カガミガミ

カガミガミ

式神による犯罪と戦う秘密の政府組織「式神協会」の活躍を描くバトル漫画。式神つかいの少年と出会ったことで大きく人生を変えられた女性が、その人物のことを回想する形で物語が描かれている。コミックス第5巻には、本作『カガミガミ』のプロトタイプとなった読み切り『式神トワイライトデイズ』も収録されている。集英社「週刊少年ジャンプ」2015年11号から2015年51号まで連載。

正式名称
カガミガミ
ふりがな
かがみがみ
作者
ジャンル
バトル
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概要・あらすじ

探偵の美好真子は、4人の若者グループが切り裂かれた事件を調査するためにやって来た現場で、コダマという不思議な式神を操る少年・嘉神恭介と出会う。そこで犯人の残した憑代を手にした真子は、幼い頃に自身が持っていた「持ち物と持ち主をつなぐ光が見える」という力を取り戻し、恭介と協力して犯人を追い詰めていく。

登場人物・キャラクター

嘉神 恭介 (かがみ きょうすけ)

式神つかいの男性で、年齢は15歳。「鬼の嘉神」と呼ばれ恐れられる門外不出の技を持つ嘉神家で、式神つかいとなるべく育った。ずっと外の世界に出たいと思っており、世界一の式神つかいになるのが夢。自分の体を憑代にして白天丸を召喚し一体となることで、強い力を得ることができる。遠慮がちでおとなしい性格だが、白天丸と同化することで強気な性格に変貌する。

白天丸 (はくてんまる)

霊験あらたかな妖霊で、嘉神恭介の兄貴分。犬に似ているが、本当の正体はキツネである。もとは嘉神家のご神体の石像であり、「この世界にある禍が起きるとき目覚める」と言い伝えられていた。幼い恭介に反応して目覚め、以後行動をともにする。兄貴ぶっているが、撫でられたがりでパフェが大好きという子供っぽいところがある。

美好 真子 (みよし まこ)

探偵業を営む20歳の女性。身長が170センチと高く、スタイルも抜群。幼い頃は、「物を手に持つと、持ち主につながる光の糸が見える」という能力を持っており、その力で遭難した小児を偶然助けたこともある。名探偵になって人々を助け、認められたいと考えているが、現在はその力を失っており、依頼人もなく仕事に窮している。嘉神恭介と出会った後、失われた力を取り戻す。

烏丸 巧海 (からすま たくみ)

式神協会の若手幹部の男性で、年齢は23歳。遅刻や会議の無断欠席が多く九十真大角からしばしば叱責されているが、烏丸巧海本人はさして気にしていない。協会が発動した任務と式神つかいを仲介する、タスク・ブローカーの仕事をしている。実家である烏丸家は、式神協会の三派閥のうちの1つ。

獅土 景一 (しど けいいち)

式神協会に属する式神つかいの男性で、年齢は26歳。身勝手に行動してはしばしば問題を起こしており、烏丸巧海には、式神協会の凶暴ランキングトップ3のうちの1人と称されている。普段はおどおどとした気弱な人物だが、闘争本能が高まると人格が変わり、好戦的で粗野な性格になる。式神協会内では烏丸派に属するが、とりたてて烏丸を崇拝しているわけではない。

皇 開斗 (すめらぎ かいと)

式神協会に属する式神つかいの男性で、年齢は16歳。式神協会の三派閥の中で一番の力を持つ名門・皇家の出身で、若年ながら天才的な能力を持っている。子供の頃は式神をうまく操れず体も弱かったため、実力主義の家の中に居場所がなくなり、嘉神恭介の家に預けられた。恭介とともに修行をする中で、彼を守るために強くなりたいという気持ちを高め、その才能をさらに開花させていく。

姫吊 楓 (ひめつり かえで)

式神協会に属する式神つかいの男性で、年齢は22歳。烏丸巧海とは幼なじみでともに修行をした仲。式神協会では烏丸派に属しているが、なかなか本気を出さない烏丸に対し、密かに苛立ちを覚えている。物腰は穏やかだが、時に冷ややかな一面を見せることもある。子供の頃は昆虫好きの少年で、特に蜘蛛を好んでいたこともあり、蜘蛛型の式神を操る。

狗星 琉伽 (いぬぼし るか)

式神協会に属する式神つかいの男性で、年齢は19歳。式神協会内では、皇派に次ぐ第二勢力である九州の名門・狗神家の一員。父親の影響で、幼い頃から皇家と皇開斗に対抗心を燃やしていた。過去、自身が力を制御できなかったために右目を負傷しており、普段は眼帯をしている。

九十真 大角 (つくま だいかく)

式神協会の局長を務める男性で、年齢は34歳。長髪のがっしりした体格の持ち主。また両手にはいつも手袋をはめている。三大派閥のいずれにも属さないことから、式神協会内の重鎮に指名されて局長となった。結界を扱う力に長けている。思ったことをついストレートに口に出してしまうせいで、セクハラ発言が多い。

比良坂 切比古 (ひらさか きるひこ)

式神協会に属する式神つかいの男性で、年齢は17歳。額に傷がある。残忍な性格で、熱狂的な狗星派であり、狗星琉伽に逆らう者や、狗星の力にならないと判断した者に対しては一切の容赦がない。過去にいじめられていた経験があり、狗星に対し、弱い自分を変えてくれたという恩義を感じている。

金巻 (かなまき)

マガツヒの卵を開発した青年。もともと研究者だったが、研究に行き詰まり自殺をしようとしたところをホローラビットに助けられた。現在は町全体を実験場として、自分自身の研究の成果を証明することに血道をあげている。町のあちこちで式神による暴動を起こさせたことで、人々の間に式神の存在を周知させる原因を作った。

ホローラビット

インターネットを介して負の念を抱く者と接触し、式神つかいの力を与えている謎の人物。複数の式神事件の裏で糸を引いている。接触された者は、マガツヒの卵を飲むように促され、体内に未登録の違法なGHOSTを埋め込まれることになる。ウサギやクマなどのぬいぐるみを操ったり、着ぐるみ姿で登場するが、その正体は遥か昔に皇家、狗星家、烏丸家の三家によって滅ぼされたはずの危険思想の持主・終月家一族である。

終月 茫 (ついらぎ ぼう)

式神つかいの男性で、過去に滅ぼされたとされていた終月家の末裔。人とコダマを同化させる力を持っている。幼い頃から兄弟として育てられた仲間とともに、式神協会本部に戦いを挑む。白禍深獄への入口を開き、向こう側へ「還る」ことを目的としている。

羅生丸 (らしょうまる)

嘉神恭介の式神で、恭介自身が作ったぬいぐるみのストラップが憑代。硬い装甲に守られた無骨な姿だが、恭介の姿が見えないと寂しくて「クーン……」と泣いてしまうなど、よく懐いた犬のような言動をとる。素早さはそれほどないが打撃力が強く、カウンター攻撃を得意とする。

慚鬼丸 (ざんきまる)

嘉神恭介の式神で、憑代は小さなキーホルダー。もともとは一人きりで生きてきた小さな鬼。武者修行のために人里に降り、学校の人体模型に触れたところ同化して出られなくなってしまった。仕方なく学校にとどまり修行をしていたところ恭介と出会い、式神として契約を結ぶ。

集団・組織

式神協会 (しきがみきょうかい)

式神つかいのための政府特命機関だが、その存在は発足から3年が経過した現在も非公開とされている。式神を使って罪を犯した人間は通常の逮捕をされることはなく、式神協会により秘密裏に連行されることになる。12年前に出現した白禍深獄を封印するため、式神つかいによって作られた組織をもととしており、いまも本部の地下には白禍深獄への入口が開かれている。

場所

白禍深獄 (へくとへる)

数百年に一度入口が開くといわれている別の世界。白いものが舞い落ちる深い闇の世界で、古くから「地獄」と呼ばれ恐れられているもの。濃密な霊気に満ちていて、たくさんのコダマが存在している。12年前に入り口が開いたが、式神協会の力で封印されている。解放されることになれば、コダマが物に取り憑いて凶暴化するため、世界中が甚大な被害を被る。

その他キーワード

マガツヒの卵 (まがつひのたまご)

内部に蟲が入っている球形の物体。これを飲み込むことによって人の霊力を高め、即席式神つかいに仕立て上げることができる。内部にはナノマイクロチップが埋め込まれており、信号を受信することで逆に式神つかいの体を取り込んで孵化させることができる。金巻によって生み出された。

GHOST (ごーすと)

式神を召喚するための補助デバイス。式神協会が式神つかいのために開発した、生体接続(バイオリンク)の霊子機器。式神の能力調整や、位置の把握などに利用できる。腕につけてスイッチを入れることで映像が投影される仕組み。音声入力での操作が可能。

憑代 (よりしろ)

式神の体となる器で、式神つかいの思い入れの強いものが使われる場合が多い。悪意を持って利用すると、魑魅魍魎を喚び込む凶暴な式神が比較的容易に作れてしまう。憑代には、式神つかいの念がこめられているため、式神つかいにとっては魂の欠片のような存在。

式神つかい (しきがみつかい)

式神と契約し、仲間になることができる存在。情報が制限されているため、一部の人にしか存在は知られていない。以前は、権力者から力を恐れられて隔離されるなど、表舞台には立てない存在だった。現在は非公式ながら政府と協力し合っている。式神つかいになるためには本人の才能はもちろん、厳しい修行も必要となる。

コダマ

炎や雪など、さまざまなものを憑代とする式神。嘉神恭介が使役しているコダマの憑代は紙で、何匹もいるため探し物や探索に便利。体の大きさや形を変えることで、探索に適した形状や戦闘に適した形状などに変化することができる。「嘉神の式神術はコダマにあり」ともいわれている。

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