オレが魔法をかけてやる

オレが魔法をかけてやる

あこがれの先輩の彼女になる野望を心に秘めた女子高校生・新井芙希が、クラスメイトのクールビューティー王子・岡田千春の手を借り、いい女になるためのメイク修行に励むラブストーリー。「別冊フレンド」に掲載された。

正式名称
オレが魔法をかけてやる
ふりがな
おれがまほうをかけてやる
作者
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あらすじ

第1巻

春から女子高校生となった新井芙希は、通学のバスの中で眠りこけ、となりに座っていた男子生徒によだれを垂らし、彼から「終わってるね女として」と皮肉られてしまう。遅刻の末、なんとか無事に入学式を終えた芙希が教室に入ると、なんと後ろの席にいたのは先ほどの岡田千春という男子生徒だった。困惑する芙希をよそに、千春は芙希の髪型がボサボサである事を指摘したうえ、「やっぱあんた終わってるわ」と再び暴言を吐く。放課後、芙希はこの高校に入った最大の理由であるバレー部の男子生徒・渡辺直哉が、千春といっしょにいる姿を目撃。これをチャンスと考えた芙希は、あこがれの先輩である直哉の情報を得るために、千春に近づく。しかし千春は、芙希の子供っぽい風貌と物腰を見て、直哉の彼女になるのは無理であると断言。ショックを受けた芙希は、翌日に勇気を出して直哉に会いに行くも、直哉から小学生と勘違いされ、さらにショックを受けてしまう。傷心のまま雨宿りをしていた芙希は、そこで千春と会い、彼の自宅である美容院でメイクの手ほどきを受ける事になった。メイクアップで自分でも驚くほど雰囲気が変わった芙希は、そこにやって来た直哉からもかわいいとほめられる。嬉しさに舞い上がった芙希は、千春に対し、いい女になるための協力を依頼。メイクの練習台になる事を条件にこの提案を承諾した千春は、芙希のために美容師のプロの卵として、尽力を約束する。その後、千春のメイクでオシャレの楽しさに目覚め、女性としての自信をつけた芙希は、足しげくバレー部の応援に通い、直哉と二人きりで買い物に出かけたりするなど、その距離を急速に縮めていく。そんなある日、芙希は美容専門学校のブライダル企画として開かれる、花嫁のファッションメイクのコンテストに出場する千春から、無理やり花嫁のモデルに選ばれてしまった。芙希の笑顔をほめ、「オレが魔法をかけてやる」と語った千春を信頼し、コンテストに出場した芙希は、見事グランプリを獲得。芙希は、会場に来ていた直哉に勢いで告白しようとするが、千春から女性として未完成という理由で告白を阻まれてしまう。

第2巻

新井芙希は、岡田千春から最高の状態になるまで渡辺直哉には告白をさせないと告げられる。釈然としない芙希だったが、そんな彼女を綺麗になったと直哉がほめたため、芙希は大いに浮かれた日々を送る事になる。そんなある日の放課後、芙希は直哉と図書館で勉強をする約束を交わすが、会う前のメイクアップを千春から断られてしまう。自力でメイクをしたものの、千春ほどにはうまくできず、その姿を見た先輩の女子生徒から千春のメイク技術ごとバカにされてしまう。千春をかばい抗議した芙希の声を聞きつけ、現場に現れた千春は芙希を押しとどめ、改めて芙希にメイクを施す。しかしメイク終了後、芙希は千春から唐突にキスされてしまう。激しく困惑し、直哉との勉強にも身が入らなくなってしまった芙希は、千春が芙希のメイクをするようになってから、楽し気な表情を見せるようになった事を直哉に知らされる。その夜、直哉から誘われた芙希は、再び千春に会い、警戒しながらもメイクを施してもらう。しかしメイクアップした芙希を見た千春は、芙希を直哉のところに行かせたくないと告げ、再び芙希にキスをする。直哉と会い、そこで夏祭りに誘われた芙希だったが、先ほどのキスが脳裏にちらつき、目の前の会話にも集中できないでいた。翌日、借りた服を返すため美容室に出向いた芙希は、そこでばったり千春に遭遇。気まずくなり、思わず逃げてしまった芙希を追いかけて来た千春は、ついに芙希に告白をする、しかし、芙希は直哉が好きだと宣言し、そのまま二人は別れる事になってしまう。その日から学校に出てこなくなった千春と会えなくなっていた芙希は、ある日、千春がフランスへ留学する事を知らされる。気持ちの整理がつかない中、直哉と夏祭りにいった芙希は、直哉からの告白を受けるも、返事を保留してしまう。千春が旅立ち、彼から習ったメイクも楽しくなくなっていたある日、直哉とのデート中に街頭テレビに映ったフランスで美容師の修行をしている千春の姿を見た芙希は、ようやく自分の本当の気持ちに気づく。直哉に促され、千春の美容院に向かった芙希は、そこで一時帰国していた千春に遭遇。自分の思いたけのすべてを、千春に伝えるのだった。

登場人物・キャラクター

新井 芙希 (あらい ふき)

まだまだあどけなさが残る女子高校生。学年は1年。明るく元気だが、見た目を含めて子供っぽいうえ、おっちょこちょいな性格をしている。愛称は「フキ」。中学生の時に偶然出会った渡辺直哉にあこがれ、彼と付き合うという野望を胸に秘めて同じ高校へと進学した。恋愛には積極的な一方で、メイクや身だしなみにはそれほど興味がなく、初対面の岡田千春からは「終わってるね女として」と評されるほどだった。 千春が直哉と友人同士である事を知り、情報を得るために千春に近づき、成り行きから千春にメイクの手ほどきを受けるようになる。メイク映えするかわいらしい顔立ちをしているため、ファッションメイクコンテストの花嫁モデルとして千春に採用される事もあった。当初こそ直哉の気を惹く事がメイクする動機となっていたが、やがてどんな時でも自分の魅力を最大限に引き出してくれる千春に、徐々に心惹かれていく。

岡田 千春 (おかだ ちばる)

プロの美容師を目指している長身の男子高校生。学年は1年。いつもけだるそうな雰囲気を漂わせている口数の少ないクールなイケメン。実家は美容院を営んでおり、岡田秋人という美容師の兄がいる。愛称は「チバル」。新井芙希のクラスメイトで、初対面の芙希の身だしなみを見て、「(女として)終わってる」と断言するなど、ドSかつぶっきらぼうな毒舌家でもある。 2歳年上の渡辺直哉とは幼なじみで、気の置けない友人同士。メイク技術とセンスには定評があり、新入生の女子生徒のあいだでもすでに噂になっていた。直哉に恋をしている芙希を練習台にする代わりに、美容師の卵としての誇りをかけてメイクを施す事を約束する。以後は、芙希に乞われて事あるごとにメイクを施していたが、やがて彼女の素直で天真爛漫な面に惹かれていく。 母親の形見であるメイク道具を、今でも大事に使っている。

渡辺 直哉 (わたなべ なおや)

黒髪の男子高校生。学年は3年。バレー部の主将を務めている長身のイケメン。周囲からは「ナオヤ」や「ナオ」と呼ばれている。雨の日に見ず知らずの新井芙希に傘をあげた事で、芙希のあこがれの人となった。非常に温厚で人当たりがよく、女子生徒からは絶大な人気を誇る。岡田千春の先輩で昔からの友人同士。千春からメイクの手ほどきを受けた芙希と交流を重ねるうちに、朗らかな性格の芙希に恋心を抱く。

岡田 秋人 (おかだ あきと)

美容師の男性。岡田千春の10歳以上歳の離れた兄で、千春からは「お兄」と呼ばれている。千春と異なり社交的で、誰とでも打ち解けられる好青年。高校生の頃に小学生だった千春からメイクでいたずらされるなど、やんちゃな弟には手を焼いていた。

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