概要
ユーロ大陸の北方の国パロと南方の国家イサは、長年相互不可侵を結んでいた。しかし、パロの国王ランスロは、交易で繁栄するイサを征服するべく、隠密によって水門を破壊して水没を企てる。
サキの村の若者イズーは偶然、この企てを阻止し、パロの大臣カイルからイサ侵攻作戦への協力を持ちかけられた。こうして、パロとイサの関係が悪化する中、アーナスはパロの王子ジルと密かに交際していた。
登場人物・キャラクター
イズー
サキの村の青年。妻マーリンと共に暮らすが平凡な暮らしに満足出来ず、立身出世を望んでいた。そのためにパロに協力して、イサを水没させ、出世を果たす。しかし、代償として故郷も妻も失ったことを知る。
カイル
パロの大臣。イサ侵攻を企むランスロの意を受けつつ、それを扇動する。出世を条件にイズーにイサ侵攻への協力を持ちかけた。
ジル
パロの王子。イサの王女アーナスと密かに愛し合い、両国の戦争を回避しようとするが、父王ランスロを誤って殺してしまう。その責任を取るために軍を率いて出陣し、アーナスと対決した。
パロ
『ウインダリア』に登場する国。ユーロ大陸の北方山岳地帯に位置する工業軍事都市国家。かつては繁栄したが、社会の腐敗によって国力も衰退した。国王ランスロは現状打破のために、交易で栄えるイサへの侵攻を企む。
イサ
『ウインダリア』に登場する国。ユーロ大陸最南端の大河イパ河河口に位置する都市国家。交易で繁栄する非武装主義の国で、国土全体が低地のために巨大な水門で守られている。軍事力で勝るパロの侵攻を受けた。
ドルイド
サキの村の女性。贅沢な暮らしを求めて、恋人を幽霊船の船長に送り出した。しかし、それを後悔して、戻ってきてほしいと幽霊船に呼びかけ続けている。
マーリン
イズーの妻。サキの村で穏やかに暮らし、野心のために出奔した夫を信じて、その帰りを待ち続ける。パロとイサの戦争の犠牲となって、命を落とした後も魂となって、夫を待っていた。
アーナス
イサの王女。パロの王子ジルと密かに愛し合っていた。両国の戦争勃発に際し、ジルとの結婚によって、それを回避しようとするが果たせず、軍を率いて出陣。ジルと対決した。
ランスロ
パロの国王。衰退する祖国の現実を直視出来ず、現状打破のためにイサ侵攻を企む。戦争に反対する息子のジルと口論になり、誤って刺し殺された。
場所
サキの村 (さきのむら)
『ウインダリア』に登場する村。イサとパロの間に位置する交通上の要衝で、どちらの支配下にも入らず独立を保っている村。農業を営む村人達は巨大樹ウインダリアを信仰している。
迷いの森 (まよいのもり)
『ウインダリア』に登場する森。パロとサキの村との間に広がる森林で、入ってきた人間の心を反映した幻影を見せる。両国の戦争に際し、戦場となった。戦前にはアーナスとジルが逢瀬を重ねていた場所でもある。
その他キーワード
ウインダリア
『ウインダリア』に登場する植物。サキの村の北の丘にそびえる巨大な樹。村人の集会場であり、幸運をもたらす樹として、信仰の対象でもあった。全てを失ったイズーが、この根元に帰ってくる。
幽霊船 (ゆうれいせん)
『ウインダリア』に登場する乗り物。死ぬと赤い鳥となるユーロ大陸の住民の魂を迎えにくる飛行船。常に空中を飛び続け、その船長は莫大な報酬が与えられるが、十年に一回交替されるまで乗り続ける。現在の船長はドルイドの恋人。