仮面ライダークウガ

仮面ライダークウガ

横島一の代表作で、特撮テレビドラマ『仮面ライダークウガ』のコミカライズ作品。脚本は原作ドラマ版『仮面ライダークウガ』のほか、『仮面ライダーアギト』や『仮面ライダー555』など、数々の「仮面ライダー」シリーズを手掛けた井上敏樹が務める。また『仮面ライダークウガ』や『仮面ライダーアギト』をはじめ、さまざまなシリーズ作品のプロデューサーを務めた白倉伸一郎が企画を担当する。2015年の東京を舞台に、殺人ゲーム「ゲゲル」を行う未確認生命体「グロンギ」と、ゲゲルによる殺人を阻止するために戦う仮面ライダークウガの激闘を描いたヒーローバトルアクション。人間に興味を抱いたり、心を通わせるグロンギの存在や、『仮面ライダーアギト』のキャラクターが登場するなど、原作では見られなかった要素も楽しめる。ヒーローズ「月刊ヒーローズ」2014年12月号から2020年12月号にかけて掲載された後、ヒーローズ「コミプレ」で配信の作品。

正式名称
仮面ライダークウガ
ふりがな
かめんらいだーくうが
原作者
石ノ森 章太郎
作画
ジャンル
ヒューマンドラマ
 
スーパーヒーロー
レーベル
ヒーローズコミックス(ヒーローズ)
巻数
既刊25巻
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「平成仮面ライダーシリーズ」の元祖をコミカライズ

原作となる『仮面ライダークウガ』は、2000年1月30日から2001年1月21日まで放送された特撮テレビドラマ。20作品に渡って制作された「平成仮面ライダーシリーズ」の第1作目にあたり、複数のコミカライズやノベライズ、ゲーム化もされている。また、平成仮面ライダーシリーズの10作目にあたる『仮面ライダーディケイド』でもレギュラー出演を果たすなど、仮面ライダーファンから高い人気を集めている。本作は原作とは異なるテイストが多く盛り込まれ、ストーリーや設定を独自に再構築した作品となっている。

未確認生命体「グロンギ」による恐怖のゲーム

五代雄介や警察組織と敵対する謎の生命体「グロンギ」は、現人類とはまったく異なる文化と思考を持つ。彼らは「ン」と呼ばれる階級を頂点に、殺人ゲーム「ゲゲル」の審判兼監視役を務める上位階級「ラ」「ン」を目指してゲゲルに挑戦する「ゴ」「メ」「ズ」、ゲゲルで使用する道具や武器を開発する「ヌ」、奴隷として虐げられている「ベ」など、複数の階級が存在する。グロンギのほとんどは「ゴ」「メ」「ズ」に属しており、ゲゲルの中で定められた数の人間を時間内に殺すことで階級が上がっていく。つまり、グロンギにとって人間の殺害は手段であって目的ではなく、人類はスコア獲得のための餌でしかない。またゲゲルに失敗したグロンギは死亡するため、両方が生存することは基本的にあり得ず、人類とグロンギの戦いはほぼ生存競争のような形になっている。だが、暇つぶし感覚で人間社会を楽しんだり、ゲゲルを嫌って逃亡を図るグロンギがいるなど、グロンギのすべてがゲゲルの実行だけを目論んでいるわけではない。

『仮面ライダーアギト』の要素をミックス

本作には、原作上は『仮面ライダークウガ』と明確なつながりがなかった『仮面ライダーアギト』のキャラクターが登場する。津上翔一は、原作と異なる経緯で「仮面ライダーアギト」に変身し、やがて五代雄介と共闘するようになる。さらにアギトが複数存在するという設定も採用されており、土倉さやかや都沢聖子など、本作のオリジナルキャラクターもアギトに変身する。彼らの多くは、上位階級のグロンギであるラ・ドルド・グに見出された死刑囚で、ドルド以外のグロンギとの対決を目的とした「ガギション・ゲゲル」の遂行を目論む第三勢力として暗躍する。さらに『仮面ライダーアギト』のもう一人の主役といえる「仮面ライダーG3」も登場。原作同様、警視庁が開発したパワードスーツという位置づけながら、原作では氷川誠が変身したが、本作では雄介と親交の深い警察官の一条薫が変身する。

登場人物・キャラクター

五代 雄介 (ごだい ゆうすけ)

「仮面ライダークウガ」に変身する青年。年齢は24歳。明るく朗らかな性格で、誰に対しても気さくに接する。また数多くの特技を持ち、「2015の技を持つ男」を自称している。一方で、やや浮世離れしており、よくも悪くも悪目立ちしている。東京の「城南大学」を卒業後、アルバイトをしながらバイクで日本全国を旅していたが、知り合いが経営する喫茶店「ポレポレ」でアルバイトを始める。そんな中、コウモリ型のグロンギ「ズ・ゴオマ・グ」の凶行に巻き込まれ重傷を負う。そしてかつてグロンギと戦っていた戦士の魂と出会い、彼の力を受け継いで仮面ライダークウガへの変身能力を得る。その後、非道な行いを続けるグロンギから人類を守ることに使命感を抱き、彼らが殺人ゲーム「ゲゲル」を始めると、それを阻止するため奔走している。ただし、ゲゲルを忌避しようとするメ・ガリマ・バや、雄介の優しさに絆(ほだ)されたヤマイ(「ベ」弟)など、人類の殺戮(さつりく)を望まないグロンギに対しては歩み寄るなど、柔軟な思考も持ち合わせている。

津上 翔一 (つがみ しょういち)

「仮面ライダーアギト」に変身する青年。明るい性格で、容姿が似ていることから五代雄介との類似点を指摘されたことがあるが、他者への依存心が強いうえ、思い込みが激しいという短所を持つ。料理が得意で、その腕を活かしてパン屋でアルバイトをしていた。そんな中、無実の罪で刑務所に収監されていた姉の津上雪菜が目の前で亡くなり、彼女の中に眠っていた因子を受け継いだことで仮面ライダーアギトへの変身能力に目覚めた。この影響から自分が化け物になったと思い込み、なし崩し的にアルバイトを辞めてしまう。五代雄介とは、変身能力を得る前にアルバイト先のパン屋で知り合い、すぐに意気投合した。しかし、彼とメ・ガリマ・バが惹(ひ)かれ合っていることを知ると、雄介がガリマに騙(だま)されていると思い込み、雄介の安全のためと称してガリマを襲撃する。さらに、二重人格の地下アイドル「土倉さやか」を巡って雄介とトラブルになり、一時は険悪な仲になってしまう。だが、のちに北海道の牧場でアルバイト中に雄介と再会し和解する。変身が可能になった当初は、駿河哲也や雄介から実力不足を危惧されていたが、パワーアップを重ねていき、やがて「ゴ」階級の強力なグロンギとも互角以上に戦えるようになる。

クレジット

原作

脚本

企画

白倉 伸一郎

書誌情報

仮面ライダークウガ 25巻 ヒーローズ〈ヒーローズコミックス〉

第1巻

(2015-07-04発行、 978-4864684217)

第23巻

(2023-12-27発行、 978-4864682183)

第24巻

(2024-06-05発行、 978-4864682589)

第25巻

(2024-08-29発行、 978-4864682855)

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