魔法陣グルグル

魔法陣グルグル

衛藤ヒロユキの代表作。そこに住む者たちが光の者と闇の者に区分される世界で、勇者の少年・ニケと魔法使いの少女・ククリの冒険を描くギャグ色の強い異世界ファンタジー漫画。日本のコンピュータゲームジャンル・RPGに大きな影響を受けており、吹き出しやシチュエーション、用語などをパロディとして多用している。エニックス(現・スクウェア・エニックス)「月刊少年ガンガン」1992年8月号から2003年9月号まで連載。1994年10月、2000年4月にテレビアニメ化。連載25周年の2017年7月、約17年ぶりとなる3度目のテレビアニメ化。1話からリメイクされ、原作最終話までが描かれた。

正式名称
魔法陣グルグル
ふりがな
まほうじんぐるぐる
作者
ジャンル
バトル
 
ファンタジー
レーベル
ガンガンコミックス(スクウェア・エニックス)
巻数
全16巻完結
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概要・あらすじ

ジミナ村で勇者になるよう両親に育てられた少年・ニケは、魔法使いのククリとともに魔王ギリ討伐の冒険の旅へと出発する。魔王ギリ配下の魔物たちに脅かされる村々を救いながら、ククリが使用する魔法グルグルと、彼女の出生の秘密を少しずつ解き明かしていく。新たな仲間たちとも出会いながら、ふたりは少しずつ成長(レベルアップ)していき、魔王ギリの根城へと近づくのだった。

登場人物・キャラクター

ニケ

ジミナ村に住む勇者マニアの父親・バトとそれを応援する母親・レナから、やがて勇者になるようハチャメチャな特訓を受けて育てられた少年で、魔王ギリを討伐するため、半ば強引に魔法使いのククリとともに冒険の旅に出かけることになる。魔王討伐の布令を出したコーダイ城にて、勇者を調べる不思議な箱・ランヤランカから、その証である強大だが不安定な力を持つ「剣」を引き抜き、正式に勇者として認められた。 お調子者で図に乗りやすい性格をしており、いきあたりばったりで訪れた村を魔王ギリの配下を倒して救いつつも、その村に居座りってワガママ放題の態度を取り、半ば追い出される形で次なる冒険へと向かうこともしばしば。 戦闘においては素早い動きや間抜けな動きで敵を翻弄するといった、姑息な戦いを得意とする。それもそのはずで、ネコジタ谷に住む高僧・ガタリの啓示を受け、勇者というのはあくまでも称号的なものであり、本当の職業は盗賊であることが判明。また、その啓示で自然界のあらゆるものから剣を生み出す伝説の光魔法・キラキラを会得し、自然界の四要素である「火」「地」「水」「風」の四人の精霊の王に認められて最強の剣を手にするという具体的な目標を見出すこととなった。

ククリ

ジミナ村の魔法オババの家で隠れるようにして育った魔法使いの少女。杖を使って地面に描いた魔法陣から不思議なものを召喚して様々な効果を発揮する魔法・グルグルを操る種族・ミグミグ族の生き残り。本人もグルグル使いだが修行中の身で失敗も多く、変な生き物を呼び出しては周囲に迷惑をかけている。 勇者様と呼んで慕うニケとともに、魔王ギリ討伐の旅に出かけることとなった。長く村に匿われていたため世間知らずなうえに臆病な性格をしているが、ニケのために勇気を振り絞って魔物に立ち向かうなど、頑張り屋な一面もある。最初の頃は各地に残されていた魔法陣を発見しては新たなグルグルを発動。 それを冒険の途中で見つけたククリのために残された経典に書き写していたが、やがて自身の出生の秘密やミグミグ族、そしてグルグルについての知識を深め、自身のオリジナルのグルグルを作り出したり、杖なしでも空中に魔法陣を描いたりできるようになる。ニケを慕う心はやがて恋心に変わり、嫉妬から心を暴走させて悪魔に変化したこともあったが、旅先で出会った仲間たちの協力で元の姿に戻り、よりニケとの絆を深めていった。

アドバーグ・エルドル

キタの村に伝わる踊り・キタキタ踊りを広めることに命を懸けている老人。本来キタキタ踊りは女性の踊りだったのだが、伝承者がいなくなったためにキタキタ親父が引く継ぐこととなった。半裸に腰ミノ姿、頭には太陽のマークの付いた王冠を被って左右に腕を突き出しながら舞い踊る姿はまさに変態。 キタの村を訪れたニケやククリをはじめ、すべての人々に大不評である。村で唯一の女の子、ミグに受け継ぐくらいなら死ぬとまで言われてしまい、ならばとキタキタ踊りを世に広めて伝承者を探す旅に出ることとなった。その道中でニケとククリに何度も再会しては、ふたりの冒険に同行。手を貸すと言いながら脇で何の脈絡もなくキタキタ踊りを披露する。 だが、物怖じしない性格に加えて実は戦士顔負けの体力を誇っており、どんな攻撃を受けても、また谷底に突き落とされたとしてもまず死ぬことはない。それどころかキタキタ踊りでニケたちの窮地を救うこともあり、実は侮れない存在である。キタキタ踊りを広めるという使命感はどんどん大きくなり、ついには魔王ギリにまで踊りを教えると言い出した。

ギップル

『魔法陣グルグル』に登場する魔物。その人物が持つ魔力をチェックする能力を持った、人の頭ほどの大きさの精霊。マントを羽織った可愛らしい姿をしているが、その下は褌を身につけており、風がなびくとその姿が丸見えになって初見の人物を動揺させる。人に慣れた精霊で、闇魔法結社の総裁に呼ばれて登場。ニケの能力を調べ、彼が強力な光の者であることを告げた。 その後は冒険の道案内役としてニケとククリの旅に同行する。マントの中の空間を圧縮でき、ある程度の荷物を持ち運び可能。また、マントを大きく広げることでテントになれるが、中に入るとマントの下の褌姿が丸見えになるため慣れるまで寝心地は悪い。クサいセリフに敏感で、それらを察知するとどぎつい顔をして出現。 そのシチュエーションを妨害しようと躍起になる。終盤に実は風の精霊であることが判明し、風の王にニケを引きあわせた。

トマ

ニケとククリが訪れたキタの村に住む僧侶志望の少年。あまり個性のない外見に加えておとなしい性格なため、周囲からは非常に地味な人間として認識されている。その存在感の薄さをネタにされていじられることが多い。ニケとともにキタの村の危機を救ったのちにニケたちの後を追うように冒険の旅に出発。 当初志望していた僧侶ではなく、アイテムに秘められた魔力を利用して新たなアイテムを発明する魔技師という職業に就き才能を開花させる。ニケとククリの冒険に度々同行して地味に活躍した。その職業柄アイテムには目がなく、研究を開始すると性格が変わったように没頭してしまう。ただ、人間側の技術は魔物側に比べるとかなり遅れており、メカ好きのレイドからは「お前らのやっていることはただの工夫だ」とズバリ言われてショックを受けた。

ジュジュ

修行のためにニケとククリが訪れたシュギ村に住む少女で、シュギ村のあるゲルニ大陸にて多くの信仰者を持つ宗教・プラトー教のルナー(巫女)。三月に一度の降神祭にて神を憑依させて、人々にお告げを与える役目を担っている。村に隠された魔力を持つふたつ腕輪を守るため、ニケとともに魔王ギリの配下たちと戦った。 普段は眠そうな顔してボーっとしているが、その反動からか戦闘になるとハイになり、自分の背丈ほどの祭壇に祈りを捧げ、様々な魔法の力を発動。過激な性格となり、次々と魔物たちを撃退する。この騒動ののちは退屈そうにシュギ村で過ごしていたが、一念発起して村を訪れたルンルンや総裁とともに旅に出る決意をし、ニケたちと合流。 嫉妬の心で悪魔に姿を変えたククリをもとに戻すために尽力した。時折、状況を完全に無視した言動で周囲を煙に巻きつつ、確信めいたことを口にする。

ゴチンコ

シュギ村で剣術道場を営んでいる剣術師範。正統派の剣術ではなく、珍妙な格好や動きで相手を笑わせてスキを突くというヘッポコな戦い方を信条としている。強くなりたいと願うニケに剣術を教えるが、職業が盗賊故のニケの剣術のセンスの無さを見抜いた。なお、道場の表の看板のゴチンコの修行場のゴの文字が落ちかけており、とんでもないことになっている。 実はシュギ村のあるゲルニ大陸にて多くの信仰者を持つ宗教・プラトー教の影の団員で、ルナー(巫女)のジュジュを補佐する役割も担う。

ルンルン

グルグルを崇拝する闇魔法結社に所属する女性で、蛇を使った魔法を操る。キリッとした目つきが特徴的なクールビューティー。その雰囲気に似合わない可愛い名前を他者に知られるのを極度に嫌がっている。グルグルを操るククリを探しており、コーダイ城にて発見したククリをニケとともに「闇魔法結社」へと連行。 ふたりが冒険を再開する際には協力を約束する。のちにコパ大陸で合流し、コパール城の大臣に奪われた宝石・バナナムーンの奪還などに助力した。

総裁 (そうさい)

グルグルを崇拝する闇魔法結社の長。魔王ギリの呪いによりプードルの姿に変えられている。カーテンに覆われた寝所に籠もり、声だけで指示を出していた。光の者であるニケを抹殺しようとしたが、その騒動で寝所のカーテンが外れてプードル姿であることがバレ、威厳が地に落ちてしまう。 その後はニケとククリに協力することを約束し、ルンルンとともにニケ達の後を追うように旅に出た。しかし心まで徐々に犬に近づきつつあり、ルンルンに多大な迷惑をかけることとなる。

ワンチン

ミグミグ族の長で、各所に残された遺跡に具象気体という物体を形作る煙のような姿で現れ、ククリにさまざまな助言を授ける。ただ、時間がなかったためにいつも具象気体の造形がテキトーで、ワンチンというちょっと抜けた名前も相まって、ありがたい言葉もククリたちの心にはあまり響きはしなかった。

アダムスキー

コパ大陸にあるコパール王国にて、改造した古代のアイテムを売っている自称天才芸術家の老人。店のラインナップを見たトマが感動し、弟子入りを果たす。その後、トマとともにさまざまなアイテムを発明し、ニケやククリたちの冒険を手助けした。ただし、美的センスがまったくないため、それらのアイテムの見てくれはかなりひどい。 女の子のおしりを触るだけで、その女の子の将来性や性格などがわかるという奇妙な特技の持ち主。

スライ

コパ大陸にあるコパールの森の中で徒党を組む盗賊団ガバの頭を務める。長髪に無精髭とワイルドな風貌で、投げナイフの達人。料理が趣味だがその腕前は最悪で、手下たちからの評判も悪い。森に迷い込んだニケとククリを手下たちが捕らえるが、ククリから料理を習うことを条件にニケを弟子入りさせた。 森の奥の遺跡にあるという宝石・バナナムーンを狙っていたが、魔物が化けていたコパール城の大臣に横取りされ、ニケやククリたちとともに城へと潜り込み、大臣と戦闘。

クルジェ

エルエル砂漠で魔物よけのベルを売っている少女。実は地の王の娘で、ニケが地の剣を手に入れるために色々と手助けをした。大地に繋がったトロッコのような乗り物を呼び出し、危険地帯を安全に爆走させられるが、有料でそれを動かすためにはコイン一個が必要。

レイド

『魔法陣グルグル』に登場する魔物。イケメンな少年の姿をしている。魔界のプリンスを自称。ニケとククリを付け狙い、幾度と無く戦いを挑んだ。かなりのナルシストで美意識が強く、ポエミーなセリフを吐くためにクサいシチュエーションに敏感なギップルからは嫌われている。強力な魔法を数多く有しているのだが、発動の詠唱や踊りがあまりにも不格好なため、馬鹿にされて中断することも多い。 何度も戦ううちにククリのことが好きになってしまい、倒すのではなく仲間になるよう要求するようになった。魔物ではあるが非常に人間くさい一面を持っており、オバケを怖がりメカ的なものが大好き。ニケのライバル的な存在で出番も多かったのだが、決着は有耶無耶にされてしまった。

カヤ

『魔法陣グルグル』に登場する魔物。黒いローブを羽織った怖い顔の老人の姿をしている。コーダイ城お抱えの魔導師のフリをしていたが、ククリの魔法で正体を見破られ、ニケによって成敗された。だが、実は生きており、その後はグルグルの研究に没頭。幾度と無くククリの前に現れて、魔法合戦で戦うこととなった。度重なる失敗を咎められてイベントの終わった土地の見張りという屈辱の地位にまで落ちぶれるが、最終決戦を前に復活。 ククリと最後の決戦を繰り広げる。

モンク

『魔法陣グルグル』に登場する魔物。髭顔に丸メガネの男性の姿をしている。魔法戦略家という肩書を持ち、レイドの執事も兼任。コパールの森で発見した宝石・バナナムーンに秘められた力を使い、配下のコパール城の大臣を怪獣のような姿の最強大臣に変身させた。だが、火の剣の力を手に入れたニケに最強大臣が敗れ、さらにバナナムーンも奪われてコテンパンにやられてしまう。 その失敗を咎められて失脚し、イベントの終わった土地の見張りに就くこととなった。

デマ

『魔法陣グルグル』に登場する魔物。失脚したモンク、カヤに代わってニケ達の前に立ち塞がった魔王ギリ配下の悪魔。魔王ギリを完全復活させるなど、かなりの実力者だったようだが、ピグナピナ大陸にあるジタリの遺跡で繰り広げた戦いで敗北する。「おぼえてろよ」と定番の復讐の言葉を吐いて逃げ去ったが、そのままフェードアウトした。

魔王ギリ (まおうぎり)

かつて世界征服を目論んだ魔導師。神の踊り子と呼ばれたグルグル使いの少女が放った魔法・恋するハートによって封印されたが、その効力は300年しか持たなかったため、復活しようとしている。封印により自由に動くことはできないが、闇の世界の魔物たちを支配し、各地の村や街に侵攻。完全復活を前にその支配地域を広げている。

その他キーワード

グルグル

『魔法陣グルグル』に登場する魔法。ミグミグ族だけが使用できる魔法で、魔法陣を描いてそこからさまざまなものを召喚する。詳細がよくわからないため闇魔法に分類されていたが、実は闇魔法でも光魔法でもなく、術者の心を映し出して効果を発揮するハートの魔法。心の揺らぎが大きい子供の頃にしか使えない。

キラキラ

『魔法陣グルグル』に登場する魔法。光の者に属する人物が操る光魔法のなかでも最高峰と位置づけられる魔法で、世の中でひとり、すなわち勇者しか使えない。自然界のあらゆるものから剣を取り出すことが可能。自分自身のエネルギーに加え、自然界の四要素「火」「地」「水」「風」の各王に認められることで、各自然のエネルギーの特色を持った剣も作り出せる。 さらに4つの力をひとつにまとめることで、勇者だけの最強の剣が完成する。

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書誌情報

魔法陣グルグル 全16巻 スクウェア・エニックス〈ガンガンコミックス〉

第1巻

(1993-08-21発行、 978-4870250543)

第16巻

(2003-10-22発行、 978-4757510500)

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