軍大佐を務める中年の黒人男性。強化スーツを身にまとい、「ウォーマシン」として戦う事ができる。トニー・スタークの親友。トニーの誕生日パーティに現れたゾンビからペッパー・ポッツを避難させたあと、トニーらアベンジャーズとは別行動を取り、ニューヨークの市街地に現れたゾンビ集団と戦う。
リサ・アマノ (りさあまの)
黒髪ボブカットのアジア系の若い女性で、スターク・インダストリーズの研究員を務めている。スティーブ・ロジャース扮する「キャプテン・アメリカ」のファンで、ファンサイト「CAPTAIN☆AMERICA OF THE DAY」を運営している。スターク・インダストリーズの監視カメラに入り込んで、キャプテン・アメリカの隠し撮りをしていた事もあり、そのハッキング能力の優秀さはトニー・スタークにも買われている。 結婚で名字が変わったが、ジャスパー・スコットの異父姉。ジャスパーと共に研究していたチタウリの武器から、偶然ゾンビウイルスを発見し、拡散させてしまった張本人。子供の頃は田舎の施設で異父弟のジャスパーと共に育ったが、外見がアジア系という事でリサ・アマノのみが差別されていた。
ジャスパー・スコット (じゃすぱーすこっと)
肩ほどまでの少しウェーブがかった黒髪の若い白人男性で、スターク・インダストリーズの研究員を務めている。姉のリサ・アマノと共に研究していたチタウリの武器から、偶然ゾンビウイルスを発見し、拡散させてしまった張本人。子供の頃は金髪で、田舎の施設で異父姉のリサと育った。リサとは異なり白人系の外見をしているため、施設でも特に差別される事はなかった。 ゾンビウイルスに感染したトニー・スターク、スティーブ・ロジャース、クリント・バートンを自身の作った抗ウイルス剤で助ける。
ロキ
黒く長い髪で鎧をまとった若い男性。神の国「アスガルド」の第二王子で、ソーの弟。人を騙すのが得意で、ソーの事も何度も騙している。宇宙からエイリアン軍団をニューヨーク連れて来た過去がある。その時にエイリアンが地球に持ち込んだのが「チタウリの武器」である。
集団・組織
アベンジャーズ
地球を救うため、さまざまな能力を持つ者達で結成されたスーパーヒーローチーム。トニー・スターク、スティーブ・ロジャース、ソー、ブルース・バナー、ナターシャ・ロマノフ、クリント・バートンなどがメンバーに名を連ねている。
場所
スターク・インダストリーズ (すたーくいんだすとりーず)
トニー・スタークが創設した会社で、現在はペッパー・ポッツが社長を務めている。アメリカ屈指の大企業で、昔は兵器開発もしていた。各研究部門が充実しており、リサ・アマノ、ジャスパー・スコットも同社の研究員である。トニーの誕生日パーティも同社内で行われていた。
その他キーワード
ムジョルニア
神の国「アスガルド」の武器で、神の資質を持つ者にしか持ちあげる事のできないハンマー。ふだんはソーが持って使っているが、ゾンビ化したソーには神の資質がないとムジョルニアに判断され、持ちあげられなくなった。
チタウリの武器
ロキが宇宙から連れて来たエイリアン軍団が持っていた武器。裏ルートでは売買や取引が行われており、リサ・アマノも非合法な方法でこの武器を手に入れ、弟のジャスパー・スコットと共に研究していた。チタウリに含まれるタンパク質の突然変異から、偶然ゾンビウイルスが発生し、ゾンビパンデミックの原因となった。
ゾンビウイルス
チタウリの細胞に含まれるタンパク質が突然変異してできたもの。リサ・アマノが入手したチタウリの武器から偶然生まれた。人間に感染して3~5時間経つと動きを止め、全身の水疱がぶくぶくと巨大に膨れ上がり、爆発する。それによってウイルスを飛散させ感染者を増やす性質がある。
書誌情報
アベンジャーズ/ゾンビ・アセンブル 2巻 講談社〈講談社コミックス〉
第1巻
(2015-12-09発行、 978-4063955293)
第2巻
(2016-07-08発行、 978-4063956627)